月刊『オートバイ』&webオートバイの恒例企画「ジャパン・バイク・オブ・ザ・イヤー」を今年も開催します! 1977年から続く、読者のみなさまの投票で今年のナンバーワン・バイクを決めるバイクの総選挙です。
この記事ではベテランテスター太田安治氏が選んだ2024年のイチオシモデル紹介します。いま個人的に興味があるのは『気負わず意のままに楽しめ、気軽に付き合える相棒』だそうです。
※スタッフの推薦は「ジャパン・バイク・オブ・ザ・イヤー」のランキングに影響はしません。また国産車だけでなく輸入車も含んでいます。
文:太田安治、オートバイ編集部/写真:南 孝幸

太田安治が選んだ2024年の推しバイク 第1位 ホンダ「CL500」

パワー、サイズ、乗り味が“ちょうどいい”スクランブラー

画像: Honda CL500 総排気量:471cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒 シート高:790mm 車両重量:192kg 税込価格:86万3500円

Honda CL500 

総排気量:471cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
シート高:790mm
車両重量:192kg

税込価格:86万3500円

自然体で付き合える、まとまりのいいモデル

僕が初めてオートバイに乗って感動したのは、自分の身体能力を補完・拡張してくれる運動性能。それだけに高性能スポーツモデルに惹かれ続けてきたが、年齢なのか環境なのか、求めるものの優先順位が変わってきた。

走ることそのものよりも、季節や場所によって千変万化する温度、湿度、匂いといった「空気」を感じるだけで楽しいのだ。だから最近気になるのは、気軽にフワッと乗り出せて無心で走り続けられるオートバイ。CL500はまさにそうした一台だ。

フワッと乗り出せる、という点ではCL250も同じ。しかし発進加速や急勾配の峠道ではパワーによる余裕に歴然とした差があるし、単気筒エンジンの振動は長時間ライディングでジワジワと疲労を蓄積させる。以前のCL500インプレでも書いたが「まだ目にしたことのない景色を眺めながら、行ったことがない遠くまで」という使い方なら、2気筒500ccのエンジンが間違いなく有利。本音を言うと排気量を上げて70PSくらいになれば文句なしだが…。

動力性能はさておき、CLの魅力は扱いやすい車体にある。大きめのギャップ超えでも車体が弾かれにくい19インチのフロントタイヤとストローク量に余裕のある前後サスペンションで、ベースとなっているレブルとは段違いに乗り心地がいい。

着座位置の自由度が高いシート、自然な位置にあるステップとハンドルが生むライディングポジションも身長176cmの僕にちょうどいい。フラットなシート形状で乗り降りしやすいこと、バッグが積みやすいこと、充分なハンドル切れ角によるUターンのしやすさも大きな利点だ。

ホンダ車らしくバランスの取れたまとまりだが、車検があって大型二輪免許も必要だけに万人受けは難しく、ヒットモデルにはなりにくい。だが見栄を張らず、無理をせず、自然体でバイクと付き合いたいライダーほど、CL500の良さを実感するに違いない。


ホンダ「CL500」ライディングポジション・足つき性

シート高:790mm
ライダーの身長・体重:176cm・62kg

画像1: 太田安治が選んだ2024年の推しバイク 第1位 ホンダ「CL500」

幅広ハンドル、ロードスポーツ的なステップ位置、着座位置自由度の高いシートで街乗りから長距離ツーリングまで走行シーンを問わずに快適。足つきに余裕があれば純正アクセサリーのフラットシートに換装するといい。

画像2: 太田安治が選んだ2024年の推しバイク 第1位 ホンダ「CL500」

ホンダ「CL500」注目ポイント

画像: レブル500譲りの471cc DOHCツインは46PSを発揮、ゆとりある走りに貢献している。セッティング関係は基本的にレブルと同じ。

レブル500譲りの471cc DOHCツインは46PSを発揮、ゆとりある走りに貢献している。セッティング関係は基本的にレブルと同じ。

画像: 2本出し風のエンドピースを持つアップマフラーを採用。オーバル形状のサイレンサーも250のものとほぼ同じものとなっている。

2本出し風のエンドピースを持つアップマフラーを採用。オーバル形状のサイレンサーも250のものとほぼ同じものとなっている。

画像: フロントタイヤは19インチを採用。撮影車のタイヤはブロック風パターンを持つダンロップのトレイルマックスが装着されている。

フロントタイヤは19インチを採用。撮影車のタイヤはブロック風パターンを持つダンロップのトレイルマックスが装着されている。

画像: リアサスペンションはオーソドックスな2本ショックで、プリロード調整が可能となっている。リアタイヤは150サイズ。

リアサスペンションはオーソドックスな2本ショックで、プリロード調整が可能となっている。リアタイヤは150サイズ。

画像: スクランブラーらしい、幅広のハンドルは力を入れやすく操作しやすい。ハンドル切れ角も大きいので、取り回しもしやすくなっている。

スクランブラーらしい、幅広のハンドルは力を入れやすく操作しやすい。ハンドル切れ角も大きいので、取り回しもしやすくなっている。

画像: 反転表示の液晶を採用した丸型メーターはCL250と同タイプのもの。ギアポジション表示も備わる、視認性に優れたレイアウトだ。

反転表示の液晶を採用した丸型メーターはCL250と同タイプのもの。ギアポジション表示も備わる、視認性に優れたレイアウトだ。

画像: レブルより丸みを帯びたデザインのタンクを採用。500は熱対策でタンク下のフレーム部に細長いヒートガードが装着される。

レブルより丸みを帯びたデザインのタンクを採用。500は熱対策でタンク下のフレーム部に細長いヒートガードが装着される。

画像: スクランブラーながら790mmというシート高を実現して足つきにも配慮。タンデム部はフラットな座面にして積載性も考慮している。

スクランブラーながら790mmというシート高を実現して足つきにも配慮。タンデム部はフラットな座面にして積載性も考慮している。

ホンダCL500 主なスペック・価格

全長×全幅×全高2175×830×1135mm
ホイールベース1485mm
最低地上高155mm
シート高790mm
車両重量192kg
エンジン形式水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
総排気量471cc
ボア×ストローク67.0×66.8mm
圧縮比10.7
最高出力34kW(46PS)/8500rpm
最大トルク43N・m(4.4kgf・m)/6250rpm
燃料タンク容量12L
変速機形式6速リターン
キャスター角27゜00′
トレール量108mm
タイヤサイズ(前・後)110/80R19M/C 59H・150/70R17M/C 69H
ブレーキ形式(前・後)シングルディスク・シングルディスク
乗車定員2人
燃料消費率 WMTCモード値27.9km/L(クラス3-2)1人乗車時
製造国日本
メーカー希望小売価格86万3500円(消費税10%込)

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