Ninja1100SXとヴェルシス1100。排気量を拡大してさらなるゆとりを持たせ、走りの世界を広げた2モデルの開発者にここでお話を伺ってみた。走りを磨き抜いたカワサキのこだわりに注目だ。
文:オートバイ編集部/写真:赤松 孝、南 孝幸
画像: Kawasaki Ninja 1100SX/SE 2025年モデル 総排気量:1098cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:820mm 車両重量:236kg/235kg(SE) 発売日:2025年3月29日(土) 税込価格:177万1000円/198万円(SE) ※写真はスタンダードモデル

Kawasaki
Ninja 1100SX/SE
2025年モデル

総排気量:1098cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:820mm
車両重量:236kg/235kg(SE)

発売日:2025年3月29日(土)
税込価格:177万1000円/198万円(SE)

※写真はスタンダードモデル

画像: Kawasaki VERSYS 1100 SE 2025年モデル 総排気量:1098cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:820mm 車両重量:260kg 発売日:2025年4月12日(土) 税込価格:209万円

Kawasaki
VERSYS 1100 SE
2025年モデル

総排気量:1098cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:820mm
車両重量:260kg

発売日:2025年4月12日(土)
税込価格:209万円

カワサキ「Ninja1100SX」「ヴェルシス1100SE」開発者インタビュー

画像: 山本茂季氏(開発リーダー) カワサキモータース株式会社 MCディビジョン 第一設計部 第二課 基幹職

山本茂季氏(開発リーダー)
カワサキモータース株式会社 MCディビジョン 第一設計部 第二課 基幹職

磨き抜いた「美点」は長く乗るほど進化を発揮

「Ninjaは前モデルの1000SXの時から非常に評価が高く、バランスのいい、何にでも使えるモデルとして定評があります。完成度の高いモデルですので、モデルコンセプトの軸を動かすことなく、いいところをそのまま継承して、本来の魅力を一層成熟させる方向にしよう、と考えました」。

そう語るのは、Ninja1100SXとヴェルシス1100SEの開発リーダー・山本さん。今回の目玉である、排気量の拡大はユーザーからのリクエストの声も大きかったそうだ。

「高速道路のクルージングで、もう少しエンジンの回転数が下がるといいな、という声を多くいただきました。そこで、トップギアのギア比をロングにしてエンジン回転数を下げようと考えたのですが、そのままではトルクが減って駆動力が下がってしまう。そこで排気量を拡大し、トルクを厚くして、気持ちのいいパワーフィールを目指しました」。

その結果、排気量は1098ccまで拡大。パワースペックこそ5PS下がったが、トルクは増強され、発生回転数も下げられている。

「低中域のトルクを向上させる一方で、高回転域の気持ちいい伸びはそのまま継承させています。乗って体感しやすいパワー特性で、これまでの魅力は残しながら、さらに守備範囲を広げたイメージです」。

これまで培ってきたニンジャならではの楽しさ、扱いやすさをさらに磨いた1100。目指したのは「これまで以上に、かゆいところに手が届く」質の向上だった。

「スロットルのリニアリティも見直して、2分の1開度あたりまでは扱いやすく、そこから先はしっかりパワーを楽しめるようなセッティングとしました。他にも、リアのディスク径を大きくしたり、ハンドルウエイトを見直して振動を低減しています。USB-CソケットやETC車載器、前後ドライブレコーダーなど、装備面も充実させました」。

画像: カワサキ「Ninja1100SX」「ヴェルシス1100SE」開発者インタビュー

山本さんは同時にヴェルシス1100の開発リーダーも担当している。キャラクターは違えど、ロングランでの快適性を求めた進化の方向性は同じのようだ。

「ヴェルシスの一番の強みである、長距離での快適性をもっと高め、一方でアルプスのタイトターンのようなワインディングもより乗りやすく、楽しくこなせるように進化させました。こうしたコンセプトにマッチしていたこともあって、エンジンやギアレシオなどはニンジャ1100と同じ仕様です。前モデルに比べてパワーも上がりましたし、トルクも豊かになりましたから、よりジェントルで、上質感ある乗り心地に仕上がっています」。

Ninjaとヴェルシス。カワサキが誇る珠玉の4気筒ユニットを堪能できるスポーツツアラーは、その魅力を一層輝かせている。

「実用面で体感していただけるところの質感を上げていますから、乗ればすぐに上質さを感じていただけると思います。たくさんツーリングに出かけて、ぜひ楽しんでください」。

文:オートバイ編集部/写真:赤松 孝、南 孝幸

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