チャンピオンマシンの血統を受け継ぐNSR250Rに1988年3月、ひとつの特別チューンが施される
日本軽金属(株)との共同開発による“マグテック”マグネシウムホイールの装着だ。世界初の量産市販車へのマグホイール装着で軽量化され、“ロスマンズ・ホンダ”カラーを施したNSR250R SPがシリーズで初めて追加され、2ストローク・スーパースポーツの新たな指標となった。

まとめ:webオートバイ編集部
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ホンダ「NSR250R SP」(1988)解説

画像: HONDA NSR250R SP 1988年

HONDA
NSR250R SP
1988年

3年目を迎えた世界GP・1989年開幕・日本戦の決勝日は1989年3月26日。その予選日となる3月25日に“世界選手権鈴鹿ラウンド記念仕様”として発売された「NSR250R SP」。SPはスポーツプロダクションの略。

ホンダファクトリーのロスマンズ・ホンダチームのマシンがまとうカラーリング・デザインをイメージしたセイシェルナイトブルーの車体色を受けただけでなく、このSPは量産二輪車で世界初のマグネシウムホイールを標準装備していた。

画像: ホンダ「NSR250R SP」(1988)解説

日本軽金属(株)との共同開発によって実用化した製品で、、同社のMAGTEK(マグテック)ブランドが付けられた。これはマグネシウムの持つ軽量化を生かすために新たに高耐蝕性マグネシウム合金、高品質・高密度を得るダイキャスト製法(日本軽金属独自の無孔性ダイカスト法[PFD法])を開発。さらに塗膜性に優れた表面処理を施すなどによって実用化したハイクォリティなもので、前後輪で約1.5kg(約6.2%)の軽量化を達成。

その結果、ばね下重量軽減による路面追従性の向上に加え慣性マスの集中化が図れ、ベース車(NSR250R)の持つ優れた運動性能と相まって、いっそう軽快な操縦フィーリングを実現した。

価格は標準車の57万9000円にプラス8万1000円の66万円、当時の国内販売計画は年間3000台とし、これは事実上の限定数でもあった。なお、写真は販売車両に同梱のロスマンズ・インターナショナル社(現BAT社内)のスポンサードステッカーを貼り付けた例である。

ホンダ「NSR250R SP」(1988)各部装備解説

画像1: ホンダ「NSR250R SP」(1988)各部装備解説

ゴールドカラーで仕上げられたマグネシウム合金鋳造(無孔性ダイカスト法)によるホイール。サイズは標準車に同じでフロント3.00-17/リヤ4.00-18インチを履く。U字断面6本スポークも標準車同様で、スポークのうち前後とも1本の左側にMAGTEKロゴのレリーフが施される。

画像2: ホンダ「NSR250R SP」(1988)各部装備解説

画像3: ホンダ「NSR250R SP」(1988)各部装備解説

同年3月初旬に日本軽金属が用意した高品質マグネシウム素形材「MAGTEK」の資料。同社独自の無孔性ダイカスト法(PFD法)によって製品内にガス気泡がほとんど含まれず内部品質が高まり、かつ熱処理(焼き入れ、焼きなまし)が可能となる。

また蓄積した技術によって防蝕のための表面処理を主とした技術開発を行った。その結果、鉄の1/4、アルミの2/3という軽さや比強度(引っ張り強さを比重で割った値)がアルミの12に対して13と高い。振動吸収性に優れる、機械加工性が極めて優れている、耐くぼみ性(耐傷つき性)に優れるなどのマグネシウム製品の特長が生かしやすくなった。


画像4: ホンダ「NSR250R SP」(1988)各部装備解説
画像5: ホンダ「NSR250R SP」(1988)各部装備解説

NSR250R SPの各部。MC18標準車とはカラーリングとホイール以外は基本的に同じ。クラッチも湿式で、これが乾式になるのは2代目SP=1989年のMC18後期からだ。

画像6: ホンダ「NSR250R SP」(1988)各部装備解説

サイドカウルはアンダーカウルと一体構造になっていて、下部に大きなスリットを持つプレートを前側に組み合わせる構造というのも、標準車に同じだ。

画像7: ホンダ「NSR250R SP」(1988)各部装備解説

なお下の写真で分かるようにSPのフロントウインカーボディは車体と同じ白で仕立てられている。リヤウインカーボディは標準車ともども黒だ。

画像8: ホンダ「NSR250R SP」(1988)各部装備解説

ステップに関しても下の写真で分かるように、ヒールプレートの形状はMC16に近いが少しの間の進化が分かるようなエンド部などの処理でまとめられる。。

画像9: ホンダ「NSR250R SP」(1988)各部装備解説

下はリヤを右奥からリヤショックを見たカットで、赤いスプリングなどは右側にわずかに見えるように標準車に同じだ

画像10: ホンダ「NSR250R SP」(1988)各部装備解説

ホンダ「NSR250R SP」(1988)主なスペック・当時価格

全長×全幅×全高1985×640×1105mm
ホイールベース1355mm
最低地上高135mm
シート高770mm
車両重量145kg
エンジン形式水冷2ストローク ケースリードバルブ90度V型2気筒
総排気量249.6cc
ボア×ストローク54.0×54.5mm
圧縮比7.3
最高出力45PS/9500rpm
最大トルク3.8kgf・m/8000rpm
燃料タンク容量16L
変速機形式6速リターン
キャスター角24°00′
トレール量90mm
ブレーキ形式(前・後)ダブルディスク・シングルディスク
タイヤサイズ(前・後)110/70-17 53H・140/60-R18 64H
販売当時価格(1988年)66万円

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