壊した時の心配を大きく減らして元気にできたGS

旧車は古いのだから古く見えてもしょうがない、パーツがないから何か壊れれば終わりだ。そう考えるのも無理はない。GSで50年、カタナでも45年が経つし、乗り手も歳を重ねて楽がしたくなる。そんな問題に正面から向き合ってきたのがオオノスピードの大野康広さんだ。カタナにはノーマルの足まわりを生かすチューニングの鬼脚(ききゃく)やスクリーンをはじめとした外装キットを用意し、確実な支持を得てきた。

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そして、そんなオオノスピードが手掛けたこのGS1000S。これが旧車なのか、と息をのむ美しい仕上がりだ。オーナーが仲介を経てベース車と足まわりパーツをオオノスピードに持ち込んだのが始まりで、大野さんはコンプリートカスタム車両製作という形で請け負った。

フレームは修正。エンジンは一見大丈夫そうに見えたが、開けてみると状態が良くない。そこでクランクからやり直し、オーバーサイズのΦ73mmワイセコ鍛造ピストンを組んでリセットする。純正廃番で社外パーツももうないガスケットは、新たに作られたオオノスピード製を使う。同店ではカムチェーンガイドもつい先頃新作したから、この段階で次のエンジンオーバーホールも無理なくできるようになるという安心感も得た。

足まわりはステム以下ホイールやブレーキまわりまで揃ったBITO R&Dのキットで前後18インチ化されているが、これはフロントフォーク突き出し量やストローク設定、リヤショックの位置などをオーナーに合わせるように走行テストを重ねながら調整し、この形にまとまった。ブレーキディスクもリヤのサイズを同様に検討した上でサンスター製にし、フロントもこれに合わせた。このあたりはGS/GSX系を長年、サーキットから街乗りに、高速にツーリングに二人乗りに……とそれこそさまざまなステージで走らせてきた大野さんならではの経験が生きていると言っていい。

そのリヤショックをレイダウンでマウントする際には、それによってショックアッパーが左サイドカバーに干渉してしまうので、サイドカバー自体を小さくするようにカットしれた。GSは元々左側サイドカバーが大きいからカット加工したとのことだが、それによる違和感はまったくない。むしろそんなところまでに目が行き届くことに感心する。こうして仕上がったGSは、スズキのレジェンドモデルという価値に加えて、いつでも乗りたくなる、それができるバイク本来の価値も備わった。オーナーはウエス・クーリーレプリカで現行のアライRX-7Xヘルメットを仕立てたが、それもよく似合うといった具合だ。

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「じつはこれまでGSはパーツがどうにもできない部分もあって、作業はお断りしてきたんです。でもウチでガスケットや外装などのパーツが用意できました。この車両の外装もそうです。タンクはブライトロジックさんのアルミを使えばいいですし。それで運用体制が整いましたから、GSの仕事が請けられます。これはその最初の車両ってことになるかな」と大野さん。

大野さんがいつも言うように、パーツがあれば急な破損、劣化にも対応できる。ならば壊れて先がなくなるような心配なしに走れる。同じ理由から、安心して車両を作れる。これは明るい話題。そしてこのGSは大野さんが言うように、GSが安心して再発進できる先例になった。

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JB-POWERアルミ削り出しフォークブリッジ(ステム)にアクティブ・ハンドルバー、ブレンボRCSコルサコルタマスターとオオノスピード・ライトクラッチホルダーをセット。メーターはパネルを製作しモトガジェット・クロノクラシック2回転計にデジタル速度計をマウントした。

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ステップはスピードショップイトウワンオフ。GSに似合うオイルキャッチタンクはオオノスピード製だ。

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フレームは修正し塗装、エンジンはクランクバランスから見直し、ワイセコΦ73mmピストンを組む(純正はΦ70×64.8mm)。カムほかはノーマルでガスケットがオオノスピード、ジェネレーターカバーは下側をカット加工しバンク角にも配慮する。

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キャブレターはTMRΦ36mm。スピゴットやファンネル、ドレンボルトはブラックでまとめている。

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フロントフォークはJB-KYBΦ38mmでフロントブレーキまわりはAP・CP2696キャリパーにサンスター・ネオクラシックディスクを組み合わせた。

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一方でリヤブレーキはAP・CP2696キャリパーにサンスターディスク、HELブレーキホースをチョイスする。

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マフラーはアルミバナナサイレンサーを持つカタナ用のヨシムラ手曲チタンサイクロンを装着。

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スイングアームはJB-POWERでリヤショックはオーリンズ・ブラックラインのオオノスピード仕様。ホイールはMAGTAN JB1で2.75-18/4.00-18サイズ。JB各パーツはオーナーの持ち込み品で、オオノスピードでオーナーの仕様に合わせていった。ドライブチェーンはRK520XXWだ。

取材協力:オオノスピード

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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