ハーレーダビッドソンの個性派アドベンチャーモデル、パンアメリカシリーズに新たに加わったのがST。こちらは前後17インチホイールを採用し、オンロードのスポーツ性を高めたモデルだ。
文:宮崎敬一郎、オートバイ編集部/写真:南 孝幸

ハーレーダビッドソン「パンアメリカ1250ST」インプレ(宮崎敬一郎)

画像: Harley-Davidson PAN AMERICA1250 ST 2025年モデル 総排気量:1252cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブV型2気筒 シート高:825mm 車両重量:246kg 税込価格:258万6800円~262万6400円

Harley-Davidson
PAN AMERICA1250 ST
2025年モデル

総排気量:1252cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブV型2気筒
シート高:825mm
車両重量:246kg

税込価格:258万6800円~262万6400円

スポーティな機動もこなせる自由度の高さ

ハーレーダビッドソン唯一のアドベンチャーモデル「パンアメリカ」に新しいバージョンとして、フロントタイヤを19→17インチに小径化し、オンロード適性を向上させた「1250ST」がラインアップに加わった。

フロントの小径化とローシート、サスのショート化を組み合わせることでシート高は825mmにダウン。フロント19インチの最上級モデル「スペシャル」の車高が下がった時でも850mmだということを考えると、足つき性は劇的に向上したことになる。

ただ、それでも前後サスのトラベル量はスペシャルと比べて20mm減の約170mmを確保している。並みのオンロードスポーツではない、立派な悪路ファイターの足を持っている。

取り回しや実用性で何かとネックになる大型アドベンチャーのシート高の問題を、高価で複雑な機構を使わずに克服し、走りもかなりキャラクターを変えているのだ。

実際のところ、小さなUターンなどで足を出す時などの安心感はスペシャルとは別物。しかも足つきだけでなく、ハンドリングも大きく変わっている。

画像: ハーレーダビッドソン「パンアメリカ1250ST」インプレ(宮崎敬一郎)

車体をリーンさせた時のフロントの応答が素早く、その分ダイレクトに向きを変える。とは言っても、背の高い大型アドベンチャーだ。適度などっしり感はあるし、そのフロントの応答もすごく素直な反応をする。決して、妙にフロントだけ軽くなったような違和感はない。バランスよく小径化を遂行し、程よく身のこなしが軽くなっている。

しかし、このパンアメリカは最高出力150HPのレボリューション・マックス1250を搭載するパワフルなツーリングスポーツ。ライディングモードを「スポーツ」にすれば、5000、7000回転と、回転上昇に伴って吹けの勢いがどんどん増していく。強力だ。

ただしこの力量を脅威としてではなく、ツーリングモデルらしい良識の範疇で紳士的に吹け上がらせるところがすばらしい。そして、そんなパワーをフルバンクでも受け止めるしっかりとしたスタビリティまである。かなりアグレッシブな走りまでこなせる実力の持ち主なのだ。

今回の試乗は峠道をガンガン走ったワケではないので、どこまでやれるのかは不明だが、まるでスポーティなビッグネイキッドのような機動ができる。加えて、もともとアドベンチャーだということも忘れてはいけない。とにかく路面の荒れに強い。多少路面が悪くとも快適に走れて、スポーティな機動でも簡単には踏み抜けないのだ。

このパンアメリカ1250STは、大型オンオフアドベンチャーのネガな部分を見直し、実用的に、快適さや気楽さといったメリットのみを引き上げてまとめたモデル。もしこの17インチホイールにオフ系のタイヤが合えば、ちょっとしたダートにも分け入れるのでは……という妄想まで抱かせる、自由な扱いやすさが光る一台だ。

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