まとめ:Heritage&Legends編集部
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提言してきた要点が時を経て答え合わせの段階を迎えた

テクニカルガレージRUN(以下TG-RUN)によるGS1200SS・ヴァージョンアップ・コンプリート。あれ、レーサーでこういうのを作ってなかったかな? と思う人もいそうだが、それは半分正解で半分は惜しいところ。その成り立ちはというと、純正では高さのあるタンクをスマートにし、往時のスズキGPマシンカラーを施す。そうして’80年代序盤のスズキGS1000R耐久レーサーのイメージを強調する形で外観を仕立てる。内容は2006年のTOF・F-ZEROエクストラ(現TOTハーキュリーズ)クラス用に製作したTG-RUN・GS1200SSレーサーをレプリカしながらその機能や性能をストリート向けに振り替えたものだ。モチーフ車は後軸185PSを発揮し、2006年11月の筑波モトルネッサンス・サムライIIIで59秒837のコースレコード(鉄フレーム車で初めてのツクバ59秒台入り)を樹立した。
そんな、鉄フレーム+油冷エンジンで’17年に製作した車両で、当時確立したネオクラシックジャンル、あるいは’80年代レプリカを体現するというテーマがあった。製作直後の’18年東京モーターサイクルショーにも展示されたことがあるから、見たことがあるという人も多いだろう。その車両が納車から10年近い時を経た’26年春に同店に戻ってきて、再販売を待っているということで改めて撮影した。

ところでヴァージョンアップコンプリートとは、TG-RUNが製作するコンプリートカスタム。ベース車の素性を生かしながら各部の操作感や質感を高め、扱いやすさとともにユーザーに安全で安心な走りを提供するパッケージだ。現行車でも、油冷のような生産終了車(この場合はベース車両探しからも対応、車両持ち込みも可)でも対応する。
そしてこの車両は、確かに製作直後に撮影していた。それがその時、つまり10年近く前の写真の再掲載ではないかと思われるほどに外観も各部もきれいで、押し歩きした感じも同様に今作ったかと思うくらいに軽い。これから改めて販売するのに向けて手を入れるはずだが、それ以前にこの状態にある。ということは、時を経て見ることができたヴァージョンアップコンプリート車両は、油冷車への手の入れ方の答えを体現していたと言える。
「油冷モデルに限らず、バイクは消耗品の塊です。まずタイヤにドライブチェーン、スプロケット。こうしたところを定期あるいは消耗したら交換、メンテナンスする。あと洗車と状態チェックをすれば、そしていいエンジンオイルを定期的に交換すれば、こうやっていい状態で乗っていけるんです。洗車は常にきれいにしておくことで何か異常、例えばオイル漏れのようなことが起こったときにそれが早く分かって対処できます。汚れたままだと、いつそうなったのかが分からず、対処に時間がかかります。それで油冷車については、今までもお話していると思いますが、まずブレーキとサスペンション、タイヤは現代のリプレイス品への交換が必須です。そうしないと安全に乗れないからです。このGS1200SSもそうですが、自分(TG-RUN・杉本さん)がこれがいい、乗って楽しいと作り、誰が乗っても勧められるように作っているので、油冷を理解する人に売りたい。油冷がかっこよくて乗りたいという強い意志があること。そして、今のうちです。この記事を見てなるほどと思ってくれる人は車両を今買えばまだいい結果が出ると思います」
今だからこそ。油冷車の維持はこのような、かつてTG-RUNで製作された車両がきちんと証明していた。各車両は販売中(要問い合わせ)だから本気ならば問い合わせを。そして杉本さんが言う内容を反映したいという車両も現在作業を受けつつある。この先どこまで行けるかは分からない油冷車。ならば、今が手に入れ、手を入れるいいチャンスと言える。
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Detailed Description 詳細説明

特徴的なフロントカウルはGS1200SSの純正で、'80年代初頭のGPマシン(RGB500など)を思わせるスズキワークスカラーでペイント。ミラーはマジカルレーシング・レーサーレプリカミラー・タイプ4ヘッドを装着。

GS1200SS純正では燃料タンクのハイトがあるためこれを低くして車両全体のスマートさを得るべくトップを低くしたアルミタンク。TG-RUN&ビーターによるものだ。

アナログ回転計と液晶パネルを組み合わせたメーターやセパレートハンドルはGS1200SS純正で、ヨシムラ・デジタルマルチメーターを追加。フォークアッパーブラケットはTG-RUNオリジナル品で左右マスターはブレンボ・レーシングを使う。

シートはライダー側を張り替え&内部変更しタンデム側は純正アクセサリーのシートカウルを装着した上でペイントしたもの。

エンジンは純正からボアを1mm拡大したワイセコΦ80mm鍛造ピストンによって純正1156ccから1185cc仕様にされた上で上質にセッティング。点火はウオタニSP2でスライダーはケイファクトリー製を装着する。

キャブレターはFCRΦ39mmをK&Nフィルター仕様で装着する。フレームはGS1200SS・STDをダイヤモンドコーティング。結果、良い状態が保たれた。

フロントフォークはオーリンズ正立で、フロントブレーキはブレンボCNCアキシャル4Pキャリパー+サンスター×TG-RUN・プレミアムレーシングディスクの組み合わせ。

リヤブレーキはブレンボGP2-SS CNCキャリパー+サンスター・プレミアムレーシングディスク。排気系はケイファクトリー・チタンフルエキ+同バレットサイレンサーだ。

ホイールはマルケジーニ・マグ鍛造のM10Rで純正に同じ3.50-17/5.50-17サイズを履き、リヤサスはオーリンズ・グランドツイン+ウイリー・スイングアーム。ドライブチェーンはRKの520XXWでステップはTG-RUNバリアブルステップキットを使う。

この車両のモチーフとなったTOF(テイスト・オブ・フリーランス)・F-ZERO EXTRA(現TOTハーキュリーズ)クラス用GS1200SS。1216cc仕様で、2003年12月6日のTOFで長谷川克憲選手が乗りポールtoウィン+当時のレコードタイムを更新。さらに'06年11月27日の筑波モトルネッサンス・サムライIIIでも江口 謙選手が乗りポールtoウイン、59秒837のコースレコード(当時)を刻んだ。
取材協力:テクニカルガレージRUN
レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部






