執筆者:岡本修(Webライター)
大学時代から大型バイクに乗っていて、日常使いはもちろん、ツーリングやサーキット走行まで楽しんでいる。ジャケットやグローブといったギアを集めるのも好きで、時間があれば最新商品をチェックしている。
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システムヘルメットの特徴
システムヘルメットは、フルフェイス型とジェット型の両方の特性を持つヘルメットであり、利便性と安全性を両立させたいライダーに人気があります。システムヘルメットの最大の特徴は、あご部分のチンガードが可動式になっており、必要に応じて開閉できる構造になっている点です。チンガードが開閉できるので、休憩時などにヘルメットを完全に脱がなくても、会話や水分補給ができるといったメリットがあります。
また、フルフェイスヘルメットと同様に頭部全体を覆う設計のため、安全性は高い部類といえます。ただし、チンガードが開閉構造となっているので、一般的なフルフェイスヘルメットと比べると、剛性が落ちる可能性があります。
最近のモデルでは、チンガード部分を着脱できるタイプもあり、チンガードを取り外すことでジェットヘルメットに変わります。長距離のツーリングではチンガードを付けておき、街乗りでは開けて気軽に使えるなど、走行シーンに応じた柔軟な使い分けができる点も、システムヘルメットの大きな魅力といえるでしょう。
さらに、インカムの取り付け部分やサンバイザーを内蔵したモデルも増えており、長距離ツーリングや日常使いの快適さを追求した設計が進んでいます。システムヘルメットは「快適さ」「機能性」「安全性」をバランスよく兼ね備えた選択肢として、多くのライダーから支持されているのです。
5つのメーカーを紹介
国内外問わず、世界中にはさまざまなヘルメットメーカーがあります。ここでは、ヘルメットを扱う主要メーカーの中から、Arai、SHOEI、HJC、LS2、OGK KABUTOの5つのメーカーの特徴や魅力について紹介します。
Arai HELMET
Araiは日本を代表するヘルメットメーカーであり、「衝撃から頭を守る」ことに徹底的にこだわっています。Araiのヘルメットは、独自のラウンドフォルムによって、衝撃と気に外力を受け流す設計が採用されており、多くのレーサーやプロライダー、一般ユーザーから高く評価されています。
一方、Araiはチンガードが開閉する「システムヘルメット」をラインナップしていません。その理由は、可動式の構造がどうしても剛性を犠牲にするリスクがあると考えているためです。
Araiのヘルメットが欲しい! という方は、ぜひ以下のおすすめのフルフェイスヘルメットを紹介している記事をチェックしてみてくださいね。
SHOEI
SHOEIは、Araiと並ぶ日本の二大ヘルメットメーカーのひとつ。快適性とエアロダイナミクス性能の高さに強みがあり、高速走行時でも風切り音や首への負担が少ないなど、風洞実験によって得られたデータをもとに空力性能を追求しています。
また、静粛性や通気性も高く、長距離ライドでも快適。もちろん、安全性にも抜かりはなく、独自の衝撃吸収ライナーを採用するなど、万が一の事故に備えた機能も充実しています。
HJC
HJCは韓国発のグローバルヘルメットメーカーで、世界的な販売シェアを誇ります。MotoGPなどのモータースポーツでも採用されており、技術力の高さがうかがえます。
システムヘルメットでは、RPHA 90Sやi90などを展開しており、操作性、快適性、静音性のバランスが良いのが特徴です。とくに、RPHAシリーズはHJCのプレミアムラインであり、軽量でありながら高い安全性を確保しています。サンバイザーやインカム対応など、実用的な装備も充実しているのが魅力といえるでしょう。
LS2
LS2は、スペインに本社をかまえるヘルメットメーカーであり、世界中に展開しています。LS2の特徴は洗練されたデザインと高い安全性、そしてコストパフォーマンスの高さにあります。
LS2のヘルメットは、FIM・MFJ公認の「THUNDER C GP」など、プロレースで使用されるモデルから、ツーリング向けの「CHALLENGER C GT」や、チンガードが180度可動するシステムヘルメット「ADVANT-X F」など、多彩なラインアップを揃えています。
