文:松本正雅/写真:中村浩史
ルックスはまさしく「CNチャレンジ」仕様のGSX-R!

100%サステナブル燃料を使用して「エクスペリメンタルクラス」から鈴鹿8耐に参戦する「チームスズキCNチャレンジ」。耐久レースの厳しい条件下での実走行を通した環境性能技術の開発加速を目的に、今年もGSX-R1000Rで過酷なレースを戦い抜きます。
そんな「チームスズキCNチャレンジ」なのですが、会場で見たこともないミニバイクを発見! 8耐を戦うGSX-R1000Rを忠実に再現したCNチャレンジカラーをまとっていますが、コレは一体何なのか?

各種スポンサーロゴやカラーリングはカンペキに再現されています。デカールの位置まで正確。何より、アッパーカウルの造形が素晴らしくよく出来ていて、さすがにフロントフォークやスイングアームまでは正確に再現できませんが、一見するとスケールモデルのよう。ちなみにタイヤは前後10インチで、ブリヂストン製の「HOOP」、80/90-10サイズを履いていました。

SUZUKI
GSX-R1000R(CNチャレンジ仕様)
コレがCNチャレンジ号。いかにこのミニバイクが良く出来ているかが分かります。
その正体は「e-PO」のメカを使った電動ミニバイク!

ここで各部パーツを見ていきましょう。
まあホントによく出来ていて、製作者の情熱とこだわりが全身からにじみ出ています。このフロントマスクだけを見ていたら、ホンモノなんじゃないか(実際ヘッドライトとかはホンモノにしか見えませんが…)と思う出来栄え。フロントウイングにはしっかりGSX-R40周年記念のロゴも入っているのがステキです。

ハンドルは何かの流用なのか、ワンオフなのかは謎です。メーターとスロットルグリップは…どこかで見た気が…。

SUZUKI
e-PO
公道走行テスト車(写真:赤松 孝)
そう! 実はこのミニバイク、ベースはスズキの電動折り畳みモペッドの「e-PO(イーポ)」だったのです! …って、鋭い方なら横のデカールですでにお分かりですよね。

アルミのケースに収められているのはe-PO用のドライブユニットで、パナソニックサイクルテック製。アルミのケースとフレームの間はトラス構造になっていて、非常に凝った造りになっています。

サイドカウルを外したところ。中央付近に見える黒いソケットはバッテリーマウント用。しかしこのフレーム(アルミトラスフレーム、でいいんでしょうか?)、とても美しく仕上がっていて、見ていて飽きません。

バッテリーを搭載するとこんな感じ。これに外からカウルをかぶせるわけです。ちなみにバッテリーもパナソニックサイクルテック製の16Ahのもので、パナソニックの電動アシスト自転車に使われているものと全く同じです!

電動なのでマフラーはいらないはず…なんですが、キレイに造り込まれています。サイレンサー(?)部分にはかわいらしい「ヨシムラ」のミニステッカーが!

完全ワンオフのスペシャルバイクではありますが、こんな電動ミニバイクが家にあったら、さぞかしお出かけが楽しくなるだろうな、と思わせる完成度です。(もっともここまで造り込んであると、販売されたとしてもかなりのお値段でしょうけれど…)
8月3日、日曜日の決勝に向けて奮闘する「チームスズキCNチャレンジ」を、みんなで応援しましょう! そして現地観戦組の方は、会場でこの愛くるしいミニバイクを見かけたら、そのこだわりと造り込みのスゴさを間近で見て、感動してください!
文:松本正雅/写真:中村浩史