文:太田安治/写真:南孝幸
日本から世界へ!TSRは60年以上の歴史を持つ名門ロードレースチーム

TSR(テクニカル・スポーツ・レーシング)
三重県鈴鹿市住吉町6786
tsrjp.com走りの本質を磨き上げたTSR流カスタム
日本初の完全舗装レースコースである鈴鹿サーキットが完成した2年後の1964年に、三重県鈴鹿市で創業したのがテクニカルスポーツ・レーシング。レーシングパーツの製作/販売、チューニング、チーム運営を行い、全日本選手権、鈴鹿8耐、世界グランプリといったメジャーレースで数多くの優勝を飾っている名門チームだ。
2016年からは世界耐久選手権(EWC)を主戦場とし、2017−18シーズンと2022年シーズンは世界チャンピオンを獲得。EWC屈指の強豪チームとして世界中に認知されている。
それだけに、レースに興味がないライダーには近寄りがたく感じる人も居るようだが、TSRが走らせるレーシングマシンはあくまでも市販車がベース。実戦の場で発案され、レースで鍛え上げられた数多くのオリジナルパーツを市販車に合わせて製作/販売している。
特に注目したいTSRのデモ車がCB1300スーパーフォア。生産終了が発表されてから人気が再燃している2025年型のファイナルエディションだ。実車を見て感じるのは、ドレスアップ効果を狙うのではなく、機能性と品質に対するこだわり。
EWCレーサーと同様のフルチタンマフラー、クロモリ製アクスルシャフト、アルミ削り出しステップバー、クイックシフターユニットなど、走りの質を高めるアイテムを優先的に開発する姿勢にTSRの哲学を感じる。違いの判るライダーを納得させるTSRオリジナルパーツをじっくりとチェックしてみよう。
レースの名門TSRの本拠地に生まれたライダーの憩いと交流の新拠点!

TSRの敷地内にオープンしたのがTSR CAFE・サロック。ライダーの休憩スポットとして店内にTSRの藤井正和総監督が厳選したコーヒー豆「MASA Blend」を使用するコーヒーマシンが設置されているほか、オリジナルグッズの販売、TSR関係するアイテムやポスター、TSRのレーシングマシンやデモ車の展示も行っている。
CB1300SF/SB用カスタムパーツ紹介

世界トップクラスのレースで磨きぬかれた技術をフィードバックしたCB1300SF/SB用パーツ群
デモ車のCB1300SF・SPにはTSRのレース活動を支えるメインスポンサーであり、二輪車用クラッチで世界最大のシェアを持つ株式会社エフ・シー・シーのロゴマーク「F.C.C.」が入り、シンボルカラーであるブルー主体のカラーリングが施されている。
▶チタンフルエキゾーストファイヤーポリッシュ/税込価格:31万9000円~

エキゾーストパイプからサイレンサー(Φ約115mm×L450mm)まで超軽量で耐食性に優れるチタンパイプで製作した4−1集合タイプのフルエキゾーストシステム。重量は5.3kgで、純正より5kgも軽い。
スロットル開け始めのトルク感と素直なレスポンスを重視し、実走テストを繰り返して寸法を決めたとのことで、結果的に扱いやすさと同時にピークパワーの10PSアップを実現している。ホンダ純正オプションのセンタースタンド、パニアケース装着車にも対応。もちろん政府認証品なので車検もOKだ。
▶ステップシフターユニット/税込価格:4万700円

CB1300には純正アクセサリーのクイックシフターがあるが、TSRオリジナルのユニットはさらにシフトフィーリングに拘った設計。
純正ステップに取り付ける場合は別売のシフターペダルキット(1万5180円)、純正シフター装着車はギアチェンジアーム(3190円)を組み合わせる。スポーツステップバーセットは長さ78mmタイプ(1万6500円)と66mmショートタイプ(1万1000円)の2種類が用意されている。
アルミ削り出しのスプロケットカバー(3万6300円)はゴールドとシルバーがある。
▶クロモリアクスルシャフト/税込価格:フロント用 7万3700円/リア用 5万9400円

ハンドリング向上に寄与するクロムモリブデン鋼製アクスルシャフトはフロント用、リア用あり。クロモリアクスルボルト(3万2120円)は純正アクスルシャフトとTSR製アクスルシャフトのいずれにも対応し、アルミ削り出しのスライダーカラーは写真のレッドの他にブルーとブラックから選べる。
CBR650R/CB650R用カスタムパーツ紹介

低コストでローダウンを実現するCBR650R/CB650R用アイテムもラインアップ!
デモ車のCBR650Rにはチタンフルエキゾースト(30万2500円〜)、ステップキット(5万9400円)、ラジエーターコアガード(シルバー:2万2000円/ブラック:2万5800円)などが装着されている。
▶ロ−ダウンエンドアイ/税込価格:2万5300円

注目はローダウンキット。リアサスペンションユニット下端のエンドアイ部をアルミ削り出しパーツでショート化し、ユニット長を短くしてシート高を30mm下げる。サスペンションユニット自体は純正を使うためコストが抑えられていることも特徴だ。
▶ショートサイドスタンド/税込価格:1万5400円

ローダウン化によってサイドスタンドの傾斜角が浅くなるが、これを補正するショートサイドスタンドは純正を切断してショート化するのではなく、専用金型を使った一体成形で、スタンド長は10mm短かくなっている。
エンドアイとショートスタンドのセットは3万8500円。
文:太田安治/写真:南孝幸