文:小川 勤 写真:南 孝幸
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ホンダ「CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES DCT」インプレ(小川 勤)

Honda
CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES Dual Clutch Transmission
総排気量:1082cc
エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列2気筒
シート高:820/840mm
車両重量:253kg
発売日:225万5000円(受注期間限定モデル)
※受注期間:2026年1月23日~2026年6月1日
ホンダらしさに溢れるビッグアドベンチャー
ホンダ・アドベンチャーの最高峰に位置するアフリカツイン。久しぶりに再会してみると、その走りは想像以上にロードスター的だ。
新生アフリカツインの登場は2016年。2018年にはビッグタンク仕様の「アドベンチャースポーツ」が追加され、2020年には排気量を998→1082ccへ拡大。2024年にはフロントホイールを21→19インチへ変更。そして2026年モデルではアドベンチャースポーツのみのラインアップとなり、ミッションはDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)専用となった。
DCTを初めて市販車(VFR1200F)に搭載したのは2010年。アフリカツインのDCTも10年以上にわたり進化を重ね、いまや“熟成の境地”といえる仕上がりだ。ユーザーの多くがオンロード走行を楽しむ傾向にあることも、ロードスター的キャラクターを強める要因となっている。

車格は堂々としているが、身長165cmの筆者でも走り出してしまえば取りまわしに苦労はない。ただし停車時は傾きが大きいため、停車場所は慎重に選びたい。小柄なライダーの場合、跨る際にステップを使うことになり、その分サイドスタンドに荷重がかかる点にも注意が必要だ。
ライディングモードはツアー/アーバン/グラベル/オフロードの4種類に加え、出力特性・エンジンブレーキ・サスペンション減衰力・ABS感度を任意に設定できるユーザーモードを2つ用意。今回はアーバンモード、DCTはATのDレンジを選択。標準装備のグリップヒーターも活用してスタートした。
市街地ではサスペンションの動きがしなやかで、乗り心地は上質。足つきに不安はなく、リアが沈み込みすぎないためバランスも良好だ。前輪の舵角の入りが自然で、サイズを感じさせない軽快なハンドリング。大柄な車体を軽やかに操る爽快感が味わえる。
DCTは約2000回転でスムーズにシフトアップを重ね、常に高いギア・低い回転で走りたい筆者の好みにぴたりと合う。ホンダが長年磨き上げてきたDCTならではの完成度だ。
高速道路では、標準装備のETC車載器がありがたい存在。2段階調整式スクリーンを高くセットし、風をしっかり避ける。クルーズコントロールも積極的に活用。路面ギャップを越える際もサスペンションの動きはよく制御され、安定感が高い。

ワインディングではモードをツアーに変更。その乗り味はまるでロードバイクのよう。前19・後18インチホイールの組み合わせはバランスに優れ、前輪の接地感が明確だ。細身タイヤならではの切り返しの軽快さを活かし、リズミカルに駆け抜ける。
DCTをMTモードに切り替えれば一気に俊敏さを増し、スポーツライドにも十分応える。270度クランクの並列ツインは低中速では心地よいパルス感を、そして高回転では大排気量らしい伸びを披露。とはいえ筆者の好みはあくまでDモードで、穏やかな走りの中で風景と風を味わいたい。
一日に何百回も行うシフト操作から解放されることで、疲労は大きく軽減され、ライダーは“走ること”そのものに集中できる。熟成したDCTがもたらすツーリング体験は、より自由で豊かなものへと進化している。
ホンダ「CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES DCT」ライディングポジション・足つき性
シート高:820mm/840mm
ライダーの身長・体重:165cm・68kg


大柄な車体だが、跨ってしまえば違和感はなく、ポジションも自然。シートは820mm/840mmの2段階調整式で、筆者の場合は低い設定一択。足つきも許容範囲内で、腰をずらして片足をしっかり着けば、重さを意識せず支えられる。
