この記事ではベテランテスター宮崎敬一郎氏のお気に入りモデルを紹介します。
※スタッフの推薦は「ジャパン・バイク・オブ・ザ・イヤー」のランキングに影響はしません。また国産車だけでなく輸入車も含んでいます。
文:宮崎敬一郎、オートバイ編集部/写真:南 孝幸
宮崎敬一郎が選んだ2024年の推しバイク 第3位 スズキ「Vストローム800DE」

SUZUKI V-STROM800DE
総排気量:775cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
シート高:855mm
車両重量:230kg
税込価格:132万円
アドベンチャーとしての仕上がりが素晴らしい!
3台目に選んだのはVストローム800DE。スタンダードスポーツのGSX-8Sとエンジン、フレームといったプラットフォームを共有するが、アドベンチャーモデルとしての仕上がりがすばらしい上に面白い。
本格的なオフ系アドベンャーとしては破格のプライスでありながら、悪路での走破性に関わるパートにはしっかりと念入りな作り込みがされている。強力なアンダーガードも装備されているし、上質な動きをする前後サスは長いトラベルも獲得している。
その足まわりが生み出す乗り心地の良さや劣悪路での踏破力は60万円ほど高価な、ひとグレード上のグループに勝るとも劣らないと思っている。
しかも、万能旅アイテムとしての使いやすさだけでなく、ダートで乗り手を楽しませてくれるような味付けもあるのだ。このバイクの電子制御ライディングアシストは高級アドベンチャーたちに比べればシンプル。にもかかわらず、わざと程よくスライドさせるようなグラベルモードが用意されていたりする。
アドベンチャーらしいツーリング適性、オフロードでの高い適応力。見ても走っても、上質さを楽しめるのも嬉しい、お買い得なアドベンチャーだ。
スズキ「Vストローム800DE」注目ポイント

270度クランクを備える新開発の水冷並列ツインユニットは、スズキクロスバランサーの採用で振動も小さく抑えられている。

倒立フォークは220mmという余裕のあるストローク量。スポークホイールは21インチ径で、オフロード走行も視野に入れたもの。

リアサスペンションもフロントフォークと同じくストローク量220mmを確保。リアホイールは17インチ径を採用している。

クチバシ状のノーズが目立つフロントマスク。ヘッドライトはモノフォーカスLEDの縦2眼、スクリーンは高さを3段階に調整可能だ。

5インチのカラーTFTメーター。トラクションコントロールには、ダートを走行するときに便利な「G」モードが備わっている。

タンデム一体のロングシートは、クッションの密度を吟味した造りで快適さも抜群。大型リアキャリアはグラブバーも兼ねた構造。
スズキ「Vストローム800DE」主なスペック・価格
全長×全幅×全高 | 2345×975×1310mm |
ホイールベース | 1570mm |
最低地上高 | 220mm |
シート高 | 855mm |
車両重量 | 230kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒 |
総排気量 | 775cc |
ボア×ストローク | 84.0×70.0mm |
圧縮比 | 12.8 |
最高出力 | 60kW(82PS)/8500rpm |
最大トルク | 76N・m(7.7kgf・m)/6800rpm |
燃料タンク容量 | 20L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 28゜ |
トレール量 | 114mm |
タイヤサイズ(前・後) | 90/90-21M/C 54H・150/70R17M/C 69H |
ブレーキ形式(前・後) | ダブルディスク・シングルディスク |
乗車定員 | 2人 |
燃料消費率(WMTCモード値) | 22.6km/L(クラス3、サブクラス3-2)1名乗車時 |
製造国 | 日本 |
メーカー希望小売価格 | 132万円(消費税10%込) |