この記事ではベテランテスター太田安治氏が選んだ2024年のイチオシモデル紹介します。いま個人的に興味があるのは『気負わず意のままに楽しめ、気軽に付き合える相棒』だそうです。
※スタッフの推薦は「ジャパン・バイク・オブ・ザ・イヤー」のランキングに影響はしません。また国産車だけでなく輸入車も含んでいます。
文:太田安治、オートバイ編集部/写真:南 孝幸
太田安治が選んだ2024年の推しバイク 第3位 ヤマハ「トレーサー9 GT+ ABS」
ACCの完成度の高さに驚嘆! 新時代の快適ツアラーはコレだ!

YAMAHA TRACER9 GT+ ABS
総排気量:888cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列3気筒
シート高:820/835mm
車両重量:223kg
税込価格:182万6000円
3気筒の力強さを味わい。どこまでも走って行ける
「オートバイライフはツーリングに始まりツーリングに終わる」という言説がある。僕の始まりは貧乏高校生で旅に出る余裕などなかったが、50歳を超えてツーリングが楽しくなった。まだ終わりは見えず、いつでもどこでも行けるところまで行こうと思っている。
そこでツアラーへの乗り換えを考えながら国内外の大型ツアラーにひととおり試乗してみて、現在最も気になっているのがACC(アダプティブクルーズコントロール)搭載のトレーサー9 GT+だ。
ACCはすでに何機種かの輸入車に採用されているが、トレーサーは日本国内の道路で徹底的に煮詰めたとあって介入に唐突さがなく、加減速がごく自然。さらに電子制御サスペンションも連動するし、ウインドプロテクション性能とシートのデキも素晴らしくいいので、クルージングは快適そのもの。
ただ快適なだけではなく、3気筒エンジン特有のモリモリとパワーが沸き上がるフィーリングと、タイトコーナーの続く峠道でスポーツモデルと互角に走れるハンドリングも魅力。このオートバイなら老体に鞭打たずとも1日1000km走行が可能だろう。
ヤマハ「トレーサー9 GT+ ABS」注目ポイント

ヘッドライト下にはボッシュ製のミリ波レーダーセンサーが設置される。リアセンサーはテールランプに巧みに隠されている。

メーターの表示は好みで選べる3種類。これはタコメーターの数字を内側に配置した、スッキリしたデザイン。

888ccの「CP3」ユニットはMT-09やXSRにも採用される強力なエンジン。パワーは120PSで、スポーツバイク顔負けの走りを演出。

KYB製の電子制御サスペンションはGTにも装備されているアイテムだが、GT+では制御をアップデートしてミリ波レーダーに対応。

KYB製の電子制御サスに追加されたKADS(KYBアクティブダンパーシステム)は、急減速の際減衰力を瞬時に強め、ノーズダイブ量を抑える。

ライダー側の座面左右にパッドを追加したシートは、クッションの弾力設定が絶妙で、ロングランでも尻が痛くならない優れもの。
ヤマハ「トレーサー9 GT+ ABS」主なスペック・価格
全長×全幅×全高 | 2175×885×1430mm |
ホイールベース | 1500mm |
最低地上高 | 135mm |
シート高 | 820-835mm |
車両重量 | 223kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブ並列3気筒 |
総排気量 | 888cc |
ボア×ストローク | 78.0×62.0mm |
圧縮比 | 11.5 |
最高出力 | 88kW(120PS)/10000rpm |
最大トルク | 93N・m(9.5kgf-m)/7000rpm |
燃料タンク容量 | 18L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 25゜ |
トレール量 | 108mm |
ブレーキ形式(前・後) | ダブルディスク・シングルディスク |
タイヤサイズ(前・後 ) | 120/70 ZR17M/C(58W)・180/55ZR17M/C(73W) |
燃料消費率 WMTCモード値 | 20.2km/L(クラス3・サブクラス3-2) 1名乗車時 |
メーカー希望小売価格 | 182万6000円(消費税10%込) |