CB750ホーネットが搭載するスリムな並列2気筒エンジンは、街中での扱いやすさはもちろんのこと、高回転域では想像以上のパワーを発揮する魅惑的なパワーユニットに仕上がっている。さらにコンパクトなボディが魅せる爽快な走りは750ならではの魅力だろう。
文:太田安治、竹川由華、オートバイ編集部/写真:南 孝幸、関野 温/協力:ホンダモーターサイクルジャパン

ホンダ「CB750ホーネット」インプレ(太田安治)

画像: Honda CB750 HORNET 2025年モデル 総排気量:754cc エンジン形式:水冷4ストSOHC4バルブ並列2気筒 シート高:795mm 車両重量:192kg 発売日:2025年2月13日 税込価格:103万9500円

Honda
CB750 HORNET
2025年モデル

総排気量:754cc
エンジン形式:水冷4ストSOHC4バルブ並列2気筒
シート高:795mm
車両重量:192kg

発売日:2025年2月13日
税込価格:103万9500円

軽快なフットワークと痛快パワーの新世代ナナハン!

「ナナハン」という呼び方を定着させたドリームCB750FOURが1969年に登場し、圧倒的な動力性能で欧米メーカーを震撼させた。以降、国内では「排気量の上限は750cc以下」というメーカー自主規制が敷かれ、ナナハンは「大きくて高性能なオートバイ」としてライダー憧れの存在であり続けたが、1990年に自主規制が撤廃されると大型車は900cc以上が主流となる。

ナナハンは徐々にミドルクラスの範疇に移り、堂々とした車格やハイパワーよりも、コンパクトなサイズとパワー特性が重視されるようになった。

新登場のCB750ホーネットは、世界的に見ればミドルクラスのスタンダードなネイキッドモデルという立ち位置。求められるのは現実的な公道での扱いやすさだ。

画像1: ホンダ「CB750ホーネット」インプレ(太田安治)

低く構えたフロントマスクとボリューム感のあるタンク回りからはストリートファイター的な威圧感が漂うが、改めて見ると全体の構成はオーソドックス。ホーネットの名が冠されているのに2気筒エンジン? と思ったが、乗って納得。ホーネット(スズメバチ)の名に相応しい運動性能を備えていた。

とはいってもナナハンだ。大型二輪らしい重量感が走りに影響すると想像していたが、走り出すと拍子抜けするほど軽い。部品点数が少ないユニカムのシリンダーヘッド、4気筒より幅が狭くイナーシャも少ない2気筒レイアウト、重心位置、細めのリアタイヤなど、理由はいくつもあるだろうが、感覚的にはミドルクラスより400ccクラスに近い。この軽快なフットワークのおかげで、普通に市街地を走っていても不思議なほど退屈しない。

SFF-BPのフロントフォーク、プロリンク構造のリアサスはハイスペック仕様ではないのだが、フレーム剛性を含めた車体全体の良好なバランスも関係しているのだろう。ストローク初期の動き、奥での踏ん張りともに上質で、峠道の減速帯のようにギャップが連続する場所でもバネ下のドタドタ感がない。

画像2: ホンダ「CB750ホーネット」インプレ(太田安治)

エンジンはXL750トランザルプに搭載されているユニットが、ほぼそのまま使われている。カタログスペックは91馬力で、2008年型を最後に姿を消した旧CB750が積んでいた空冷DOHC4気筒エンジンの75馬力よりもはるかに強力。

最もパワフルに反応するのは7000~9000回転近辺で、ライディングモードを「スポーツ」に設定すればスロットルワークだけでフロントホイールを浮かせることも可能なパンチ力を持っている。

しかもこのエンジンはスロットル開度に対するレスポンスが素直で、公道で多用する3000~8000回転あたりの扱いやすさは言うことなし。ゼロ発進の力強さに加え、2000回転台でもスムーズさを失わない。

画像1: 【レビュー】ホンダ「CB750ホーネット」インプレ|すべてを思い通りにコントロールできる完成度
画像2: 【レビュー】ホンダ「CB750ホーネット」インプレ|すべてを思い通りにコントロールできる完成度

大型ビギナーでも安心して乗れることは疑いなしだが、ベテランライダーのダウンサイジングにも適している。僕自身、60代になってから重量車に乗ることを負担に感じることがあるが、いきなり小型車に換えるのはどこか物足りない。だが、CB750ホーネットの軽さと充分なパワー、そして「ナナハン」という排気量なら、納得して乗り換えられると思うのだ。

画像: 高速道路は120km/h区間でもエンジン回転の高さ、振動によるせわしなさはない。風を浴びて走れるのもネイキッドモデルの特権だ。

高速道路は120km/h区間でもエンジン回転の高さ、振動によるせわしなさはない。風を浴びて走れるのもネイキッドモデルの特権だ。

画像: かつてのホーネットは太いリアタイヤ装着で独特の乗り味を持っていたが、新型は400ccクラスにも使われている160/60サイズ。峠道での素直な旋回性、切り返しの軽さはこのタイヤサイズによるところも大きいはずだ。

かつてのホーネットは太いリアタイヤ装着で独特の乗り味を持っていたが、新型は400ccクラスにも使われている160/60サイズ。峠道での素直な旋回性、切り返しの軽さはこのタイヤサイズによるところも大きいはずだ。

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