2026年もEWCにフル参戦するF.C.C. TSR Honda France。そのTSRが、レ―スシーンで培ったノウハウを惜しみなく投入した珠玉のパーツをCB、CBR用に数多くリリースしている。今回はそんな中から、CBR600RR用の注目パーツを紹介していこう。
写真:南 孝幸 文:太田安治
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TSR「CBR600RR用カスタムパーツ」概要
「機能」と「精度」を突き詰めて生まれる機能美

カスタムパーツ装着車両
適合車種: CBR600RR (2021年型〜)
EWC(世界耐久選手権)のトップチームとして、ヨーロッパ諸国のスポーツモデルユーザーから絶大な評価を得ているのがTSR(テクニカル・スポーツ・レーシング)。その活動はレース参戦に留まらず、CBRとCB系用カスタマイズパーツの販売にも注力している。
TSRパーツの特徴は耐久レースの過酷な環境下で得た知見を活かし、個々のパーツに求められる役割を追求して作られていること。どのパーツも美しい仕上がりだが、これはドレスアップ性を意識したものではなく、機能と精度を引き上げた結果として生まれた「機能美」だ。
今回紹介するのはCBR600RR用のパーツ。サーキット走行におけるパフォーマンスアップを果たすことはもちろんだが、決してレース専用部品ではない。CBRが持っているスポーツ性能を高めることと、プロテクション性能をプラスすることが狙いだ。
TSR「CBR600RR用カスタムパーツ」紹介
スリップオンチタンHPS5 Ver2(15万4000円)

CBR600RRの特徴的なセンターアップのサイレンサー部分を差し替えるスリップオンマフラー。チタン製のサイレンサーボディにファイヤーポリッシュ加工を施してレーシングスピリットを強調。重量は純正より1.8kgも軽量な2.5kgに収まっている。政府認証製品なので車検もこのままでOK。
スクリーン スモーク(1万7600円)

純正スクリーンよりも40mm高くなる形状で空力性能を高め、歪みのないクリアな視界も確保。スクリーントリムと取り付け用ブッシュピンも同梱。受注後のオプションとして超撥水性能を発揮し、傷付きも防げるマジカルガラスコート加工を施すこともできる。
ステップキット(7万7000円)

純正比で41mmバック、7mm/19mmアップとなる純正クイックシフター対応のステップキット。A2017ジュラルミン材により、剛性と軽さを両立。ペダル基部にベアリングを圧入し、プレートとペダルの高剛性と合わせてシフト操作を確実にする。逆シフト設定も可能。ストップランプスイッチも取り付けできる。
ラジエターコアガード(3万7400円)

飛び石などからラジエターコア部分を保護するステンレス製ガード。冷却効率を妨げないデザインで、中央部分はフロントタイヤが巻き上げる異物を想定して細かい網目としている。カラーはシルバーとブラックの2種類。
オイルフィラーキャップ(3520円)

アルミ削り出し製法による工作精度の高さでオイル注入口の密閉度を高めるフィラーキャップ。脱落防止用ワイヤーロックにも対応。アルマイト加工のカラーはレッド、ブルー、ブラック、ブラウン、シルバーの5種類。
ブレーキレバー(1万9800円)

アルミ合金製のレバー部とチタン製のボルトを採用したEWCレーサーレプリカのブレーキレバー。レバー握り込み時のたわみを抑制して滑らかな操作フィーリングと確実な制動フィードバックを実現。レバー位置の微調整機構も備えている。
ドライカーボンブレーキレバーガード(3万9600円)
高速域や他車との接触時に不要なレバー入力を防ぐブレーキレバーガード。高強度ドライカーボン製で抜群の剛性と軽さを両立し、ステアリング操作にも影響を与えない。純正ハンドルバーウエイトを取り外すだけで簡単に装着できる。
可倒式クラッチレバー/クラッチレバーブラケット
(クラッチレバー:1万3200円 クラッチレバーブラケット:1万9800円)

レバー基部が可倒することで転倒時の折損を抑止。写真はTSRオリジナルのレバーブラケットと組み合わせた状態だが、純正のクラッチホルダーとの組み合わせも可。カラーはブラックとハードアルマイト(シルバー)がある。
【インプレ】TSRのレーシングマシン作りに由来する「操作性」への拘り

TSRのCBR600RRデモ車に試乗して最初にノーマル車との違いを感じたのが排気音。低回転域では図太さすら感じる音質だが、回転上昇に伴って澄んだ音質へと変化し、高回転域ではレーシングマシンのような官能的サウンドを響かせる。だがサウンド以上にTSRの「らしさ」を感じさせるのがブレーキ、クラッチ、シフトといった操作系の精度が高められていること。
街乗りで普通に操作するだけでレバー比や体に触れる部分の形状が緻密に設定されていることが判る。「アルミ削り出し」や「ノーマルより軽量」を謳うカスタムパーツは数多く出回っているが、TSRの製品はライダーの操作をリニアにオートバイに伝えることで様々なストレスを減らし、速く走れて疲れないという特性を生んでいる。
こうしたパーツが作れるのは世界選手権耐久レースでトップ争いを続けているレーシングチームのノウハウあってこそ。まさに「神は細部に宿る」のだ。



