レポート:河村大志
小椋藍が2戦連続フロントロウ獲得!好調アプリリアがトップ4独占
伝統のTTサーキット・アッセンが舞台のオランダGP。毎年不安定なダッジ・ウェザーにより波乱の多い同大会だが、今年は熱波の影響で、気温30度超えを記録するかんかんでりとなった。
非常に暑く厳しいコンディションのなかで行われた予選Q1では、ファビオ・クアルタラロ(Monster Energy Yamaha MotoGP Team)とジョアン・ミル(Honda HRC Castrol)の2名が予選Q2に進出。
予選Q2では、4台全てQ2進出を果たしているアプリリア勢が猛威を振るった。序盤のアタックではファクトリーチームの2台が30秒台のタイムを記録し、ラウル・フェルナンデス(SuperFile Trackhouse MotoGP Team)も続く。
セッション前半はマルコ・ベッツェッキ(Aprilia Racing)、フェルナンデス、ホルヘ・マルティン(Aprilia Racing)という並びでトップ3を形成。
後半になるとフランチェスコ・バニャイア(Ducati Lenovo Team)が3番手へ割って入るも、アプリリアファクトリーの2台が暫定トップタイムを更新。ベッツェッキとマルティンが互いのタイムを塗り替えるなか、サテライトチームであるトラックハウスもタイムを上げていく。
フェルナンデスと小椋藍(SuperFile Trackhouse MotoGP Team)も自己ベストを更新。トップタイムを出したフェルナンデスだったが、トラックリミット違反がありタイム抹消となり、ポールポジションはマルティンのものとなった。

ワークス勢に割って入り、前線に続きフロントロウを獲得した小椋藍。
小椋はマルティンに対して0.11秒差とわずかに届かず2番手となり、2戦連続のフロントロウを獲得。3番手にはベッツェッキが続いた。フェルナンデスは最終的に4番手となり、アプリリアが最高峰クラスで初となる予選トップ4独占というこれ以上ない結果を残している。
小椋がスプリント最上位タイとなる2位獲得!優勝は僚友フェルナンデス
Moto3、Moto2の予選を挟み、13周回で行われたスプリントでは、小椋が好スタートを決めてホールショットを奪う。しかし、マルティンがすぐに小椋を抜き返しトップに再浮上した。
マルティンに先行を許してしまった小椋は2周目にフェルナンデスにも抜かれ3番手に後退。後方からはファビオ・ディ・ジャナントニオ(Pertamina Enduro VR46 Racing Team)、ベッツェッキが迫る。
先行逃げ切りを図ったマルティンだったが、フェルナンデスがピッタリとマーク。ペースの良いフェルナンデスがマルティンを捕らえトップに浮上した。
マルティンは、小椋を抜いたジャナントニオにも抜かれて3番手にポジションダウン。さらに、小椋、ベッツェッキにも先行を許し、ドゥカティワークス2台とのバトルを強いられることになった。
9周目、3番手を走っていた小椋がターン16の進入でジャナントニオをオーバーテイク。2番手に浮上し、トップのフェルナンデスを追う。

1秒先のフェルナンデスを追う小椋藍。
約1秒差だったフェルナンデスと小椋だったが、残り2周で0.8秒差にまで接近。小椋は0.3秒差まで詰めるも、あと一歩届かずフェルナンデスが優勝した。
小椋は2戦連続となるスプリントレースで2位を獲得。トラックハウスにとってはチーム初のワンツーフィニッシュとなった。3位はジャナントニオが獲得している。
ポイントリーダーのベッツェッキは4位、ランキング2番手のマルティンは5位、連勝中だったマルク・マルケス(Ducati Lenovo Team)は振るわず6位、バニャイアは6位でチェッカーを受けるも、トラックリミット違反で1ポジションダウンのペナルティを受けたため、7位に終わっている。

スタッフとの写真撮影に臨む小椋。決勝では悲願の優勝を狙う。
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Trackhouse初となる1-2フィニッシュを達成したフェルアンデスと小椋。
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小椋藍が最高峰クラス初優勝達成!!
決勝日も気温30度と真夏のようなコンディションのなか、長丁場の26周で争われる決勝レースがスタート。小椋が好スタートを決めるも、マルティンがトップの座を守り切る。小椋、フェルナンデスのトラックハウスの2名が続く。
序盤はマルティンが逃げにかかるなか、小椋、フェルナンデス、マルク・マルケス、バニャイアがバトルを演じ、小椋は一時5番手にまで後退。しかし、すぐさま4番手のバニャイアを抜き返すと、トップ3台くらいついていく。
2周目、ポイントリーダーのベッツェッキがターン15でクラッシュ。ハイスピードでの転倒で身体へのダメージが大きいベッツェッキはメディカルセンターへ搬送された。
3番手に浮上したマルク・マルケスだったが、ペースが上がらずブロックラインを走行し小椋やバニャイアを抑え込む。しかし、小椋は5周目のターン16でマルク・マルケスをオーバーテイクし3番手に浮上。この時点でトップ2との差は2.5秒だった。
序盤の苦しい時間帯を耐え切った小椋はそこからファステストラップを更新しながらマルティンとフェルナンデスに接近。15周目にはリヤのライドハイトデバイスの誤作動からかタイムをロスする場面があったものの、すかさずフェルナンデスとのギャップを縮めていった。
17周目、2番手のフェルナンデスがターン16でマルティンを抜きトップに浮上。これを見た小椋は続くターン1でマルティンを捕らえ2番手までポジションを回復、この追い抜きが大きかった。

フェルナンデスの背後から強烈な追い上げを見せる小椋。
www.flickr.com逃げにかかるフェルナンデスを逃さまいとすぐにマルティンを攻略した小椋は、20周目についにトップに浮上。トップに立ってからはフェルナンデスとの差を2秒近くまで広げる好走を見せた。
そして迎えたファイナルラップでも2秒差をキープしたまま走り切りトップチェッカー。最高峰クラス初優勝を達成した。2位にフェルナンデス、3位にマルティンが入り、アプリリアが表彰台を独占している。

日の丸を掲げウイニングランから帰ってきた小椋藍。
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トラックハウスにとってスプリントに続きワンツーフィニッシュを達成。オランダGP完全制覇となった。
www.flickr.com日本人ライダーが最高峰クラスで優勝するのは、2004年日本GPの玉田誠以来22年ぶり。晴れ渡ったオランダの地で小椋が日本に向けて君が代を流してくれた歴史的な1戦となった。

インディ500の優勝者のように、マシンと共に表彰台に上がった小椋。
www.flickr.comまた、第10戦終了時点でマルティンがポイントリーダーに浮上。ベッツェッキが7ポイント差、3位のディ・ジャナントニオが16ポイント差で続く。そして優勝した小椋も25ポイント差の4番手に浮上。一躍タイトル争いの主役の1人に名乗りを上げた。
2026 MotoGP 第10戦オランダGP 決勝結果

ダビデ・ブリビオを記念撮影に臨む小椋とフェルナンデス。
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