2026年9月8日、茨城県の筑波サーキット・コース1000にて、バイク用品メーカーのクシタニが主催するサーキット走行イベント「KUSHITANI RIDING MEETING(クシタニライディングミーティング)」が開催されました。今回は、サーキット走行の楽しさに目覚めつつある編集部・大冨が参加して参りましたので、当日の様子をたっぷりレポートします。

写真:南 孝幸/レポート:大冨 涼
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KUSHITANI RIDING MEETINGって?

「KUSHITANI RIDING MEETING」は、ライディングギアでおなじみのクシタニが主催する、初心者からベテランまで安心して楽しめるサーキット走行会です。

ガチのマシンでゴリゴリタイムを削る…という雰囲気ではなく、「安全に楽しく、スキルアップする」というのがモットー。今回も自走での参加が過半数を占めていました。

クラス分けが非常に細かく設定されており、マイペースに走れる初心者向けのクラスから、しっかり走り込みたい経験者向けのクラス、さらにはレーシングスーツ不要でツーリングウェアのままサーキットを体験できる「体験クラス」まで、合計5クラスが用意されています。

そして何よりの魅力は、サポートしてくださる講師陣がめちゃくちゃ豪華なこと!

走行中の先導はもちろん、スクールクラスでなくとも個別のアドバイスまでしてくれる、まさに「至れり尽くせり」の特別なイベントです。

AM3時起床、サーキットの朝は早い。

画像1: AM3時起床、サーキットの朝は早い。

走行会当日、受付開始は朝7時。余裕をもって6時30分には現地に到着できるよう家を出ました。今回はクルマを借りて、自分のバイクを積んで現地へ向かう、いわゆる「トランポ(トランスポーター)」での参加です。うーん、贅沢!

今回走るつくばサーキットのコース1000(TC1000)は、ツーリングペースで一周1分程度のショートコースです。今年の初めにオートボーイ杯の極寒耐久で、なっちゃん・ぶんみかちゃんと走ったのが最後だったので、内心どきどき。

画像2: AM3時起床、サーキットの朝は早い。

余談ですが、サーキットにいらっしゃる方々(特にトランポ勢)は、皆さん集合がものすごく早いです。今回のように受付時間が7時~7時45分の場合、6時30分くらいか、それより前に到着して優雅に準備を始めていたりします。

もちろん決められた時間内に間に合えば7時過ぎに来ても全く問題はないのですが、なんとなくソワソワしてしまうので、初心者は早めに行動するに越したことはないでしょう。

AM8時~ブリーフィング、車両準備

画像: AM8時~ブリーフィング、車両準備

受付&車検後は、コントロールタワーの二階に集まってブリーフィング。コースの説明や走行時の注意、フラッグの意味などを教えてもらいます。

今回の講師陣は4名。JSB1000で活躍されている現役レーサー・野左根航汰選手、元ST600全日本チャンピオンの小林龍太さん、国際A級ライダーの豊田浩史さん、webオートバイでもお馴染み、モーターサイクルジャーナリストの小川勤さんです。

どなたもインストラクター経験豊富なプロのライダーですから、わからないことや不安なこと、疑問に思ったことはどんどんぶつけたいと思います。

画像: ▲さっそく豊田さんに、雨の日のバイクの乗り方を質問! すると「すべての動作を50%でやる」というのが大事とのこと。スロットルの開ける操作も50%、ブレーキングも50%…と意識してやると、急のつく動作をしなくなるから転倒のリスクが減るそうです。

▲さっそく豊田さんに、雨の日のバイクの乗り方を質問! すると「すべての動作を50%でやる」というのが大事とのこと。スロットルの開ける操作も50%、ブレーキングも50%…と意識してやると、急のつく動作をしなくなるから転倒のリスクが減るそうです。

一通り講師の方にご挨拶が済んだら、着替えと車両の準備。今回は受付時に配られたゼッケンシールを車両の前方、左側とヘルメットの左側に貼ります。

そのほかヘッドライトやウインカー等、転倒時に破損して飛散する恐れのあるパーツには養生テープ。最後は空気圧を調整して、準備OK! あとはレーシングスーツに着替えます。

画像: ▲車両・ヘルメットともに左側に貼るのは、ホームストレートを走ったときにピット側から番号が見えるようにするためなのだとか。

▲車両・ヘルメットともに左側に貼るのは、ホームストレートを走ったときにピット側から番号が見えるようにするためなのだとか。

レーシングスーツはレンタル可!

