レポート:丸山淳大
SP忠男 浅草本店

東京都台東区花川戸2-17-10 ライオンズマンション浅草言問橋
営業時間:平日/9:30:00~19:00 土日祝/9:30~18:00
定休日:毎週水曜日 第1、3、5火曜日
SP忠男のHP
浅草本店 店長
小山内 綾さん
SP忠男入社後24年にわたりタイヤに携わっている小山内店長。多い日には20本近くタイヤ交換をすることもあるそうで、タイヤに関する知識や作業経験は豊富だ。愛車のMV AGUSTAは新製品の性能を自ら体感するためのテスト車にもなっている。同店では同サイズのタイヤは工賃を含めて全メーカー全銘柄同一価格を設定するなど、独自の取り組みも多い。
SP忠男 浅草本店の店内
タイヤ交換はもちろん、ブレーキパッドやチェーン&スプロケット交換、そしてサスペンションや同社の代名詞であるマフラーまで、様々な消耗品交換からカスタムにも対応するSP忠男 浅草店。
タイヤ交換作業時は、必ずチェーンの張りやブレーキパッドの残量チェック、ホイールベアリングのガタ、ハブダンパーの劣化などをチェックを必ず実施している。プロによる足まわり健康診断にもなるので、同店にタイヤ交換を依頼するメリットは大きい。




今更聞けないギモンをタイヤ専門店に直撃!
タイヤを知れば走りが変わる!?
バイクを構成するパーツの中でも唯一路面との接点となるのが「タイヤ」だ。エンジンパワーがどんなに向上しても、どんな高性能サスペンションを導入したとしても、タイヤのセレクト&メンテナンス次第ではその性能を100%発揮することはできない。
また、タイヤはその他消耗品に比べても、メーカーや銘柄ごとの個性を体感しやすいパーツだ。ビッグバイクで前後同時交換ともなるとやや胸がざわめく金額になるだけに、タイヤに関する正しい知識をもとに、なるべく長持ちさせたいものである。
今回はそんなタイヤについての疑問の数々をSP忠男 浅草店の小山内店長にうかがった。タイヤメーカーよりもよりユーザーに近い位置でバイクのタイヤを見てきた同店で、よりライダーの実態に即したお話を伺うことができた。
タイヤについて詳しく知れば、これまでよりもっと楽しく安心してライディングが楽しめるはずだ。
タイヤに関する15の質問・疑問
Q1.タイヤ交換目安として、残溝、ひび割れ、製造年、パンク以外にある?

タイヤの摩耗限度を大きく超えると、やがてカーカスが露出してしまう。こうなるとグリップ性能や剛性が大きく低下するので、走るのは非常に危険。
A. タイヤの偏摩耗にも注意してください
タイヤ交換目安となるのが、摩耗限度となるスリップサインだ。それ以外にも製造年と週、パンクの有無も判断材料となる。加えて注意したいのが偏摩耗だ。タイヤのラウンド形状のとおりにきれいに減らず。センター部分だけ極端に減ったり、段が付くように減っている場合は操安性や乗り心地が著しく悪化する。
あまりにひどい場合は溝が残っていても交換が必要だ。見るよりもタイヤ表面を素手で撫でてみると偏摩耗の度合いがわかりやすい。また、ひび割れに関しては、あまりにも深いものはNGだが、浅い細かいひびは性能に問題ないことも多い。気になる時はプロに判断してもらうことをおすすめしたい。

Q2.バイアスタイヤ指定のバイクにラジアルタイヤを履かせてもOK?
A.バイアス→ラジアルの変更には対応しています
バイクには新車時に純正でバイアスタイヤを採用する機種とラジアルタイヤを採用する機種の二通りがある。そのバイアスタイヤ指定のバイクにラジアルタイヤを履かせることは、サイズやスピードレンジ(タイヤが安全に走行できる許容最高速度を示す記号)、荷重指数が適合する場合には対応しているそうだ。
ラジアル化することで、グリップ力の向上、シャキッとした操安性、タイヤ自体の重量が軽くなることによるバネ下重量の低減などが期待できるが、タイヤの価格は高くなる傾向にある。一方で、ラジアルタイヤ指定のバイクにバイアスタイヤを履かせるのは非対応だそう。サイズが合っていたとしてもスピードレンジが純正指定から外れることが多く、その場合安全性が確保できないためだ。

タイヤサイズ表記の中でも「ZR」がスピードレンジ。ZRは最高速度240km/h以上に対応する。
Q3.タイヤのサイズ変更はしてもOK?

