6発つながりとタンクのスケッチでレプリカ製作を開始

「元々は“コストをかけずにノーマルキャブで乗りたい”というお客さんに販売した車両でしたが、それを手放されるとなって買い取ったものでした。その後、“RC166もCBXも6気筒で同じだからRCレプリカを作ろうか”って田島さんが言いだして、燃料タンクのスケッチを描いて店内に貼って。そのタンクはアルミで作ったり、ほかもちょこちょこと手を入れながら完成したものです」
タジマエンジニアリングの代表・村嶋さんが経緯を説明してくれるCBX。田島さんとは同店の創業者(田島歳久さん。’23年逝去)で、RC166は’66年の世界GP250クラスにホンダが送り込んだ直6エンジンのファクトリーレーサーで、マイク・ヘイルウッドが乗ってその’66年と’67年のチャンピオンを獲ったマシンだ。CBXとは排気量こそ違うけれど同じ直6、なら似せたら面白いねという発想だったと、そのタンクを叩き出したりカウルをあてがったり、フレームを加工したりという製作途中にその話を教えてもらった覚えもある。

そこでフレームはタジマエンジニアリング流17インチ用補強を20カ所ほど施し、フロントはCB1300SF+RC30フォーク。リヤはCB400SF(NC39)加工スイングアームにアラゴスタショック。前後CBR1000RRホイールにAPブレーキシステムと、フレーム同様に空冷CB-FやCBXの現代17インチ化で確立したタジマスタイルによる足まわりが投入される。
エンジンはスタンダードスペックでやってるのはオーバーホールとポート加工だけですよと村嶋さんは続けるが、タジマ流で普通にやるということは、スムーズ化やネガ潰しも細かく行われているということだ。キャブレターはルックスに当時感を醸し出すCRスペシャルの6連で、「低回転から負圧がかかり出すところがかつてのGPマシンの感覚で少し重いですが、普通に乗れます」とのこと。
作られた後に再度オーナーが付いたがポジションがきつく、バーハンドル化した後に改めて同店で買い戻した。グレーで仕立てたカウルを改めて装着、ハンドルもセパレートに戻し6本出しの排気系や赤タンクにシートカウルなどをまとった撮影時の姿にはRC166らしさもしっかり投影され、公認で車検もきちんと通されている。
田島さんのスケッチから作られ、今は店舗で保管されているこの車両、希望があれば販売も可能(’26年1月末時点)。ロングタンクやセパハンのきつさが長距離でも気にならないで熱意のある人が向いていそうだが、魅力は存分にある。
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Detailed Description 詳細説明

およそ10年前に取材に訪れた際に店内(2023年末までの福岡市南区。'24年2月に福岡県筑後市に移転)に貼られていた田島さん作のスケッチ。上面と左横が描かれ、この時に全体像も構想されていた。

RC166のアルミカウルを彷彿させるとともに、ストリート用にデュアルヘッドライトを備えたカウルは正面のボルトと左右各1カ所のクィック ファスナーで着脱可能。ミラーも折りたたみ式だ。

ステム中央から伸びるカウルステーもアルミワンオフ。メーターはカーボンにスポンジベースを組み合わせてスタックST700ダッシュシステム(左)/ST200クラブマンタコメーターをセットする。セパレートハンドルやスイッチ、操作系はホンダ現代車を流用する。

燃料タンクは田島さんが自身のイラストに沿ってパーツをカットし叩き出し、溶接して作ったアルミのワンオフ品。

RC166のスタイルを模して小さなテールカウルを備えたシートは社外品を加工して表皮を新作したものだ。

Φ64.5×53.4mmの空冷DOHC4バルブ1047cc並列6気筒エンジン(249ccのRC166もDOHC4バルブの直6だった)はタジマ流でオーバーホールとポート加工を行って、同じくタジマ流で20カ所見当の補強と17インチ最適化を行ったフレームに積まれる。エンジンハンガーはOVER CLASSICS、フレームスライダーにはOVER RACING製を使う。

CBX純正同様にV字配置されたキャブレターはCRスペシャルΦ31mmの6連で、ファンネルは同じ福岡にあるKEINZ(ケインズ)製。“地産地消ですね”とも村嶋さん。

点火系はASウオタニユニットを小型バッテリーやレギュレーター等とともにサイドカバー内側に置く。

タジマ流でホンダ現代車を加工流用して構成する足まわり。フロントフォークはCB1300SFインナー+RC30アウターのΦ43mmで内部を変更してセット。フロントブレーキはキャリパーがAPレーシングの対向4ピストン、CP3696でディスクはCBR1000RR純正品だ。

リヤブレーキはAPレーシングCP2696キャリパーをKEINZ製サポートでマウントしてCBR1000RRディスクに組み合わせる。全体の姿を引き締める6本出しの排気系はニュージーランドのバイクマスター製を使っている。

リヤサスまわりはCB400SFスイングアームにアラゴスタショックPHAZE1で、ホイールはCBR1000RR純正の3.50-17/6.00-17サイズを履く。17インチ化しているのに無理のないスタイルも頼もしい。






