文:オートバイ編集部・黒田
パニガーレV4Sの電子サスペンション、その研ぎ澄まされた走りに無我夢中

狙ったラインを外さないパニガーレ!
パニガーレの懐の広さと電子サスに助けられた
ツナギに着替えてから待機場に向かうと、そこには真っ赤なパニガーレV4Sが、「Moto TRAINER」と記載された不思議な台の上に固定されていて、これを使って走行前に正しいライディングフォームを徹底的に教え込まれた。しかもこのマシンはヒジが床にあたるほどバンクさせることもできるので「ヒジ擦りライディングフォーム」も教えてくれるのだ。自分がヒジを擦りながら華麗にコーナリングする姿…あ〜妄想が止まらない。
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講師の原田哲也氏から詳細な指導を受けられる

講師はレジェンドライダーの原田哲也氏が担当してくれた。とにかく教え方が上手。ライディングフォームの修正からラインどりのアドバイスまで、事細かに教えてくれる。
待合室にはライディングフォーム矯正機!? が置かれ、フルバンク時の身体の位置やマシンホールドの仕方などを徹底的に教え込まれる。ヒジが床に当たるほどバンクできるので、人生初のヒジ擦りフォームも体験できた。

写真がライディングフォーム矯正機。原田氏が細かく体の使い方を教えてくれる。

このまま肘すり……ってものすごくキツい!!
いざ出発の時が来た、パニガーレに跨りエンジンを始動する。1103cc V型4気筒エンジンの最高出力は216PS。8年ぶりにサーキットを走るおじさんライダーに扱えるのか? さっきまでヒジ擦り走行を妄想していた余裕はパニガーレの怒涛の加速で全て吹き飛び、頭の中は真っ白…になると思いきや、そこは先導の原田さんがしっかりと速度を調整してくれたのでひと安心。
周回を重ねることに徐々に速度が上がり、216PSに翻弄されると思っていたが、1周4554mの広々とした高速サーキットの影響なのか、不思議と恐怖心は湧いてこなかった。スーパースポーツあるあるのコーナー手前でしっかりとフロントフォークを沈めてから進入しないと旋回しないのでは? という不安も電子サスが全て吹き飛ばしてくれた。

パニガーレV4Sに搭載されるオーリンズ製の電子制御セミアクティブサスは路面状況、加速、減速、バンク角などをセンシングして、ショックアブソーバの減衰力を自動的に最適化するので、タイヤから路面状況が明確にハンドルに伝わってくるので安心してバンクさせることができた。
正直、これまで電子サスなんて宝の持ち腐れと思っていたが、大間違いだった! ビギナーやサーキットリターンのライダーにこそ、電子サスペンション搭載車を選択して欲しい。きっと自分が上手くなったと錯覚してしまうくらい、安定してコーナリングできるようになるから不思議だ。走行枠は、午前中に3本、午後はインストラクターを前後に挟んでの動画撮影が2本と大満足のアカデミーだった。
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動画で自分の走りを前後から確認できる!

走行枠は午前3本、午後の2本は自分の前後にカメラを装着したインストラクターのマシンが並走し、自分の走りを動画撮影してくれる嬉しいサービスも。
コーナー手前のブレーキングから立ち上がりまでの動作やラインどりなどが一目瞭然だ。自分がどのように走っているなんてなかなか見ることはできないからね。

走行終了後はサーキット脇のテラスで盛大なパーティが開催され、原田さんの直筆サイン入りDRE 卒業証書が参加者に手渡された。
来年開催されるDREの詳細はまだ決定していないが、もし予定が合えば絶対に参加することをお勧めする。
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教習終了後はサーキット脇のテラスでパーティ

全ての講習が終了するとコース脇にあるテラスでパーティーが開催され、台湾と韓国から参加した日本語ペラペラの参加者と交流を深めることができた。
とくに中国と台湾からは30代前後の若者が大勢参加していたことには驚いたし、日本ブランドの皮ツナギがアジアで大人気なのもはじめて知った。女性の参加者や女性インストラクターもいたよ。

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原田哲也氏のサイン入り卒業証書

パーティの最後には参加者一人一人に担当講師から卒業証書が授与される。原田さんから授与された卒業証書には原田さん直筆のサイン入りと嬉しい心遣いも。
レッスンも楽しかったが、原田さんと世間話をしながら浴びるほどビールを飲んだ時間が一番楽しかったかも。もちろんビールも無料でした。

文:オートバイ編集部・黒田