2025年のハーレーのツーリングファミリーに加わったストリートグライドウルトラは、ストリートグライドをベースに豪華装備を満載した最上級モデル。1923ccエンジンが生み出す大トルクを活かした、快適なグランドツアラーだ。
文:宮崎敬一郎、オートバイ編集部/写真:赤松 孝
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ハーレーダビッドソン「ストリートグライドウルトラ」インプレ(宮崎敬一郎)

サイズの割に扱いやすくオールマイティさが魅力

ツーリングファミリーの中で伝統的なハンドルマウントフェアリングを装備するのがストリートグライドシリーズ。ごっついフレームマウントのカウルを装備するロードグライドシリーズは兄弟モデルになる。

今回試乗したストリートグライドの「ウルトラ」はロングランでの快適性を追求した最上級バージョン。防風効果を高めるためスクリーンが少し高くなっていたり、巻き込み風抑制用のフィンやフェアリングが増設されている。また、タンデムを考慮して大型のバックレストが付いたタンデムシートや、それと一体化したリアのサドルバッグも装備。積載性も大きく増強されている。

エンジンはこのファミリーではスタンダードな「ミルウォーキーエイト117」。ヘッドまわりを水冷化した1923ccで、パワーは107HP。巨大なVツインでありながら、電子制御スロットルの制御が上手いのだろう、アイドリングのすぐ上から非常に良く粘り、柔らかくレスポンスしてから強力な芯のあるパワーを発揮する。

ライディングモードの切り換えで、レスポンス特性も選択できるが、最もスポーティなモードでも街中で不自由なく使える従順さと優しさがある。

画像: ハーレーダビッドソン「ストリートグライドウルトラ」インプレ(宮崎敬一郎)

回せばパンチもあるが、低回転域の滑らかさと粘りは非常に重宝する味付けで実用的。400kg近い巨体だが、Uターンや峡路での低速走行でも、ちょっとの慣れで多くのライダーが実行できると思う。

他のツーリングファミリー同様、低重心から生まれるハンドリングの軽い手応えも魅力のひとつ。車体のタッチはガッチリしたものではなく、ちょっとたわむような感触を伴っている。節度が希薄に感じるので、ツーリングファミリー初心者は少し違和感を覚えるかもしれないが、これもすぐに慣れる。

そんな感触でありながら、かなりの高速コーナーでも正確に狙ったラインに車体を乗せる剛性がある。フレームの応答も従順で素直。ナチュラルに街中から峠道まで身のこなしが良く、結構スポーティな走りまでこなせる。現行ハーレーの巨大なモデルたちの中でも、このツーリングファミリーの車体、ハンドリングは最もバランスがよく、オールマイティだと思う。

ちなみに、コーナリング中にバンクした状態でブレーキをかけると、旋回やラインの維持をアシストするコーナリングABSも付いているらしい。今回何度かトライしてみたのだが、残念ながら体感できなかった。

フェアリングがハンドルマウントということもあって、高速道路で大型トラックの横を通過する時や後ろに付いた時は風の巻き込みでハンドルごとあおられやすいが、これぞハーレーのツアラー、というアイコニックなスタイルに憧れるファンは後を絶たない。そして、意外に思うかもしれないが、このファミリーはどこでもよく走れ、扱いやすさが魅力だということもお忘れなく。      

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