リム幅は基本的にホイールに表記されている。

上の写真、この写真どちらもリム幅は2.15インチ。
A.許容リム幅が合う場合のみ対応しています
タイヤをワイドに見せるためサイズアップを検討するケースもあるが、SP 忠男 浅草店では許容リム幅が範囲内にある場合にのみ対応している。リム幅はその名のとおり、ホイールリムの幅で、ほとんどの場合ホイールに明記されている。
一方、タイヤの許容リム幅はメーカーによってタイヤごとに定められており、カタログなどに明記されている。許容リム幅が合うタイヤを組むことは問題ないが、車種によってはタイヤがチェーンカバーなどに干渉することもある。また、タイヤをサイズアップすると、倒し込みがワンテンポゆったりするなど、操安性にも影響が出ることがあるので、よく検討したい。
Q4.タイヤって進化していますか?
A. 新製品が出るたびに確実に進化しています
SP忠男 浅草店の小山内店長も近年のタイヤの進化はめざましいと感じている。大きく性能向上した点は、ウエットグリップ性能だ。アスファルトはもちろん、濡れた白線の上などでも滑りづらくなっている。同時にドライグリップ性能も進歩している。
また、耐久性の面においてもライフが伸びているのは明らかだそうだ。一方、価格は上昇傾向で、ここ1年でも4~7%の値上げが行われており、今後さらに価格が上昇する可能性も否定できない。

SP忠男 浅草本店に掲示されている価格表。
Q5.タイヤも暖機運転が必要ですか?
A.走りはじめは注意してください
エンジンやサスペンションはウォーミングアップが必要だが、タイヤについても同様だ。現代のタイヤは昔よりも冷間時のグリップ性能が向上しているものの、走りはじめの15分程度はゆっくり走るよう心がけたい。特に冬場や雨天時は要注意だ。
また、新品タイヤ装着後はタイヤ表面の保護剤が落ちて(ひと皮剥けるまで)は滑りやすいので、だいたい100km走行するまでは慣らし運転が必要だ。
Q6.パンク修理したタイヤはそのまま使って大丈夫?

A. あくまで応急処置なのですが……
パンク修理はあくまで応急処置なので速やかな新品タイヤへの交換が推奨されている。しかし、SP忠男 浅草店においては、修理後に問題なく走り続けられているケースがほとんどだそうだ。決して強く断言はできないが、修理がうまくいけば、摩耗限度近くまで走れることも多い。
ただし、穴の大きさや位置、角度などによっては修理が万全とはいかないケースもあるし、高速走行が頻繁だったり、サーキット走行をする場合は、修理したタイヤの使用はおすすめできない。より耐久性が高い、タイヤの内側から修理する方法もあるが、作業時にタイヤを外す工賃などを踏まえて、同店では対応していないそうだ。また、チューブタイヤのパンクは原則的にチューブ交換で対応している。
【意外な事実】同じサイズのタイヤでも意外と重さが変わる!?
タイヤを選ぶ際にグリップ性能や耐久性に着目することが多いが、実は同じサイズでもタイヤ自体の重量が異なることがある。実際にSP忠男 浅草店でツーリングラジアルのブリヂストン「T33」とハイグリップラジアルのミシュラン「POWER6」の同サイズを比較してみると約1.6kgの重量差があった。
バネ下重量の低減を狙うなら「ハイグリップラジアル」、重量が増しても直線やコーナーでの安定性を得るなら「ツーリングラジアル」といった選び方もできるかも。



