イタリアのプレミアムスポーツバイクブランド・ビモータとカワサキとの資本提携により誕生した「KB4」。Ninja1000SXのエンジンを搭載する本モデルのネイキッド版として、丸目一灯、専用の外観パーツなどを装備し登場したのが「KB4RC」。2025年4月より国内でも販売されている。
文:小川 勤、オートバイ編集部/写真:赤松 孝、鶴身 健、松川 忍、南 孝幸
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ビモータ「KB4RC」インプレ(小川 勤)

画像: bimota KB4RC 総排気量:1043cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:810mm(±8mm) 車両重量:191kg 発売日:2025年4月19日(土) 税込価格:473万円

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KB4RC

総排気量:1043cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:810mm(±8mm)
車両重量:191kg

発売日:2025年4月19日(土)
税込価格:473万円

1000ccエンジンを400cc並の車体に搭載

ビモータのKB4RCは、カワサキニンジャ1000SXのエンジンを使ったカフェレーサー。2021年に発表されたKB4をベースにカウルを剥ぎ取り、ネイキッド化したマシンである。

とにもかくにも魅力はスペック。とはいってもパワーやトルクではなく、KB4RCの個性は軽さとホイールベースにある。

KB4RCは1043ccのエンジンを搭載するにも関わらず、重量はカワサキZX-4Rより1kg重く、ホイールベースは10mm長いだけ。もはや同じといっていいだろう。400cc(ZX-25Rもほぼ同じ)の車体に1000ccエンジンを搭載したバイクが魅力的でないはずがないのだ。ちなみにニンジャ1000SXと比較すると、重量は45kgも軽く、ホイールベースは50mmも短い。

確かに価格は473万円と高価だ。しかし、ビモータは自らが求めた理想を追求するために様々なアイデアと技術を注入し、軽量&コンパクト化を追求。実車を見るとタイヤが大きく見え、どこかデフォルメ感のあるスタイルが印象的。全てにおいて他と一線を画すディテールに吸い込まれる。

最もエポックメイキングなディテールは、ラジエターをシート下に配置している点。前輪とエンジンのクリアランスを詰めて超ショートホイールベースを実現する。大きくエラの張ったシュラウドは、ラジエターに空気を導くための車体サイドを貫くダクトに繋る。そして、そのダクトを始め、外装パーツの大半がドライカーボン製であることにも注目したい。

フレームは伝統のスチールパイプで、エンジン上部にマウント。アルミ削り出しスイングアームは、エンジン後端のアルミ削り出しプレートから生えるようにマウント。エンジンをシャシーの一部と考える発想がビモータらしい。

画像1: ビモータ「KB4RC」インプレ(小川 勤)

ポジションは腰高で前傾。リヤサスは硬く、跨ってもほぼ沈まない。今回のKB4RCはステム周りの渋さやブレーキジャダーが出ていたため、インプレはKB4試乗時を参考に書くが、走り出すと短さと軽さがクイックさを披露。

その中にも安定感があるのは幅広かつ大きな4気筒エンジンを搭載しているから。ただ、短さは全てのコーナーで小さな軌跡を約束。これが1000ccの緊張感を解き、かつてない気持ちでスポーツライディングをさせてくれる。

走行中は常にリアが高く、前下がり。リアはもっと柔らかく、低めにセティングすると乗りやすくなるはず。セットアップはライダーや販売店に委ねられている部分も多く、日本の工業製品とは根本的に考え方が異なると思った方がいいだろう。

1000ccクラスのスポーツバイクというと手に追えない印象やバイクが急かしてくる印象が強い。しかし常識外れの独創的な車体設計をもつKB4RCは、楽しみながら付き合えるスポーツ性を持っている。

「かつてない新しいスポーツバイクの創造」。これこそがビモーターのバイクづくりの根源であり、KB4RCも間違いなくその線上にいる1台である。

画像2: ビモータ「KB4RC」インプレ(小川 勤)

ビモータのクラフトマンシップがバイクを操る楽しさを教えてくれる

バイクの重心(ほぼエンジン)から離れたパーツに極力軽い部品を使うことでマスを集中。短くて軽い、かつてないパッケージの車体構成はとてもユニークである。

そしてそのユニークさをハンドリングとして実感できるのがビモータの面白さだ。小さなアクションで素直かつ確実に曲がっていく瞬間は、まさに異次元。

たまらない気持ちよさを教えてくれる。速さやバンク角ではなく、量産車ではなかなか感じられない質のハンドリングを楽しんでいただきたい。

ビモータの他のモデルをピックアップ

▶ビモータ「KB998リミニ」

画像: bimota KB998 Rimini 発売日:2025年9月1日 税込価格:693万円

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KB998 Rimini

発売日:2025年9月1日
税込価格:693万円

世界ロードレース選手権(WSBK)のホモロゲマシンとして開発されたリミニ。スチールとアルミのハイブリッドフレームにNinja ZX-10RR用のエンジンを搭載するスーパースポーツだ。WSBK第6戦、ビモータの地元ミザノで初表彰台を獲得。

▶ビモータ「TESI H2 テラ」

画像: bimota TESI H2 TERA 価格・発売日未定

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TESI H2 TERA

価格・発売日未定

Ninja H2 SXの過給機付きエンジンを搭載するテラ。様々なバイクをハブステア化しやすいテラシステムを搭載した第1号車だ。ハブステアは、実は乗り心地が良く、ツアラー向けの機構。ハブステア専用開発のタイヤを採用している。

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