旗艦らしいルックスを生かし操作性や快適性を高める
「現オーナーの加山耕志さんは体重が軽く、軽いバイクに乗ることでより速くなればと考えていて、ちょうどZZR1400から乗り換えを考えていらっしゃいました。その時に僕もそれまで乗っていたこのH2からZ1000Mk.Ⅱ(17インチでモノサス&ロング化しNOSも加えた車両)に乗り換えようとしてて、そこで加山さんに譲ったものです。ZZRは街乗り兼用でしたが、加山さんはほかにも車両を持っているのでこれはドラッグレース専用になっていますね」

クラスフォーエンジニアリングの横田さんが経緯を説明するNinja H2。スーパーチャージャー付き1000cc直4の手の入れ方と走り具合はどうだったか?
「仕様は僕が使っていた時とほぼ変更ありません。ただし、ホイールをカーボンにしてリヤをロング化し、ショックをロング対応品に変更。あとはマフラー変更とか、ドラッグ用にフロント車高を下げたといった具合です。
加山さんはこの仕様でもう5~6シーズン走って、0→1/4マイル(約402.1m)8.8秒くらいとZZR時代よりも速くなってます。調子が良ければクレイジー8(JD-STER中軸のオープントーナメントクラスのうち、毎回の予選トップ8が繰り上げられるクラス)に入るくらいでいい感じだと思いますよ。まだまだ伸びしろもあります。
今回はトラブルをきっかけにエンジンを開けるのですが、’24年にオーバーホールした時には問題はありませんでした。僕が乗っていた頃から含めるともう10年も走ってますが、Ninja ZX-10Rをドラッグ仕様にしたよりも耐久性も高いと思います。スーパーチャージャーも何ともない。加山さんの狙いも当たって軽くて速くなってるし、日本のドラッグレースならとても向いていてコスパもいいと思います」

本場アメリカでも登場当時ドラッグレースや最高速への期待が高く、横田さんも1マイル(約1.609km)長の滑走路での最高速記録会に関わったことがある(この時は358km/hを記録した)。ただ当地では純正装備でなく後付けの過給(ターボやNOS)やZX-14RやスズキHayabusa等の熱が高いこともあり、Ninja H2は少数派になったようだ。
それでも前述のような高い耐久性は実証できていて、横田さんも過給という手法(純正採用だからなおさらだろう)を一般ライダーに身近にしたのではという感想を抱いている。確かにその通り。H2後継はH2 SXやZ H2となるのだろうが、それにしてもこのパフォーマンスはまさにカワサキ旗艦を象徴するのにふさわしい。
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Detailed Description 詳細説明

外装類や主要パートの構成は初代2015年型のNinja H2の純正を維持。オーリンズ電子制御ステアリングダンパーも同様だ。

リヤフェンダー裏にはバーンナウトや走行時に巻き上げられたタイヤのゴムも付く。

左右のブレンボセミラジアルマスターもNinja H2の純正だ。

ステップも同様に純正品。純正では初代2015年型からクイックシフターを装備しているがこの車両では現代モデルのドラッグレースカスタムに強いBrock's Performanceのクイックシフターに換装している。

DOHC4バルブ999cc・直4+スーパーチャージャーのエンジンや鋼管トレリスフレームは純正そのままだがウォーターパイプをトリックスター・チタンに変更。各部に貼られるステッカーはアメリカのドラッグレースマニュファクチャーやパーツメーカーのもので、車両の雰囲気を高めている。

排気系はBrock's Performance製に換えられ、合わせてダイノジェット・パワーコマンダーⅤユニットで燃調が取られている。

フロントフォークやブレンボStylemaキャリパー、ディスク等はNinja H2純正をそのまま使う。キャリパーにはBrock'sのタイダウンベルトをセット。ドラッグレース時に車高を下げるために使うアイテムだ。

スイングアームも米ADAMS PerformanceのH2 & H2R用クロモリ10インチ(約25.4cm)ロングに換えてトラクションを稼ぐ。ショックはこの長さに合わせた特性としたM2ショックを装着。

前後ホイールはドライカーボンのBrock's Performance BST 5スポーク Rapid Tekで純正に同じ3.50-17/6.00-17サイズだがリヤは純正片持ちから両持ちに変わる。リヤブレーキキャリパーはブレンボ2ピストンでディスクは純正だ。