画像3: バイク動かなくて大パニック!? 手厚いサポートが魅力の「クシタニライディングミーティング」に編集部・大冨が参加してきた

今回私が着用しているレーシングスーツはレンタル品です。クシタニでは「サーキットに行ってみたいけど初めてだしツナギがない…」といったライダーのために、すべての店舗でレーシングギアのレンタルを行っています。

貸し出し期間は1週間で、スーツのみなら税込1万4300円スーツ+ブーツなら税込1万6500円。価格も手ごろでサーキットデビューにぴったりなので、まずはレンタルしてみて、サーキットが楽しい、クシタニのツナギの着心地がいい、と感じたら、購入を検討するのがいいでしょう。

画像: ▲会場のFIT&RIDE。当日サイズが合えば、参加した走行枠のうちの1枠でツナギやグローブ、ブーツを試着して実際に走行することができます。

▲会場のFIT&RIDE。当日サイズが合えば、参加した走行枠のうちの1枠でツナギやグローブ、ブーツを試着して実際に走行することができます。

さらに会場では、クシタニのレーシングギアを着用して走行できる、FIT&RIDEも実施。その場でツナギを借りて実際にサーキット走行できる機会は特別ですから、気になる方はぜひ走行会に参加してみたください。

走行開始!のはずが…前日の“限界整備”が仇となる

9時15分から、いよいよ待ちに待ったひと枠目の走行。走行10分前くらいになったらエンジンをかけ、バイクを暖機しておきます。

……と、ここで問題が発生。 軽くアクセルを煽った瞬間、プスン……とエンジンが止まってしまうのです。

原因究明のため、ひとまず私の1枠目は泣く泣くお休みに。会場を駆けずり回り、「どうしてかな、どうしてかな」と半泣きになりながら有識者の皆さんに助けを求めました。

画像: ▲今回走らせる予定だったNinja 250SL。

▲今回走らせる予定だったNinja 250SL。

2枠目の直前で判明したのですが、アイドリング不調の原因は……前日調子に乗って交換したフルエキゾーストマフラー

「ノーマルよりも4kg以上軽くなる」というメリットに目がくらみ、「どうせ雨予報でタイヤを交換するし、エキパイも変えちゃえ~!」と勢いで交換したはいいものの、私としたことか、サブコン(燃料調製)の設定を変更し忘れていたのです。

つまり、ガソリンが薄すぎたんですね。ノーマル状態ではアイドリングすらしてくれないと。皆さん、整備は少なくとも1週間前に行っておきましょう。

画像: ▲ここでもサブコンの設定を一緒に考えてくれたのが豊田さん。「これじゃね、これじゃね?」なんて言いながら、復旧を試みています。

▲ここでもサブコンの設定を一緒に考えてくれたのが豊田さん。「これじゃね、これじゃね?」なんて言いながら、復旧を試みています。

2枠目、急遽“YZF-R9”でコースイン!

今回の走行会にはYAMAHAさんのご協力で、試乗車として「YZF-R9」が用意されていました! スタンダードモデルは2026年5月に発売されたばかりのバリバリのニューモデル。

この時は愛車(Ninja 250SL)がご機嫌ナナメだったため、急遽この試乗車をお借りすることに。

公道でも試乗したことがないのに、いきなりサーキットは怖い、しかも大型バイク…とガチガチに緊張していましたが、元ヤマハのワークスライダー・難波恭司さんのアドバイスに背中を押され、恐る恐るピットアウト。

画像: ▲「変に上体を移動せず、バイクの真上に乗って走るのが大事」と難波さん。

▲「変に上体を移動せず、バイクの真上に乗って走るのが大事」と難波さん。

ところが走り出すとびっくり、このYZF-R9、驚くほど乗りやすい…!

