まとめ:ヨ(webオートバイ編集部)
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どう見ても砂浜レースに向いていないマシンでエントリー
英国で開催され、2026年度で7回目を迎えた「マレ・ビーチレース(Malle Beach Race)」にヤマハモーターヨーロッパが参戦したとのニュース。使用したのは「XSR900 GP」および「XSR900」だというが、なぜこれらのマシンで砂浜を走るレースに参戦しようなどと思ったのか……。
マレ・ビーチレースは、英国ケント州マーゲートビーチで2026年5月8日~10日に開催されたイベントで、一般的にイメージされるストイックなレースシーンとは一線を画したリラックスムード漂うもの。スクランブラー、カスタム、モダンクラシックなど、旧車やネオクラ系のバイクで楽しめる多彩なクラス設定が特徴となっている。

金曜日には「マレ・ラリー100(Malle Rally100)」が開催され、ケント州の美しい景観の中を100マイル走行した。そして土曜日/日曜日にはマーゲートビーチにてメインレースを実施。コースは1/4マイルの直線を往復するというシンプルなものだが、それゆえに多様なバイクが参戦できる形式となっているようだ。
ここにヤマハモーターヨーロッパが送り込んだのは、本来砂地の走行を想定していない、どう見てもビーチレースに適さないと思われるXSR900シリーズだった。砂地という過酷な条件下で119馬力(英国仕様)のパワーを解放したらどうなるのか──。

そんな常識外れのマシン選定だったが、リアホイールをド派手に空転させながら3気筒エンジン・CP3のパワーを叩きつけた両モデルは圧倒的な存在感を示し、現地に集ったコミュニティから大きな注目を集めることに成功したという。

観客を魅了したXSR900の3気筒パフォーマンス
この無謀とも思える挑戦のは、ライダーのトミー・オグラディ(Tommy O’Grady)選手だ。彼は「XSR900 GP」を駆り、カスタムクラスの予選や1対1のヒートレースを次々と突破。1/4マイルの砂のコースを、リアホイールを激しくスピンさせながら往復し、なんと「マレ・ダブル(Malle Double)」レースにおいて総合2位という輝かしい成績を収めた。

さらに、女子クラス(Women’s class)ではブリティッシュフラットトラックのチャンピオンであるスカイ・アダムス(Skye Adams)選手が、どノーマル仕様のXSR900で参戦。119馬力のパワーを砂の上で巧みに操り、並み居る強豪を相手に総合6位でフィニッシュ。カスタムクラスでその実力を存分に見せつけた。

「XSR900をビーチレースに持ち込むなんてクレイジーだ」……そんな周囲の声をよそに、砂と水しぶきを跳ね上げながらフルスロットルで疾走する姿は、まさにバイクを通じた「自由」を象徴するもの。マレ・ビーチレースの本質は順位を競うことではなく、ビーチをスロットル全開で走るという純粋な喜びを共有することにあるからだ。
また、会場には1950年代からのヴィンテージ・ヤマハ車を大切に乗り続けるオーナーたちも多く集結。イベントパートナーでもあるヤマハからはゲストとしてユベール・バスティ(Hubert Bastié)氏とジェド・クーニング(Jed Kooning)氏が招かれ、ヴィンテージモデルの「TT500」で豪快なウイリーを披露するなど、新旧入り混じったパフォーマンスで会場を熱狂させたのだった。

会場のヤマハスタンドでは、アクセサリーを装着したXSR900や、「Yamaha x Malle」の特別ブランディングが施された「XSR900 GP」も展示され、多くのファンを魅了。一見するとミスマッチな「ネオレトロスポーツ×砂浜」という組み合わせだったが、そのワイルドなアイデアこそが、2026年のマレ・ビーチレースにおいて最も記憶に残る瞬間を作り出したと言えよう。



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