走って作って楽しんでを積み上げつつ、より進化させる

2017年末の登場以来、安定した人気を保ち続けるZ900RS。多くのオーナーがさまざまな考えを持って手を入れているが、この井川さんの車両はある種独特かも。このHPでの2024年4月22日掲載記事ではワインディングもサーキットも走ると紹介したが、元々は井川さんがスーパースポーツの新型を乗り換えようとZX-10Rを買いに行ったところ、その横に展示されていたZ900RSの感触が良くて購入に至ったものだったという。
「跨いでみて軽くて“バランスがいいバイクだな”と思ったんです。’22年型でZ 50周年記念車もお店にはあったんですけど、この青玉虫カラーが良くて。Z400FXやCBX400F世代なんで、レプリカやスーパースポーツでなくて令和のネイキッドに乗ってみようと」
Z900RSは旧車と異なる今どきのよく走るバイクだと判断し、走りを詰める。オーリンズ前後サスやオーヴァースイングアーム、O・Zホイールなどはその表れ。前回掲載の仕様からはあまり変わってないですけどとしながらも、ラジエーターはラウンド化されGBレーシング・エンジンカバーを追加、フロントキャリパーにはカーボンダクトを加えシートも形状を変えた。

そうした変更を行いながら、パーツを自分好みや臨機応変で仕立てて使うというこだわりは継続されている。ラジエーターサイドに備わったガードや、シリンダーヘッドサイドを旧車のオイルラインのように走るメッシュホースはその新しいものだ。
じつは前者はZX-25R用カウルを誤って落札したものだった。でもそれをカットしてフィッティングした。“どこに売っているんですか”と聞かれるほどというが、ラインの合い方などを見ればそれも納得するほど、専用品のようにきれいに加工されている。ホースはこれもじつはラジエーターリザーバー用で、井川さんの自作品。見たZ900RS仲間からも作ってほしいと引き合いがあるほどと、楽しげな工夫は次々行われる。
“(ミック・)ドゥーハン世代で興味があったので”と加えたサムブレーキも下りコーナーや渋滞で重宝し、フットブレーキをかけないで済むほどとも。
今回の撮影後にサーキットで転倒したが、改めてほぼ同様に修復で来たというこの車両。いったんのまとまりになっているからしばらくは走り込みを優先させるつもりですとも井川さん。その中でまた新しいアイデアが浮かぶのは間違いないだろうから、その姿も楽しみにしたい。
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Detailed Description 詳細説明

フロントエンブレムは文字を「YAMI-GARAGE」に換えた上で文字がLEDで7色に光るように加工される。コーケンクラッチホルダーの下にはゲイルスピード・サムブレーキのレバーも見えるだろう。親指で操作しリヤブレーキを効き過ぎず引きずるように使えて車体姿勢を決めやすいとのことだ。

ハリケーンFATコンドルハンドルにはブレンボRCSマスターをセット。MotoGPタイプの左スイッチボックスはジェットプライドでルックスにも操作性にも気を配る。

シートは今回後半の形状を盛り上げるように変えてホールド性をアップした。

ステップはスナイパー。その奥に見えるリヤサスのリンクはKOOD製だ。

948cc直4エンジンは純正のまま、GBレーシングのカバーを追加してある。アーキ・カーボンハイフローステムヘッドセットの下からシリンダー後方に這わされたホースはラジエーターからラジエーターリザーバーにつながり冷却水を調整するためのもので、井川さんの自作品。

新たに置換されたラウンドラジエーターはナイトロレーシング製。サイドのカーボンガードはZX-25R用パーツを加工したもの。OVERサブフレームと併用されるダウンチューブもナイトロレーシングで、撮影後にアンダーカウルもナイトロレーシング製に換えるかも、ともコメントをもらった。

フロントフォークとステム下の横置きステアリングダンパーはオーリンズ。フロントブレーキはブレンボM-4ラジアルマウントキャリパー+サンスター・プレミアムレーシングディスクで、今回の取材前にはOVER RACINGのカーボンキャリパーダクトを追加した。

フェンダーレスはアーキ・スライトリアフェンダーで排気系はストライカー+原田消音器、リヤショックはオーリンズだ。リヤブレーキはブレンボP2-CR84キャリパー+サンスター・プレミアムレーシングディスクの組み合わせ。

スイングアームはOVER RACING TYPE11で、純正に同じ3.50-17/5.50-17サイズのホイールはO・Zレーシング・アルミ鍛造のGASS RS-A。前後フェンダーはA-TECHを使う。
取材協力:井川 誠さん