画像: ▲タンクがめっちゃホールドしやすいです。

▲タンクがめっちゃホールドしやすいです。

フロントのブレーキキャリパーは純正でブレンボのいいやつ「Stylema®」が付いていて、マスターシリンダーもラジアル仕様。レバーを握った際の“握りしろ”が大きくて、ブレーキをかけた後にじんわり指を離していく操作がすごく分かりやすいのが感動ポイントでした。

ブレーキがよく効くことに変わりはありませんが、「カツン!」というよりは「ギュゥ」と、効くので素人でも怖くないです。

3気筒エンジンはフィーリングも抜群。リッタークラスのスーパースポーツモデルと比べて低中速のトルクがあって、インフィールドで1速に落とした後もギクシャクしません。アクセルを「ちょい開け」したり「じんわり開け」したりする操作がしやすく、低速セクションを耐えてくれるから、大型バイクでのサーキットが初めてでも怖くなかったです。

画像: ▲楽しい~というのが率直な感想です。

▲楽しい~というのが率直な感想です。

ただ、やはり250ccに比べると大型バイクの重さはあり、15分楽しく走り切った後は「ふーっ」と一息。

コース1000でもリズム良く走れて最高に楽しいですが、このパワーと安定感ならコース2000のような広いコースだとさらに輝きそうです。上下方向のクイックシフターも付いているので、クラッチ操作から解放されたシフトチェンジのスムーズさも存分に体感できるでしょう。

お昼休憩! デモラン見学&ブース巡り

2枠目を走り終えた後、豊田さんのアドバイスをもとに件のSLのサブコンをいじり、無事アイドリングが復活。

ホッと一安心したところでお昼ご飯の時間です。ちなみに、参加費には昼食代が含まれており、今回は美味しいハンバーガーとスパゲティが入ったお弁当が提供されました。

美味しいご飯を食べて、元気一杯です。

画像: ▲SLが動いてほっと一息。ハンバーガーに舌鼓です。

▲SLが動いてほっと一息。ハンバーガーに舌鼓です。

また、昼休憩のタイミングでは野佐根選手のデモ走行も開催。

ピットの上から見ていましたが、全然頑張ってる感じがないのにめちゃくちゃ速く、優雅な走りで、見ていた参加者たちは「うわぁお」とか「ほぉ」とか歓声を漏らしていました。

画像: ▲野佐根選手はやっぱり違う……!かっこいい。

▲野佐根選手はやっぱり違う……!かっこいい。

また、会場にはいくつかブースが出展。

クシタニカフェではアイスコーヒーを、茶輔小宮園では痩せると噂のお茶を頂くことができました。気温はさほど高くなかったけれど、湿度が高くかなり汗だくだったので、冷たい飲み物が身体に沁みます。

ほか、ムシやヨゴレがつるんと落ちるクリーナーやワックスの体験コーナーを用意していたMOTULさんと、G310ワンメイクレースの車両をずらり展示したBMWモトラッド羽田店さんもブースを展開していました。

午後の走行、雲行きは怪しいが路面はドライ!

午前中の走行分を取り戻すべく、完全復活したNinja 250SLでトライ!

大型バイクのR9に乗った直後だと、走行ラインやブレーキングの感覚が全然違うので、最初はちょっと控えめ気味にコースイン。でも、15分走り切る頃にはすっかり感覚を取り戻し、良いペースで乗ることができるようになりました。

ここで実感したのが、本走行会最大の魅力である「講師陣のサポート力」です。

画像: ▲豊田さんが追っかけてくださってます。嬉しい。

▲豊田さんが追っかけてくださってます。嬉しい。

一緒に走ってくれた講師陣たちが、走行後の座学で走り方や姿勢などのポイントを分かりやすく解説してくれます。

さらに、参加者ひとりひとりに対して「あなたの場合は、こういう風にした方が良いよ」と的確な個別アドバイスまでしてくれます。

画像: ▲15分×4回の走行枠で、それぞれ終了後に座学の時間があります。わからないことは、ここでじゃんじゃん聞けるので、各回目標をもって走行することができました。

▲15分×4回の走行枠で、それぞれ終了後に座学の時間があります。わからないことは、ここでじゃんじゃん聞けるので、各回目標をもって走行することができました。

大冨がいただいたアドバイスシリーズ

画像: ▲野佐根選手からのアドバイスパート1はブレーキングの時のフォーム。ストレートでは後ろに座ってしっかり伏せますが、ブレーキングの際は若干座る位置を前に移動→ブレーキ→ヒジにゆとりを持たせつつグッとつっぱるイメージで、リア側に荷重をかけると良いみたいです。

▲野佐根選手からのアドバイスパート1はブレーキングの時のフォーム。ストレートでは後ろに座ってしっかり伏せますが、ブレーキングの際は若干座る位置を前に移動→ブレーキ→ヒジにゆとりを持たせつつグッとつっぱるイメージで、リア側に荷重をかけると良いみたいです。

画像: ▲これは小川さんに叱られているところ…ではなく「コーナーでツッコミ過ぎてバイクが寝たままの時間が長く、アクセルの開け始めが遅くなっているのを直した方が良い」と的確すぎるアドバイス。プロの目線、恐るべし……!

