文:沼尾宏明、編集部 協力:バイカーズステーション(遊風社)
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カワサキ「Z1100GP」(1981)解説
世界GP覇者時代のカワサキが送り出した最上級スポーツ

KAWASAKI
Z1100GP(Z1100-B1)
1981年

KEFIと呼ばれる燃料噴射装置を採用することで最高出力108PSエンジンを搭載。サイドカバーのエンブレムに"GPz1100"とあるが、Z1100GPと呼ぶ。ボディカラーはファイアクラッカーレッドの1色のみ。
さらに進化したデジタル・フューエル・インジェクションを搭載

KAWASAKI
Z1100GP(Z1100-B1)
1981年

ローソンレプリカと同形状のビキニカウルを装着。並列4気筒は基本は不変だが、燃料噴射装置のKEFIは8ビット制御の信頼性を高めたDFIに変更された。最高出力は+1PSの109PSとなった。
FIにモノショック、先進メカを貪欲に投入
1981年に登場したZ1000Jには同時開発された兄弟モデルが存在した。これが大排気量版のZ1100GPだ。
Z1000Jがレース向けに排気量を998ccとしたのに対し、Z1100GPでは公道最強を睨んで1089ccを獲得。さらに、1980年のZ1000Hで世界初採用した電子制御燃料噴射(FI)を組み合わせた。今や一般的なFIだが、当時は非常に先進的だったのだ。
最高出力はZ1000Jから6PS上乗せの108PSをマーク。角型ヘッドライトや大型メーター、ブラック仕上げのマフラーなど、デザイン面でもJ系との差別化を図った。
そして1983年には、現代的な装備を積極的に採り入れた野心作、GPz1100がデビューを果たす。1982年に日本でもカウルが解禁されたことを受け、ハーフカウルを装着。フロントからリアへ流れるようなデザインも白眉だ。
さらに、オフロード車で主流になったモノショックをいち早くオンロード車にも持ち込んだ。乗り心地のよさと踏ん張りを両立するため、現代でもおなじみのリンク式を採用していた。
エンジンは専用ピストン&クランクにFIを組み合わせ、空冷Z最強の120PSに到達。GPz1100は、Z1000Sといった例外を除いて空冷Zの究極形態となった。そして時代は水冷のニンジャGPZ900Rへと移り変わっていく。
カワサキ「Z1100GP」(1981)主なスペック
| 全長×全幅×全高 | 2265×820×1145mm |
| ホイールベース | 1540mm |
| 最低地上高 | 145mm |
| シート高 | 805mm |
| 車両重量 | 237.5kg |
| エンジン形式 | 空冷4ストDOHC2バルブ並列4気筒 |
| 総排気量 | 1089.9cc |
| ボア×ストローク | 72.5×66mm |
| 圧縮比 | 8.9 |
| 最高出力 | 109HP/8500rpm |
| 最大トルク | 9.7kg-m/7000rpm |
| 燃料タンク容量 | 21.4L |
| 変速機形式 | 5速リターン |
| キャスター角 | 29゜ |
| トレール量 | 120mm |
| タイヤサイズ(前・後) | 100/90V19・120/90V18 |
| ブレーキ形式(前・後) | Φ270mmダブルディスク・Φ270mmディスク |
カワサキ「GPzZ1100」(1983)解説

KAWASAKI
GPz1100(ZX1100-A1)
1983年
A1からA3へ、進化を続けた空冷最終モデル
A2ではヘッドパイプを下方に延長して剛性を高め、カウルや燃料タンクの肉厚を増すなど改良。さらにインナーカウルを追加し、高速安定性と質感を向上。GPz900R登場後も1985年まで生産が続いた。
GPz1100の各部解説

左に260km/h(160mph)スケールの速度計を配置。右にはやや小径の回転計を備える。中央のボタンを押せば電圧が表示される仕組みだ。

GPz1100のエンジンはZ1100GPを基にしつつ、多球形燃焼室やインナーシム式バルブなどS1由来の技術を導入し各部を専用設計。

Z系の燃料噴射はZ1000HのKEFIに始まり、Z1100GP B2でDFIへ進化。エアフローメーターを廃し、センサーやインジェクターを改良した。

フロントフォークにはアンチノーズダイブ機構を搭載し、リアにはボトムリンク式モノショックの「ユニトラック」を新採用した。
カワサキ「GPzZ1100」(1983)主なスペック
| 全長×全幅×全高 | 2320×740×1275mm |
| ホイールベース | 1565mm |
| 最低地上高 | 140mm |
| シート高 | 800mm |
| 車両重量 | 244kg(乾燥) |
| エンジン形式 | 空冷4ストDOHC2バルブ並列4気筒 |
| 総排気量 | 1089.9cc |
| ボア×ストローク | 72.5×66mm |
| 圧縮比 | 9.5 |
| 最高出力 | 120PS/8750rpm |
| 最大トルク | 10.2kgf・m/8000rpm |
| 燃料タンク容量 | 20.4L |
| 変速機形式 | 5速リターン |
| キャスター角 | 27.59゜ |
| トレール量 | 116mm |
| タイヤサイズ(前・後) | 110/90V18・130/90V17 |
| ブレーキ形式(前・後) | Φ280mmダブルディスク・Φ270mmディスク |
カワサキ「GPz1100」シリーズの変遷
空冷Z最終章の熟成型―GPz1100 A2/A3の細部進化
1984年型ZX1100-A2は、カウルにインナーパネルが追加され、グラフィックも刷新されたモデルだ。ヘッドパイプを延長した改良型フレームを採用し、サイレンサーからは「Kawasaki」のエンブレムが姿を消している。
車体色は写真のファイアクラッカーレッドに加え、ギャラクシーシルバーもラインアップされた。1985年型はA3として継続販売され、ブレーキキャリパーのマークが「K」へと変更されている。

KAWASAKI
GPz1100(ZX1100-A2)
1984年

KAWASAKI
GPz1100(ZX1100-A2)
1984年
カワサキ「Z750GP」シリーズの変遷
日本初のFIナナハンと、ユニトラック+ハーフカウルが魅せる空冷GPzコンビ

KAWASAKI
Z750GP(Z750R)
1982年
“ザッパー系”最終世代にあたるZ750GPは、日本初の本格量産フューエルインジェクション搭載車だ。空冷4ストDOHC並列4気筒738ccエンジンにDFIを組み合わせ、最高出力70PSを発揮したが、わずか1年でGPz750に交代した。

KAWASAKI
GPz750(ZX750A)
1983年
続いて、1982年にはフレームマウントのハーフカウルが印象的なスポーツツアラー、GPz750/Fが登場した。国内仕様のA1(GPz750)には72PSを発生する738cc空冷4ストDOHC並列4気筒エンジンが搭載された。
足まわりにはユニトラック式リアサスペンションやアンチノーズダイブ機構付きフロントフォークなどの先進的な機構を採用し、高い安定性とスポーティな走り味を両立させた。さらに1984年には末尾に「F」が付けられたGPz750F(A2)が登場し、パワーは77PSへと引き上げられ、1985年のA3まで同系列の最終モデルとして生産が続けられた。


/[B2](1982年) - webオートバイ](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2026/03/02/513f9590f17bc8c8ed03eb03345a999a19913a0c.jpg)

