放送開始から今年で20年を迎えるバイク情報番組『Like a wind』を制作する株式会社ヴァンズ凸(デコ)。バイクにまつわる幅広い内容で親しまれている番組づくりについて、統括プロデューサーの小西池祥司さんに聞いた。
文:齋藤ハルコ/写真:夏目健司

映像の仕事を始めてからは肉体も精神もひたすら走り続けた

──会社の沿革には、「1988年に異業種から映像制作業に移行」とありますが、それも小西池さんの「自分でやってまえ」精神から始まったのでしょうか?

「沿革を見てもらうとわかりますけど、この会社、じつは社歴60年と結構長いんです。もともとは嫁さんのお父さんが立ち上げた会社で、建築現場で使われる養生幕・養生シートの製造会社やったんですよ。で、嫁さんとは大恋愛で一緒になったんですけど(笑)、僕はずっと『金儲けよりも、本当に好きなことをやって人生を全うできたらいい』と思って生きてきてて。ちょうど、フィルム撮影だけだった映像制作にビデオ撮影が出てきた頃で、『これからはビデオだ!』と見習いから始めて技術を学び、本当は自分で映像の会社を立ち上げる予定やったんです。でも向こうの親にしたら、そんなんでやっていけるのか心配やったのか『もう引退するから会社を任せたい』って話になって。断ったんですけど、愛する奥さんのお父さんからの話につい、ほだされたんですね。でもだんだん、もう無理! ってなった。自分には夢だらけやったんです」

──その夢というのは、先ほどおっしゃっていたバイクでアメリカを走りたい、バイクで旅をしたい、とかもも含めてですか?

「そうそう。高校時代から乗ってたバイクも含めて、やりたいことだらけで。かといって具体的になりたいものがあるわけではないから、高校時代は学校も行かんと、近くの土手に行っては空を見ながら、自分には何が向いてんのかなと考えていたんです。何が向いてるのかはわからんけど、向いてることにハマれば自分は絶対に勝てると思ってました。若い時は、そういう自己肯定感がむっちゃ強かったんですよ。夢と負けん気だけはすごい強かって。だから、まず自分に向いてることを見つけようと思ってね、20歳までは遊びまくってやろうと決めた(笑)。20歳過ぎたら遊びながらも仕事優先で真面目にやって、25歳からは全力で走る。それで、30過ぎには自分の会社を作るって決めたんですわ。自分の中でそういう計画を立てて、実現していくやり方は、今も変わらないですね」

──その実行力が、現在のヴァンズ凸さんの幅広い仕事につながったのですね。

「いま思えば、ちょうどビデオ映像のテレビがガーっと上がっていく時代に乗れたんですね。最初は中央市場でバイトしながら、映像制作会社で見習いをしてたんですけど、荷物持ちとかパシリから始めてね。とにかく元気やったから『指示されたら絶対に走る』と決めて、たとえ『急いでへんから』と言われようがガンガン走ってるうちに、先輩にもかわいがられて、引く手あまたの助手になりました(笑)。そっからいろんな会社に行くようになって、ひたすら走り続けましたね」

「自分は25歳まで遊んだ分、遅れてるんやからって気持ちがあったので、1日8時間じゃなく16時間働こう、休みは月に1回だと決めて、30代から40代の10年間をほんまに走ったんです。自分で会社をやる頃には報道番組の映像をかなり担当するようになってたので、正月だろうが、事件が起きたら駆けつけなきゃいけない。携帯のない時代やから、事務所の電話を自宅に転送してね。寝る時も枕元に電話を置いて、かかってきたらすぐ『(当時の社名)ヴァンズプロです!』って出て、顔をバンバン叩いて目を覚ましては、現場に向かってました。24時間営業で、しかも絶対に仕事を断らないようにしたことで、大阪の弱小プロダクションが全国ネットのテレビ局から信頼を得られるようになったんです」

ヴァンズ凸のこだわりは完全自社一貫制作

画像10: 〈インタビュー〉株式会社ヴァンズ凸 統括プロデューサー 小西池祥司さん|「放送回数が1000回を超えても、ネタ切れの心配はありません」【ブランドの歴史】

TV番組制作におけるヴァンズ凸のこだわりは完全自社一貫制作で、社内には「Like a wind」の制作に欠かせない編集スペースやナレーションブースが設けられている。レースイベントをはじめ定期的に開催している番組主催イベントには、老若男女の番組ファンが多数集結。

昨年の大阪モーターサイクルショーでは全日本ロードレース選手権への参戦が発表され注目を浴びたが、今年もステージおよびブース出展を予定しているのでお見逃しなく。

画像11: 〈インタビュー〉株式会社ヴァンズ凸 統括プロデューサー 小西池祥司さん|「放送回数が1000回を超えても、ネタ切れの心配はありません」【ブランドの歴史】
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