Z900の後継機種として登場したZ1000 A1は力強さと洗練を両立。翌年登場したA2では欧州仕様ならではの装備と完成度を高め、“空冷Z”黄金期の進化を象徴した。
文:沼尾宏明、オートバイ編集部 協力:バイカーズステーション(遊風社)
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カワサキ「Z1000」解説

画像: Z1000(A2、左)、Z1000(A1、右) 1977年(2台とも欧州仕様) 総排気量:1015cc エンジン形式:空冷4ストロークDOHC2バルブ並列4気筒 シート高:820mm(資料により約820〜825mm) 車両重量:240kg

Z1000(A2、左)Z1000(A1、右)
1977年(2台とも欧州仕様)

総排気量:1015cc
エンジン形式:空冷4ストロークDOHC2バルブ並列4気筒
シート高:820mm(資料により約820〜825mm)
車両重量:240kg

心臓も車体も改良強化した「丸Z」の最終形態

Z1は誕生以来、最強最速の座に君臨してきたが、ライバルをより突き放すべく、改良強化版のZ1000を送り込む。ボアを4mm拡大して70mmとし、排気量を903→1015ccにアップ。最高出力は83PSながら最大トルクを1kgf・m上乗せした8.1kgf・mにまで高めた。

大排気量化に伴い、フレームも別物となり、軸間距離を延長。リアブレーキをディスク化するなど、Z1の基本構成を踏襲しながら各部を強化した。

これらの変更は、当時の北米の環境対策によりダウンした性能を排気量の拡大で補うことが目的とされる。また75年にデビューしたホンダGL1000に対抗するためとも言われる。

米国のAMAスーパーバイクレースではZ1000が猛威を奮い、1977~1978年にレグ・プリドモアが連覇を達成。最強の座を証明した。

デザインに関しては、マフラーを4→2本出しに変更しながら、基本的な流線形スタイルを継承。2型まで生産され、第1世代の空冷Z、いわゆる「丸Z」は有終の美を迎えた。

Z750 Four(Z750D-1)(1977)

Z2からの技術的進化とフレーム強化

画像: Z750 Four(Z750D-1)1977年

Z750 Four(Z750D-1)1977年

Z2スタイルを受け継ぎながら熟成を重ねた空冷DOHC直4エンジンは、Z2系をベースに70PSを発生。強化フレームとトリプルディスクブレーキを備え、当時として高い安定性と制動力を実現した。Z2直系の最終型とされ、火の玉カラーや「FOUR」エンブレムが4気筒らしさを強調。しかし人気はZ2に及ばず、現在では希少な旧車となっている。

●主なスペック
●全長×全幅×全高:2215×880×1195mm●ホイールベース:1495mm●最低地上高:145mm●車両重量:263kg
●エンジン型式:空冷4ストロークDOHC 2バルブ並列4気筒●総排気量:746cc●ボア×ストローク:64×58mm●圧縮比:9.0●最高出力:70PS/9000rpm●最大トルク:5.7kgf・m/8500rpm
●燃料供給:キャブレター●タンク容量:17L●キャスター角:25°30′●トレール量:87mm
●変速機形式:5速リターン●ブレーキ形式 前・後:油圧ダブルディスク・油圧ディスク
●タイヤサイズ 前・後:3.25-19・4.00-18

カワサキ「Z1000」「900 SUPER4(Z1)」新旧装備比較 (※写真はすべて北米仕様)

丸みから直線へ、Z1からZ1000へ進化したデザインの転換点

同じ系譜に属するZ1とZ1000[A-1](1977年欧州仕様)だが、丸みを帯びた初期Zに対し、A-1では直線基調が強まり、全体の印象はよりモダンに進化している。

Z1

画像1: カワサキ「Z1000」「900 SUPER4(Z1)」新旧装備比較 (※写真はすべて北米仕様)

Z1000

画像2: カワサキ「Z1000」「900 SUPER4(Z1)」新旧装備比較 (※写真はすべて北米仕様)

Z1とZ1000A-1に見る“丸Z”テールデザインの変遷

Z1は短いテールカウルと丸みのあるレンズ、クロームフェンダーでクラシカルな印象。一方Z1000[A-1]は角張ったレンズと長めのテールラインで、同じ「丸Z」ながら引き締まった後ろ姿を見せる。

Z1000

画像1: カワサキ「Z1000」|排気量をアップしブレーキも強化、2本出しマフラーの新スタイルへ【KAWASAKI Z大全】

Z1

画像2: カワサキ「Z1000」|排気量をアップしブレーキも強化、2本出しマフラーの新スタイルへ【KAWASAKI Z大全】

高回転で冴え渡る903cc、低中速のトルクがあふれる1016cc

Z1は903cc(66.0×66.0mm)で82PS、高回転寄りの特性。Z1000は1016cc(69.4×66.0mm)のビッグボア版で、90PSへと出力が向上し、低中速から厚いトルクを発生する。

Z1

画像3: カワサキ「Z1000」「900 SUPER4(Z1)」新旧装備比較 (※写真はすべて北米仕様)

Z1000

画像4: カワサキ「Z1000」「900 SUPER4(Z1)」新旧装備比較 (※写真はすべて北米仕様)

砲弾メーターはそのままにインジケーターの配列が異なる

Z1もZ1000も丸形二眼メーターを採用し、砲弾型ケースがクラシックな印象。ただしインジケーター配置は異なり、Z1ではキー下部、Z1000ではキー上部に移されデザインも刷新された。

Z1

画像5: カワサキ「Z1000」「900 SUPER4(Z1)」新旧装備比較 (※写真はすべて北米仕様)

Z1000

画像6: カワサキ「Z1000」「900 SUPER4(Z1)」新旧装備比較 (※写真はすべて北米仕様)

ドラムからディスクへ、リアブレーキの進化

Z1はΦ200mmドラムで、効きは穏やかだがコントロール性とクラシックな小径ハブが特徴。Z1000はリアディスク(Φ290mm)化され制動力と耐フェード性が向上し、ハブ形状やスイングアームも専用となる。

Z1

画像7: カワサキ「Z1000」「900 SUPER4(Z1)」新旧装備比較 (※写真はすべて北米仕様)

Z1000

画像8: カワサキ「Z1000」「900 SUPER4(Z1)」新旧装備比較 (※写真はすべて北米仕様)

カワサキ「Z1000」主なスペック

全長×全幅×全高2220×815×1160mm
ホイールベース1505mm
最低地上高155mm
シート高820mm
乾燥重量240kg
エンジン形式空冷4ストDOHC2バルブ並列4気筒
総排気量1015cc
ボア×ストローク69.4×66.0mm
圧縮比8.7
最高出力90PS/8000rpm
最大トルク9.1kgf・m/7000rpm
燃料供給方式キャブレター
燃料タンク容量16.5L
変速機形式5速リターン
キャスター角27.0゜
トレール量110mm
ブレーキ形式(前・後)ディスク・ディスク
タイヤサイズ(前・後)3.25-19・4.00-18

カワサキ「Z1000」写真

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