まとめ:岡本 渉/写真:平野輝幸/協力:バイカーズステーション、佐藤康郎、H&L PLANNING
※本記事は2025年7月2日に発売された『レーサーレプリカ伝 4ストローク編』の内容を一部編集して掲載しています。
カワサキ「Ninja ZX-10R」(2004年)の各部装備・ディテール解説
外観・概要

Ninja ZX-10Rの最初期型となる2004年モデル。サーキット性能No.1という明快なコンセプトで開発され、ラムエアなしで175PS、ラムエア加圧時は184PSを発揮するエンジンを新たに設計。公表乾燥重量を170kgに抑え、170kg÷175PS=0.97というパワーウェイトレシオを実現。サイレンサーは右1本出しで、前側に大型キャタライザーを内蔵している。

ツインスパーの9Rでは、左右レールの多くはカウルに覆われるが、10Rではエンジン上を通過する部分が大きく露出し、みなぎる力を感じさせる外観を生み出している。排気系は、4-2-1構造でチタン製のエキパイをクランクケース直下に伸ばし、コネクティングパイプの途中(ステップのほぼ真下)にモーターで開閉して排気ガスの流れを制御するバルブを置く。
メーター

バーグラフ式の回転計とデジタル速度計を組み合わせたオールデジタルメーターを採用。
エンジン

998.0cc(Φ76×55mm)水冷DOHC4バルブ並列4気筒は、クランクとミッションのドライブシャフトをクランクケース合い面に並べ、メインシャフトをロアケース側で支持することで3軸を3角形に配置、パワーユニットの前後長を短縮する。
フレーム搭載時にエンジンは20度前傾するため、クランクとミッションのメイン軸はほぼ同じ高さになり、ドライブ軸が前記2軸の上方に位置する。エンジンカバーをマグネシウム製にする、各部の部品を軽量化するなどで、9Rより単体で約4kg、吸排気系や点火系など補機類を含めると10kgもの重量削減を果たした。
クラッチ

クラッチはバックトルクリミッターを装備。ミッションメイン軸に接続される左側とプレートを保持する右側は通常では一体化されるが、10R用はこれを分割。3角形の突起でかみ合った両者は板バネで圧着されているが、過大な力を受けるとスライドしてかみ合う力が弱まりクラッチ板への圧力が低減する。
フューエルインジェクション

インボアがΦ43mmの燃料噴射は、手動(スロットル操作)と電動(サーボモーター)で開閉する2枚のバタフライバルブを持つ。噴射ノズルは、飛沫を9Rの120ミクロンに対し70ミクロンに小さくした微粒化タイプを使う。
ブレーキ


フロントΦ300mm、リアΦ220mmの花弁形ディスクを採用。キャリパーは、フロントがラジアルマウント対向4ピストン、リアがピンスライド片押し式1ピストンで、ともにトキコ製だ。
カワサキ「Ninja ZX-10R」(2004年)の主なスペック
| 全長×全幅×全高 | 2045mm×705mm×1115mm |
| ホイールベース | 1385mm |
| 最低地上高 | 125mm |
| シート高 | 825mm |
| 車両重量 | 196kg(乾燥170kg) |
| エンジン形式 | 水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒 |
| 総排気量 | 998cc |
| ボア×ストローク | 76mm×55mm |
| 圧縮比 | 12.7 |
| 最高出力 | 128.4kW(175PS)/11700rpm |
| 最大トルク | 115N・m(11.7kgf・m)/9500rpm |
| 燃料タンク容量 | 17L |
| 変速機形式 | 6速リターン |
| キャスター角 | 24° |
| トレール量 | 102mm |
| ブレーキ形式(前・後) | Φ300mmダブルディスク・Φ220mmシングルディスク |
| タイヤサイズ(前・後) | 120/70ZR17・190/50ZR17 |
まとめ:岡本 渉/写真:平野輝幸/協力:バイカーズステーション、佐藤康郎、H&L PLANNING
※本記事は2025年7月2日に発売された『レーサーレプリカ伝 4ストローク編』の内容を一部編集して掲載しています。

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