文:横田和彦 写真:松川 忍
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ホンダ「ICON e:」インプレ(横田和彦)

HONDA
ICON e:
2026年モデル
定格出力:0.58kW
原動機形式・種類:EF21M・交流同期電動機
シート高:742mm
車両重量:87kg
価格:22万円
発売:2026年3月23日
未来の生活を先取り!? 新世代のコミューター

50㏄エンジンの原付一種が姿を消しつつあるなか、その役割を電動で引き継ぐ新しいコミューターのひとつが「ICON e:」だ。125㏄以下のエンジン車の出力を抑えた「新基準原付」とは異なり、最初から原付一種の規格に収まるEVとして開発。取り回しのよさなどからも50㏄スクーターの正当な後継モデルといえそうだ。
外観はスッキリとした面構成でどこか未来的。フロントカウルに埋め込まれた異型LEDヘッドライトやデイライトなどは新時代の乗り物らしい雰囲気。それに加え、買い物や通勤に気軽に使えそうな親しみやすさも感じられる。走行用の48Vリチウムイオンバッテリーはフロア下に搭載。充電は車体に載せたままでも、取り外して室内でもできる。モーターはリアホイールに内蔵されているため、シート下には26Lの収納スペースを確保。またUSBソケットを内蔵したフロントラックやコンビニフックなど、毎日の交通手段として使うときに欲しい機能はしっかり揃っている。

メインキーを差し、電源を入れてからセルボタンの位置にあるスタートボタンを押すという流れも違和感がない。走り出しは非常になめらかで、アクセルを開けた瞬間に唐突に飛び出すようなことはなく、駆動力がリニアに立ち上がる。このあたりは、誰でも安心して扱えるように仕上げるホンダらしい部分だ。
スタンダードモードの加速感は、従来の50㏄スクーターに近いイメージ。中間加速は想像以上にしっかりしていて、街中の交通の流れにも自然に乗れる。速さを楽しむスポーツモデルではないが、駅までの往復や近所への買い物といった使い方なら十分と思える性能だ。
一方、ECONモードは加速がかなり穏やかで、速度の伸びも抑えられる。そのため交通の流れに乗りにくくなるので、バッテリー残量が少ないときや、航続距離を少しでも延ばしたいときに使うのがいいだろう。

バッテリーが床下にあるので重心が低く、バランスが取りやすい。ハンドリングも自然で落ち着いたものだ。注意したいのは安全面からブレーキレバーを操作すると駆動力が切れること。そのためリアブレーキを軽く引きずりながらUターンするような操作ができない。また急な上り坂などでは、エンジン車に比べると力不足を感じるシーンも。そのあたりは今後の改良に期待したい。
EVとしての完成度は高く、これまで原付に乗っていた人なら違和感なく乗り換えられる。毎日の移動に必要な性能と実用性を無理なくまとめた、まさに新時代の原付だ。
