まとめ:Heritage&Legends編集部
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アップグレードも加えた“ブラック・レイン”仕様

GSX-Rシリーズはメンテナンス、カスタムも手がけ、車両販売も行うm-tech。精密スキャンと3Dプリンターを活用して、生産終了したり入手の難しいパーツを復元・再生する3D Labo事業部を興し、油冷車向けリプレイスパーツの開発製造でも知られるようになった。スピードメーターケーブルやスロットルケーブル、メータースポンジにメインハーネス。リヤサスリンクやホイールベアリングのセットなども同店のオンラインショップに並ぶ。これらで油冷GSX-R750/1100をリフレッシュし、快調に乗ってほしいという考えが、その背景にある。

画像1: アップグレードも加えた“ブラック・レイン”仕様

そこでこのGSX-R1100だ。’88年型Jで、ライトカスタムを加えてほぼ最終段階まで組み上がった状態という。その内容と経緯について、今回は作業を担当した上山さんに詳細を教えていただいた。

「元々GSX-R750Rをお持ちのオーナーさんから“GSX-R1100を増車したい”とお話をいただいて始まったものです。元になった車両はエンジンが下りていてヤレていて、フレームとスイングアームは表面に白い腐食がありました。ただ塗装することを前提としていて、オーナーさんには“ブラック・レイン”をキーワードに行きましょうとお話をしてきれいにした上で、このようにブラックで塗装しました。そうした点を含めてセミレストアしながら仕上げたものです。フルレストアまでは行かないんですけどヤレの修復など入る手はきちんと入れてという感じで、せっかく手を入れるのならとオーナーさんの希望も取り込みつつセミオーダーで仕立てました」

オーナーは既にm-techのお客さんで近しい人(m-techの作業の進め方や内容を理解するし、m-tech側でもオーナーの使い方や希望を理解している)だったのでその進め方も提案しやすかったとのこと。ところで“ブラック・レイン”は’89年の日米合作クライム・アクション映画で、大阪が舞台だった。主要キャストの松田優作がブラックのGSX-R1100で走るシーンが印象に残った人も多いはずだ。そのイメージを軸に、車両の製作は進むこととなった。

フレームは前述のようにブラック塗装で仕上げ、エンジンは点検した上で搭載。普通ならば周辺パーツは使えるならそのままと行きそうだが、そこはm-tech。しっかりしたリフレッシュが図られる。

「エンジン後ろに付くオルタネーターとセルモーターはオーバーホールしてハーネスは交換しています。キャブレターも4連をいったんバラしてウエットブラストをかけ、付帯パーツは再めっきした上で再度組んでいます」

その様子はストリップ写真からも分かるだろう。ほかにもm-techで販売するスロットル用などのケーブル等、消耗品は交換され、上山さんの言う“セミレストア”で作業は進む。

「その上で足まわりとブレーキは今の交通事情に合うようにアップグレードしています。フロントのブレンボマスターにキャリパー、サンスターディスク。リヤは当店で用意している油冷GSX-R用ハイパープロショックです。外装も割れをリペアした上でオーナーさんに合うように塗装して、ホイールはゴールドとブラックを提案して、オーダーを受けてゴールドで仕上げました」

画像2: アップグレードも加えた“ブラック・レイン”仕様

そうして完成したのがこの姿というわけだ。ホイールカラーこそ変わったとは言うものの、イメージはまさしくブラック・レイン。ほぼ完成と冒頭に書いたのはシートの加工待ちということからだが、必要な部分のオーバーホールや新品パーツの使用、もちろん組みもあって、現状でもちょっとうらやましくなるくらいにいい状態にあるだろうことは容易に分かる。サスとブレーキのアップグレードも車両の現役時代からの時間経過を考えればあって嬉しいもので、その提案があるのもいい。

m-techでは新旧GSX-Rを探して仕入れた上で販売車両に仕立てるが、それらもこのGSX-R1100に近い形で手が入れられた上で店頭に並んでいく。

「車両によっていろいろなケースがあります。状態はいいけれど転かして外装が……というものならリペアしてあげたり、ヤレているものなら今回のようにセミレストアしたりなどです。当店にいらっしゃるのが初めてという方でも今まで仕立てた車両の画像を見ていただいたりしてご案内できますし、その上で車両仕様の計画を立てたり提案したりということもできますので、油冷の車両を探している、手を入れたいという場合はご相談いただければと思います」

この車両はそんな参考のひとつと言っていいだろう。油冷GSX-R、探しているならm-techにぜひ問い合わせを。

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Detailed Description 詳細説明

画像1: Detailed Description 詳細説明

スクリーンやヘッドライトカバーは新品となりそのクリアさもよく分かる。外装のカラーは'88GSX-R1100Jのブラック×ゴールド(純正はブラックホイール)をベースとしている。

画像2: Detailed Description 詳細説明

フロントブレーキとクラッチのマスターシリンダーはブレンボRCSに換装される。

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メーターはスポンジをm-tech製リプロパーツに変更しリフレッシュ、ヨシムラPRO-GRESS2マルチテンプメーターを追加した。

画像4: Detailed Description 詳細説明

ブラックベースにゴールドロゴで燃料タンクもきれいにリペイントされる。

画像5: Detailed Description 詳細説明

シートはノグチシートにオーダーしていてそのできあがりをもって完成・納車となる。タンデムシート部には純正アクセサリーのシートカバーを装着。縮み塗装仕上げのグラブバーも新品のようなきれいな状態だ。

画像6: Detailed Description 詳細説明

ステップも磨かれ、クラッチラインはステンレスメッシュとして作動のダイレクト感を増すようにしている。

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キャブレターは純正BST34SS×4で、4連からいったんバラした上でウエットブラストで汚れを落とし、ショートパーツを再めっきして再び4連に組まれたものだ。

画像8: Detailed Description 詳細説明

排気系は2000年頃まで販売されていたヨシムラ・チタンサイクロン(絶版)のデッドストック品で、今回は同店と近しい関係性にあるオーナーのために使うことにしたという。

画像9: Detailed Description 詳細説明

アルミMR-BOXフレームはきれいにセミレストアした上でブラックで塗装。今後の保護・維持性も高められる。エンジンは状態を確認した上で純正状態で搭載。セルモーターやオルタネーターはオーバーホールされ、ハーネスやスロットルケーブルなどは新品/リプロ品に換えられた。大きなパートだけでなくステー類や燃料タンクマウントラバーなどの細かいパーツ群がきちんとリフレッシュされている点にも注目したい。

画像10: Detailed Description 詳細説明

インナーチューブ径Φ41mmのフロントフォークもオーバーホール。フロントブレーキはブレンボP4-40Cアキシャル4Pキャリパー+サンスターディスクに換装。これは現代の交通事情に合わせての強化で、油冷GSX-Rを今走らせるためには欠かせない部分。こうしたカスタムもきちんと取り入れるのは嬉しい。

画像11: Detailed Description 詳細説明

リヤブレーキは純正の対向2ピストンキャリパー+サンスターディスク。タイヤは最新で18インチの設定があるブリヂストン T33で、フロント110/80ZR18、リヤ160/60ZR18サイズを履く。

画像12: Detailed Description 詳細説明

リヤサスはスイングアームをフレーム同様にセミレストアしてブラック仕上げ、m-tech×ハイパープロショックを組み合わせる。スイングアームを上下から挟むように組まれるチェーンスライダーはm-techの新製品。純正廃番に対して金型から作り、国内で生産した。ドライブチェーンにはD.I.Dの530VX3をチョイスした。

取材協力:m-tech

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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