1932年の誕生以来、伝統を紡いできたロイヤルエンフィールド「ブリット」が、ついに650cc並列2気筒エンジンを獲得した。手描きのピンストライプやピーシューター・サイレンサーなど、往年の意匠を色濃く残しながら力強い走りを手に入れた「ブリット650」の魅力を紹介する。

文:小川 勤 写真:南 孝幸
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CFMOTO「1000MT-X」インプレ(小川 勤)

画像: CFMOTO 1000 MT-X 2026年モデル 総排気量:946.2cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒 シート高:830/870mm 車両重量:222kg 価格:181万5000円 発売:2026年4月21日

CFMOTO
1000 MT-X
2026年モデル

総排気量:946.2cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
シート高:830/870mm
車両重量:222kg

価格:181万5000円
発売:2026年4月21日

多くのメーカーが脅威に感じる中国のCFMOTO

CFMOTOは、ここまで来ているのか…。1000MT-Xに試乗してその完成度に驚愕した。

すでに同カテゴリーのバイクとして大きな競争力を持っており、単純に中国メーカーと聞いて思い描く『コストパフォーマンスの良いアドベンチャー』ではないのだ。

181万5000円。バイクの価格が高騰を続ける昨今、このプライスは最大の武器だ。新車は2年、2万キロ保証もついている。しかし、1000MT-Xは価格を下げるために犠牲にしているものがなく、それこそが脅威なのだ。

CFMOTOは欧州ではすでにメジャーな存在で、数年前から市街地でよく見かけた。KTMやハスクバーナのエンジンサプライヤーというイメージだったが、近年はそこに止まらない。象徴的なのが、KTMとの関係が一方向ではなくなっていることだ。中国で発表されたKTMのRC450は、車体もエンジンもCFMOTOの450SR-Sがベース。逆の流れも始まっているのである。

さらに675cc並列3気筒エンジンを搭載する「675SR-R」も発売。997ccV型4気筒エンジンを搭載する「V4 SR-RR」のプロトタイプは最高速度315.82km/hを記録している。

また、Moto2やMoto3にも参戦。Moto3はKTMベースのマシンを走らせタイトルも獲得。Moto2においてはカレックスのシャシーを使い独自で展開している。しかもMoto2で圧倒的なシェアを誇り、ホンダのMotoGPマシンの開発にも関わったドイツのカレックスの株式の51%を2025年に取得。これからスポーツバイクのシャシーを積極的に開発していくことは間違いない。

これが近年のCFMOTOの動きで、開発のスピード感を見ると『中国製だから…』という偏見はもう捨てた方がいいだろう。

画像1: CFMOTO「1000MT-X」インプレ(小川 勤)

今回試乗した1000MT-Xの946.2cc並列ツインは、KTMの990シリーズに通じる75度位相のクランクを採用するLC8c系。KTMとの協業で培った技術をベースにしながら、CFMOTOが燃調や電子制御をセットアップし、独自に進化させている。

価格を感じさせない本格的装備と造り込み

画像2: CFMOTO「1000MT-X」インプレ(小川 勤)

アジアのメーカーが手がけたことを感じるのは、よく動くフルアジャスタブルのKYB製のサスペンションとローシート仕様(シート高830mm/ハイシートは870mm)ならではの足つきの良さだ。跨った瞬間に日本の道に合うだろうな、と思う一方で、大柄なライダーは少し窮屈に感じるかもしれないとも思う。

フロント21インチ、リア18インチのアドベンチャーパッケージを持ち、ブレーキはブレンボ製、タイヤはピレリ製スコーピオントレールSTRを履く。

また、ボッシュ製の6軸IMUを搭載したコーナリングABSや3段階とオフを選べるトラクションコントロールを搭載し、ライディングモードも充実。グリップ&シートヒーター、空気圧のモニタリング機能、さらにクルーズコントロール、USB Type-AとType-Cの充電機能も標準装備する。

インパクトのある大きさのカラーTFTメーターは、スマートフォン、いやタブレットのような8インチの大画面でタッチ操作も可能。メーターの先にあるスクリーンは左右どちらからでも片手で高さ調整が可能だ。

制御、機能、共にこのクラスの装備としてはかなり豪華。ツーリングに必要な装備は、ほぼ揃っていると言えるだろう。

222kgを感じさせない軽快な車体と順従なエンジン

エンジンは、KTMに通じる硬質なパルス感を持つが、いわゆるレーシーな感じはない。エンジン、車体、共にKTMの『READY TO RACE』の部分を削ぎ落とし、コンフォートな部分を強めたのが1000MT-Xだ。

画像3: CFMOTO「1000MT-X」インプレ(小川 勤)

「ロード」モードで走り出すと、穏やかなエンジンとよく動くサスペンションがバランスしてとても馴染みやすい。ガソリンタンクは車体の左右下側に振り分けた形状で、これは低重心化とマスの集中に貢献。22.5リットルの満タンで走り出したが違和感はなく、むしろ222kgの車重を感じさせない、安定感と軽さがある。

画像4: CFMOTO「1000MT-X」インプレ(小川 勤)

ワインディングはまるでロードバイクのように軽快だった。すぐに946.2ccを感じさせない、もっと小さな排気量に乗っているような感覚で走り出せる。前後に動きやすい、さらに荷重をかけやすいシートは、バイクとの一体感を簡単に獲得でき、思い通りに操れている実感が高い。

車体がバンクする動きに対し、前輪がステアする動きが軽く、さらにその動きにライダーが追従しやすいため、コンパクトな軌跡で旋回できるのだ。

アップ&ダウンに対応するシフターは、市街地でもワインディングでも感度が良く、ライダーの走りを積極的にサポートしてくれる。

さらにKYB製サスペンションは低速域でよく動く一方で、スロットルを大きめに開ける高速域では車体を落ち着かせ、安定感を約束。ブレンボ製ブレーキやピレリ製スコーピオンラリーSTRとの相性もよく、ブレーキやスロットルで車体姿勢を作りやすい。

モードをレインにするとかなり穏やかな特性に。ドライ路面だと頻繁にトラクションコントロールが介入する。

画像5: CFMOTO「1000MT-X」インプレ(小川 勤)

今回、未舗装路は試していないから、その実力は評価できないが、CFMOTOはシャシーをオフに特化させて開発していることも明言。ライディングモードには『All Terrain=あらゆる路面』や『オフロード』、さらに自分好みの設定が可能となる『マスター』も用意。本格的な機能が与えられていることがわかる。

ひとつ気になったのは市街地での熱だ。試乗日は真夏日だったこともあり、頻繁にラジエターのファンが回り、熱風が足に当たり続けていた。

日本でのブランディングやマーケティング次第では大化けするかもしれない…。1000MT-XはCFMOTOの脅威をリアルに匂わせていた。

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