まとめ:松本正雅
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スズキ「GSX-8T/8TT」開発者VOICE

スズキ「GSX-8T/TT」開発陣、写真左から
加藤幸生氏(チーフエンジニア)、佐藤洋輔氏(テストライダー)
小林銀河氏(電装設計)、柴山拓也氏(電装設計)
古橋伸介氏(デザイナー)
情熱とこだわりを満載した勝負の「エイトボール」
「私たちの思い描く"バイクらしい"モデルを造りたい、バイク本来の楽しさと所有感を満喫できる1台が欲しい、ということでアイデアが出てきたのがきっかけです」
と、GSX-8T、TT誕生のきっかけを語るのはチーフエンジニアの加藤さん。
自分たちの造りたいバイクを造ろう、ということで「ワクワクプロジェクト」というネーミングが与えられ、GSX-8TとTTの開発はスタートしていった。
独創的なスタイリングは、往年の名車、T500にインスピレーションを受けたもの。デザイナーの古橋さんが教えてくれた。

GSX-8Tのデザインスケッチ。T500にインスピレーションを受けたことが窺えるスケッチだ。

こちらはGSX-8TTのイメージスケッチ。ビキニカウルのデザインが往年の名車・GS1000Sにインスピレーションを受けていることがわかる1枚だ。
「2Dスケッチを描いたのは、イタリア・トリノのデザインセンターに在籍するフランス人デザイナーです。クレイモデルを造る際、日本のチームに合流してもらったのですが、スズキ歴史館に展示してあるT500を見てインスピレーションが湧いたわけです。新しい中にも懐かしさを感じてもらえたら嬉しいです。また、各所にスズキの名車のエッセンスを取り入れていますので、見る人によって『ここはこのバイクがルーツかな』と発見し、楽しんでいただけたら嬉しいです」

デザインのヒントになった往年の名車、T500。クレイモデルを製作する際、欧州のデザインスタッフの目に留まった1台だ。
GSX-8シリーズの一員ということで、TとTTはGSX-8Sとエンジンやシャシーなどを共有しているが、走りのキャラをどう決めていったのか、佐藤さんに聞いた。
「最も大切にしたのは、スタイリングのイメージを性能に落とし込むことでした。ストリートファイターながら扱いやすさが光るGSX-8Sをベースとしながらも、TとTTは軽快なフィーリングを重視しています」
ハンドリングの軽快さに貢献したアイテムのひとつが、実はヘッドライト。柴山さんがこんなエピソードを教えてくれた。

「ヘッドライトがハンドルマウントで、ユニットの重さがハンドリングに影響するため、実はユニットを車体中央に近づける工夫をしています。スタイリングとのバランスも見ながら、ミリ単位で調整を重ねて決めました」
特徴的な装備である、バーエンドミラーも開発陣こだわりアイテムのひとつ。小林さんに苦労したポイントを聞いた。

「まず、ヤボったくならないよう、スタイリッシュな外観に仕上げることを心がけましたが、バーエンドに重さのあるミラーをつけるわけで、当然ながらハンドリングや振動面での影響も出やすいので、Sと同等のフィーリングになるよう、重量や形状の調整に気を使いました。また、視認性が悪くなってはいけないので、通常のミラー位置とほぼ同等のレイアウトとする工夫も施しています」
開発陣のワクワクとこだわりを詰め込んだ「勝負球(エイトボール)」の8TとTT。最後に加藤さんにメッセージをいただいた。

「タイムレス、プレジャー、フリーダムがGSX-8TとTTの開発キーワードです。所有感が高く、自由に走りを楽しんでいただき、眺めてスタイリングを堪能してもらえたら嬉しいです」