▲これは小川さんに叱られているところ…ではなく「コーナーでツッコミ過ぎてバイクが寝たままの時間が長く、アクセルの開け始めが遅くなっているのを直した方が良い」と的確すぎるアドバイス。プロの目線、恐るべし……!

画像: ▲「ハイグリップタイヤから新品のバイアスタイヤに履き替えたら滑る気がして怖い」という私の素朴な疑問に対しては、小林さんが「リアタイヤが滑りそうになったら、外側(コーナーから遠い側)の足でしっかりステップを踏み込むと耐えられるよ」と、超実践的なテクニックを教えていただきました。

▲「ハイグリップタイヤから新品のバイアスタイヤに履き替えたら滑る気がして怖い」という私の素朴な疑問に対しては、小林さんが「リアタイヤが滑りそうになったら、外側(コーナーから遠い側)の足でしっかりステップを踏み込むと耐えられるよ」と、超実践的なテクニックを教えていただきました。

画像: ▲野佐根選手からのアドバイスパート2は「コーナリング中は、腕とお腹の向きが合うようにしよう!」とのこと。上半身全体でしっかりコーナリングの方向を向くことで、バイクを自然に倒して向き変えしやすくなるのだとか。

▲野佐根選手からのアドバイスパート2は「コーナリング中は、腕とお腹の向きが合うようにしよう!」とのこと。上半身全体でしっかりコーナリングの方向を向くことで、バイクを自然に倒して向き変えしやすくなるのだとか。

最後の走行は、空から若干雨がぱらついてきたものの、路面はほぼドライをキープ。全クラスで転倒者はゼロで、体験クラスまで無事に走行を終えることができました。

画像: ▲4走行目はなかなかいいペースで走れたのではないかな?と思います。

▲4走行目はなかなかいいペースで走れたのではないかな?と思います。

まとめ:全クラス指導が密着型!

画像: まとめ:全クラス指導が密着型!

朝イチはマシントラブルで「今日はもう終わった……」と絶望の底にいた私でしたが、終わってみればニューモデルの試乗から愛車でのリベンジ走行まで、めちゃくちゃ濃密で楽しい1日を過ごすことができました。

「KUSHITANI RIDING MEETING」に参加してみて強く感じたのは、とにかく参加者に寄り添ってくれる「圧倒的な安心感」です。

サーキットというと「速い人が偉い」「ちょっと怖い場所」というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、本イベントでは上位クラスからツーリングウェアで走れる体験クラスまで、すべての参加者に対して一流の講師陣が惜しみなくアドバイスをくれ、不安を取り除いてくれます。

美味しいランチ付きで、アットホームな雰囲気の中で一日中バイクと向き合える。初心者の方のサーキットデビューにはもちろん、「もっと上手く走れるようになりたい!」という経験者の方にも、心からおすすめしたい走行会だと感じました。

サーキット走行に興味がある方は、ぜひ次回の「KUSHITANI RIDING MEETING」をチェックしてみてくださいね!

次回の開催は10月29日(木)
鈴鹿ツインサーキット(Gコース)

画像: 次回の開催は10月29日(木) 鈴鹿ツインサーキット(Gコース)

次回の「KUSHITANI RIDING MEETING」は10月29日(木)開催の鈴鹿ツインサーキット(Gコース)です。

鈴鹿ツインサーキットでは初開催となる注目のイベントで、内容は今回大好評だったTC1000と同等の充実したコンテンツとなっています。さらにインストラクターとして野左根航汰選手の参加が決定いたしました! プロのレクチャーを受けながらサーキット走行を楽しめる絶好の機会です。

なお、11月10日(火)には筑波サーキット・TC2000での開催も予定されています。こちらはスピード感あふれる本格的なフルコースで、大型バイクの本領を存分に発揮できるステージとなっています。

最新情報やエントリーの詳細は、クシタニの公式サイトや専用ページで随時更新されているので、サーキット走行に興味がある方はぜひ早めにチェックしてみてくださいね!

写真:南 孝幸/レポート:大冨 涼

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