OGK KABUTO
OGK KABUTOは、日本のヘルメットメーカーで、日本人にフィットするように設計されているのが大きな魅力です。日本人の頭の形に最適化されたフィット感や、暑さや湿気に配慮した通気性の高さは、ツーリングユーザーから強い支持を受けています。
システムヘルメットとしては、RYUKIが代表的なモデルであり、幅広く注目されています。軽量な帽体と、チンガード開閉機能、インナーサンシェードの装備により、長距離ツーリングでも快適に使える仕様になっているのが特徴です。また、洞実験に基づいたエアロダイナミクスもKABUTOらしいこだわりといえるでしょう。
システムヘルメットを選ぶときに押さえておきたいポイント
システムヘルメットが気になっているものの、数多くあるシステムヘルメットの中から、どうやって自分にあったものを選べばいいのかわからない人もいるでしょう。ここでは、システムヘルメットを選ぶときに押さえておきたい3つのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
サイズが合ったものを選ぶ
システムヘルメットを選ぶときは、自分のサイズに合ったものを選ぶ必要があります。自分の頭のサイズよりも大きなサイズのヘルメットを装着すると、バイクを運転しているときにヘルメットがズレてしまって危険です。また、万一の転倒時にしっかりと頭を保護できない可能性もあるでしょう。そのため、システムヘルメットを選ぶときは、自分の頭にフィットするものを選ぶことが大切です。
また、サイズ表記がS,M,Lであったとしても、メーカーやモデルによってサイズ感が異なるケースもあることから、できれば試着してから選ぶのがおすすめです。
軽さをチェックする
システムヘルメットを選ぶときは、重量をチェックすることも大切です。重いと感じるヘルメットの場合、長時間使用していると、頭や首、肩が疲れることがあります。とくに、部品構造が多いシステムヘルメットの場合は、一般的なヘルメットよりも重いことが多いです。そのため、システムヘルメットを選ぶときは、できるだけ軽量なものを選ぶようにしましょう。
チンガードの構造を確認する
システムヘルメットはチンガードを開閉できるのが特徴ですが、メーカーや商品によって構造が異なります。したがって、どういった構造が採用されているのかを確認することが大切です。たとえば、フリップアップスタイルという、チンガードを上部に挙げるタイプであれば、容易に上げ下げすることができ、必要なタイミングで可動させられるのが特徴です。
一方、着脱式の場合は、チンガードを取り外すことができてジェットヘルメットに変えられるといったメリットがあります。
おすすめシステムヘルメット7選
さて、ここからはメーカー別におすすめのシステムヘルメットを見ていきましょう。先に挙げたメーカーはもちろん、そのほかの有名メーカーのヘルメットも取り上げていますので、ぜひ自分好みのものを探してくださいね。
SHOEI ネオテック3
SHOEIのシステムヘルメット「ネオテック3」は、フルフェイスの安全性とジェットの利便性を高次元で両立したプレミアムモデルです。
風洞実験で培われた空力性能は優れた静粛性を発揮し、長距離ツーリングでの疲労を軽減。日差しをカットするインナーサンバイザーや、曇りを防ぐPINLOCK®EVO lensも標準装備しています。専用設計されたSENA製やサイン・ハウス製のコミュニケーションシステムがスマートに装着できるのも大きな魅力。安全性、快適性、機能性を妥協なく追求した、ツーリングライダーの頼れる相棒です。
HJC アヴェンタ HJH222
HJCのアヴェンタHJH222は、着脱式の速乾内装が採用されたツーリングに最適なシステムヘルメットです。
サンバイザーが標準装備されていることに加え、UV99%カットのシールドも付帯しています。さらに、眼鏡スリットが装備されているなど、多機能なのが特徴です。さらに、走行風を効率的に取り込めるベンチレーションシステムが採用されているので、ヘルメット内部が蒸れにくい構造になっているのも魅力といえるでしょう。

