オリジナリティも加えたカスタムとして製作
ACサンクチュアリーには、本店以外に都合5つのフランチャイズ店がある。
滋賀県にサンクチュアリーKOUGA、神奈川県にサンクチュアリー横浜大和、埼玉県にサンクチュアリー・アラブル、福島県にサンクチュアリーRED EAGLE。そして愛知県にサンクチュアリー・アビリティ。
いずれも本店工場でメカニックを勤めたスタッフが独立し、KOUGAなら関西以西を……というように、各地域でオーダーされたサンクチュアリー製コンプリート・RCMのメンテナンスや車検受け入れ先として、また同店オリジナルパーツ群の供給ポイントとして開店してきた。
もうひとつ、他地域のRCMなど車両オーナーの立ち寄り先としても機能させるという目的もあった。
そしてこの車両は、愛知県のサンクチュアリー・アビリティによるカスタムZ1だ。
セパレートハンドル使用に始まりフレームは12カ所を補強しダイヤモンドコート、前後17インチのホイールとフロントフォークはXJR1200流用と、基本的には前述のRCMに近い構成が採られる。
だが、よく見ていくと少し違う点にも気がつく。
「スイングアームはアビリティオリジナルでエンドピースにショックマウントを一体化しています。ステップもそうで、ヒールガードプレートを付けたデザインなのでフレームへのダメージ、Z1-RやMk.Ⅱだとサイドカバーも含めてダメージが減らせます。どっちもワンオフ製作です。本店のRCMでも細かい部分でワンオフ品を使うのですが、それを大物で応用したと思ってください」とアビリティ菅原さん。
サンクチュアリーでありつつも地域に根ざしたカスタムショップ的な存在となっていて、こうしたオリジナリティある部分も依頼されるし、菅原さん自身も社内NCフライス等によってこうした独自のパーツ製作を作ることで、自分で狙う機能を実現したかったとのことだった。
一方でそのステップの補修にはサンクチュアリーのナイトロレーシング部品が使えるし、マフラーやステムにもナイトロパーツが使われる。言わば、自身のバックグラウンドを有効に生かしながらユーザー寄りで作り上げたカスタム。
菅原さんにはカスタムの引き出しも多く、このZ1を見ればそのちょっとした独自性も頼ってみたいと思えるはずだ。