さまざまなものに神様が宿るといわれております。バイクも然りかな? そんな神様を祀っている神社は、アナタの住んでいる街にも必ずあるはずです(日本限定)。とっても身近に感じる神様に、そして神社に、お参りしてみてはいかがですか?
今回ご紹介する神社は、河口湖にある河口浅間神社です!
 
※今回の記事は月刊オートバイ2017年10月号で掲載したものを加筆修正しております。

河口浅間神社では雨もご利益のひとつ?

全国の神社を巡り始めて、7年が経とうとしています。不思議なことに、これまで参拝中は雨に降られたことがあまりありません。

例え雨が降っていても神社に到着すると止み、そして次の神社への移動を開始するとまた降りだす。

なのに次の神社へ到着するとまた止む。こんなことはザラでした。

ごく少数ですが、土砂降りだった神社もあります。しかし、そういうとこに限って水や雨に関する神社だったりします。

とにかく雨に降られることは滅多になかったのです。まさに自他共に認める晴れ男。

それがどうでしょうか。これまで参加させていただいたRIDE集会は全て雨! 止んでいても僕が登場すると……雨。やっと晴れ間が出てきたということで、愛車SR400に腰かけてギター弾き語りをしようとすると雨。

日頃の行ないが相当悪いのか、いつの間にか「神社の人」から「雨の人」になってしまっていました。

集会に参加した皆さん、次は晴れるように日々の行ないを正しますからね。

河口浅間神社 山梨県南都留郡富士河口湖町河口1
名前のとおり、河口湖のすぐ近くに鎮座しています。参道の両側には、雨を遮るほどの大きい木々が一直線に並んでいます。その景色は旅の疲れを忘れさせる、まるで別世界へ誘うトンネルのようです。広い駐車場ときれいなトイレが、ライダーには嬉しいポイントです。

ということで意気込み挑んだ今回の神社拝走記! 参拝した当日はというと……、ご想像のとおり、雨でした。

スタッフの皆さんの視線が痛い。わかってます、わかってますよ。しかしポジティブに考えれば、これもご利益。なぜって?

こちらの神社は、火山を鎮めるために祀られたのです。

今回参拝させていただいたのは、山梨県は富士河口湖町に鎮座する浅間神社。

雨の日の神社もまた、趣があるものです。濡れた参道が、石や木の表情を濃くしてくれるからです。人々は雨を避けますが、動植物たちは雨を喜んでいるように見えました。

浅間神社と言えば、富士山を中心に静岡県や山梨県に多く存在している神社です。

御祭神は、コノハナサクヤヒメ。この神様、何を隠そう富士山に宿る神様なんです。

日本一の山に宿るには、それなりの理由があります。まず、めちゃくちゃ美人ってことです。天皇の祖先が、美人のコノハナサクヤヒメにひと目惚れ。

その求婚に応えた父親は、コノハナサクヤヒメとその姉をペアで嫁がせました。しかし、姉の方は追い返されてしまいます。姉の名はイワナガヒメ。

美人ではないけれど「岩」には永い命があります。妹のコノハナサクヤヒメは、美人ではあるけれど「花」、命には限りがあります。

2人をペアで嫁がせたのには訳があったのに……、天皇の祖先は美人としか結婚しなかった。命に限りがある「花」だけを選んだせいで、その後生まれてくる子孫には寿命ができてしまいました。

という、歴史上においてもかなりのキーパーソン。

さらに出産のエピソードが強烈です。一夜で身籠ったコノハナサクヤヒメは、夫に疑われてしまいます。

夫の子だと証明するため、燃えている小屋で出産をしました。

この出来事で火の神様とされ、山の神である父親から富士山を譲られたそうです。燃える小屋と火山、出産と噴火、これらのイメージが一致したとも考えられますね。

そんな訳で浅間神社という名前の神社は、富士山を中心としたエリアに多く存在していますが、例外もあります。

ヘルメットをかぶり疾走るアスファルトと、白シャツと下駄で歩く山道のギャップが毎回たまりません。すれ違う人もまた下駄に注目。「顔も覚えてね」と心で呟く僕でした。

画像: 父の白滝 辿り着くと圧巻のひと言。滝も河口浅間神社の境内で、こちらにも小さなお社があります。ここの神様は、コノハナサクヤヒメの姑! なるほど、それで母の白滝なんですね。登山道を使ってさらに上へ行くと、父の白滝があります。間違えても下駄で登っちゃだめですよ。

父の白滝
辿り着くと圧巻のひと言。滝も河口浅間神社の境内で、こちらにも小さなお社があります。ここの神様は、コノハナサクヤヒメの姑! なるほど、それで母の白滝なんですね。登山道を使ってさらに上へ行くと、父の白滝があります。間違えても下駄で登っちゃだめですよ。

画像: 母の白滝

母の白滝

画像: 神社本殿から滝の近くまでは、バイクで行けるようになっていました。それにしても最後の砂利道、リターンライダーの僕にはドキドキでした。駐車場から滝までは徒歩で数分です。

神社本殿から滝の近くまでは、バイクで行けるようになっていました。それにしても最後の砂利道、リターンライダーの僕にはドキドキでした。駐車場から滝までは徒歩で数分です。

千葉県にも浅間神社があります。遠く離れた地ですが、昔はそこからよく富士山が望めたそうです。

とにかく、富士山に縁が深い所にある神社なんですね。東海や関東圏以外にお住いの方々には、馴染みが薄い神社かもしれません。富士山の近くを疾走る時は、気にしてみてくださいね。

もし見かけたら、そこは富士山に縁深い場所なのかもしれません。

河口浅間神社も、西暦860年代の噴火を機に祀られたといわれています。噴火を鎮めるために。

そう、雨は僕のせいじゃありません。こちらの神社のご利益です。

本殿から少し行ったところに滝があります。近くまでバイクで行けます。バイクを降り、林道を少し歩く。その先にある滝。自然のエネルギーを受け、ツーリングの疲れをリフレッシュ! チャンスがあれば、是非こちらにも足を運んでいただきたいです。

参拝時に、上を見るとこんな額がありました。「噴火を鎮める」という願いを込めて、奉納されたものでしょう。これぞまさに、河口浅間神社ならではのものといえますね。

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