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HJC i91 ビナ HJH271
HJCのビナHJH271には、HJCヘルメット専用設計であるSENA製のインカム「SMART HJC21B&50B」が標準装備されています。インカム本体のアタッチメントに加え、スピーカーホールも備わっており、簡単に接続できるのも魅力のひとつです。
そのほか、シールドの曇りを抑えるために口元にロアインテークが装備されています。コストパフォーマンスが高く、通勤や通学などの日常ユースはもちろん、ロングツーリングにもぴったりのシステムヘルメットです。

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LS2 SCOPE
SCOPEはLS2のシステムヘルメットです。柔らかい質感が特徴の内装素材が採用されていることに加え、前側と後ろ側の両方に取り付けられた通気ポートが特徴です。さらに、インナーバイザーが標準装備されており、日差しが強いツーリングも快適に楽しめるでしょう。

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OGK KABUTO RYUKI
OGK KABUTOのRYUKIにはIRカットシールドが標準採用されています。パーツレイアウトや装飾処理に改良を加えて、軽さを追及しているのが特徴です。チンガードはフリップアップ方式が採用されているほか、インナーサンシェードが標準装備となっているの日差し強い日のツーリングにもぴったりのヘルメットです。
さらに、後頭部に走行中の安定性が向上するスタビライザーが備わっているほか、ベンチレーションシステムが採用されているので、ヘルメット内部の温度が上がりにくくなっているのも魅力といえるでしょう。

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リード工業 REIZEN
リード工業のREIZENはツーリングでの快適性を追求したシステムヘルメットです。スタイリッシュなデザインに加え、エアロダイナミクスが想定された設計となっています。チンガード内側のリリーススイッチを操作することで、片手でもチンガードを動かすことが可能です。
さらに、インナーシールドやエアーインテーク、リアダクトやマウスシャッターなど、多機能なのもREIZENの魅力といえるでしょう。
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ヤマハ発動機 YJ-21 ZENITH サンバイザーモデル
ヤマハ発動機のYJ-21 ZENITH サンバイザーモデルは、システムヘルメット特有の凹凸を限りなくなくすことで、一見フルフェイスヘルメットのような見た目に仕上がっているのが特徴です。さらに、外部の凹凸が少ないことから、エアロビクス性も向上しており、安定性が保たれているのも魅力といえるでしょう。
さらに、大型ベンチレーションや、サンバイザーなどが標準装備となっており、快適なロングツーリングを楽しめます。

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システムヘルメットのお手入れ
システムヘルメットを長く快適に使うためには、定期的にメンテナンスする必要があります。まず、使用後はヘルメットの外側に付着したゴミや虫を、柔らかい布と水でやさしく拭き取りましょう。強くこすったり、研磨剤を使ったりすると、シールドや帽体に傷がついてしまうので注意が必要です。
また、内部のお手入れについてですが、ほとんどのシステムヘルメットは内装が取り外せる設計になっています。汗や皮脂が染み込みやすいチークパッドやインナーパッドは、定期的に外して中性洗剤で手洗いし、しっかりと陰干しして乾かしましょう。乾燥が不十分だと、臭いやカビの原因になるので、すぐに使いたいときでも焦らずしっかり乾かすことが大切です。
そして、可動部分のメンテナンスも忘れてはいけません。システムヘルメットはチンガードやインナーバイザーなど、開閉機構が多いため、これらのヒンジ部分にゴミやホコリがたまると動作が鈍くなったり、異音が発生したりします。定期的に綿棒やエアダスターで汚れを取り除き、必要に応じてシリコングリスなどで潤滑すると、スムーズさを保つことが可能です。
さらに、シールドのメンテナンスも重要です。汚れがひどい場合は、シールドを取り外してやわらかい布で汚れをふき取ります。最後に、ヘルメットを保管するときは、直射日光や高温多湿を避け、風通しのよい場所に置きましょう。なお、専用のヘルメットバッグに入れておくと、ホコリやキズを防げます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は「システムヘルメットの魅力は?」をテーマに、主要ヘルメットメーカーの特徴に加え、メーカー別のおすすめシステムヘルメットを紹介しました。システムヘルメットを選ぶときは、自分の頭のサイズにあったものを選ぶことが大切です。また、ヘルメット本体の軽さに加え、チンガードの構造についても確認しましょう。
さらに、システムヘルメットを少しでも長持ちさせるなら、定期的にメンテナンスすることが大切です。使用後は、外装に付着したゴミや虫をしっかりと拭き取り、乾燥させることが重要です。また、内装についても手洗いで洗浄して、しっかりと乾燥させましょう。
システムヘルメットはチンガードやサンバイザーなど、可動する部品が多く複雑な構造になっています。可動部分にゴミなどがたまると、動かしづらくなったり、異音が発生したりするので、定期的にゴミを取り除くようにしましょう。システムヘルメットを検討している方は、ぜひ今回の記事を参考にしてください。