月刊『オートバイ』&webオートバイの恒例企画「ジャパン・バイク・オブ・ザ・イヤー」を今年も開催します! 1977年から続く、読者のみなさまの投票で今年のナンバーワン・バイクを決めるバイクの総選挙です。
この記事ではベテランテスター宮崎敬一郎氏のお気に入りモデルを紹介します。
※スタッフの推薦は「ジャパン・バイク・オブ・ザ・イヤー」のランキングに影響はしません。また国産車だけでなく輸入車も含んでいます。
文:宮崎敬一郎、オートバイ編集部/写真:南 孝幸

宮崎敬一郎が選んだ2024年の推しバイク 第1位 BMW「R1300GS」

画像: BMW R 1300 GS 総排気量:1300cc エンジン形式:空水冷4ストDOHC4バルブ水平対向2気筒 シート高:850mm(GSスポーツは870mm、ツーリングは820-850mm) 車両重量:250kg 税込価格:287万4000円~

BMW R 1300 GS 

総排気量:1300cc
エンジン形式:空水冷4ストDOHC4バルブ水平対向2気筒
シート高:850mm(GSスポーツは870mm、ツーリングは820-850mm)
車両重量:250kg

税込価格:287万4000円~

トップモデルを改革した大英断に拍手を送りたい

世界の大ヒットモデルでアドベンチャーモデルのキングでもある、BMWのGSの最新モデルとなるのがR1300GS。新たに装備されたACCや自動車高調整機構なども話題になっているアイテムだが、それよりも、エンジン、フレームの全面的な刷新に注目したい。同じテレレバーであっても構造を全面変更するなど、貪欲にあらゆるものを新開発して、軽量化、ハイパワー化、それによる機動性の向上を実現している。

だが、個人的にはこれまでと同様のGSを違う構造で実現しただけのような気がしていて、バイク自体のキャラクターは全く変わっていないと思う。違うのは余力として蓄えられたポテンシャルが高いことだろう。

このR1300GSも従来と同じく、突き抜けたスペックや走破性などは持ち合わせていない。ただ、高いレベルであらゆる場所での扱いやすさや走破性が優秀なのだ。これがいい。その集合体として、このR1300GSは「万能冒険アイテム」として比類無き使い勝手の良さ、信頼性を獲得している。

どんな路面でも躊躇なく分け入るため、オンでもオフでもつぶしが効くよう、フロントは19インチのまま。これも尖った味付けを嫌った清々しいパートのひとつだ。目先の派手なオフ性能には引っ張られることなく、万能性を選んでいる。このランキングに入れようかどうか悩んだアフリカツインの新型アドベンチャースポーツや、タイガー900GTプロも、このGSと同様に19インチを選択して頼れる万能走破性を実現したモデルだ。

とは言っても、もちろん登場したばかりのニューモデルだ。確かに優れたバイクだとは思うが、もう少し…と思えるところもたくさんある。個人的には少し安っぽく見えるようになったのは寂しいが、先代のR1250GSと乗り比べれば元気で扱いやすさが輝いている。これほど長きにわたって欧州でトップセールスを続ける人気モデルに手を入れたのだ。まずはその決断に拍手を送りたい。


ライディングポジション・足つき性

シート高:850mm(GSスポーツは870mm)
ライダーの身長・体重:176cm・68kg

画像1: 宮崎敬一郎が選んだ2024年の推しバイク 第1位 BMW「R1300GS」

車体は非常にスリムで、足つきの良さはこのクラスの中でトップレベル。バランスの取れたライポジでリラックスもできる。ハンドル高はカラーで上下調整が可能だが、ノーマルのままでもかなりバランスがいい。

画像2: 宮崎敬一郎が選んだ2024年の推しバイク 第1位 BMW「R1300GS」

BMW「R1300GS」注目ポイント

画像: 「ツーリング」グレードは前後にレーダーセンサーを装備し、ACCや前方衝突警告機構、停車時に車高が30mm下がる自動車高調整機構を備える。

「ツーリング」グレードは前後にレーダーセンサーを装備し、ACCや前方衝突警告機構、停車時に車高が30mm下がる自動車高調整機構を備える。

画像: エンジンは、ミッションを下部にレイアウトする「2階建て」構造で前後長を20mm短縮、内部構造を見直し左右対称化も図っている。パワーは145PS。

エンジンは、ミッションを下部にレイアウトする「2階建て」構造で前後長を20mm短縮、内部構造を見直し左右対称化も図っている。パワーは145PS。

画像: エンジンを強度部材としているためフレーム構造もシンプルなもの。今回からシートレールをアルミダイキャストとして大幅な軽量化を図った。

エンジンを強度部材としているためフレーム構造もシンプルなもの。今回からシートレールをアルミダイキャストとして大幅な軽量化を図った。

画像: フロントフォークは190mmのホイールトラベルを確保。「ツーリング」では30km/h以下になると車高を自動で30mm下げる機能つき。

フロントフォークは190mmのホイールトラベルを確保。「ツーリング」では30km/h以下になると車高を自動で30mm下げる機能つき。

画像: X字型のデイタイムランニングライトがインパクトを与えるヘッドライト。「ツーリング」グレードのスクリーンは電動式。

X字型のデイタイムランニングライトがインパクトを与えるヘッドライト。「ツーリング」グレードのスクリーンは電動式。

画像: 7インチの大型カラーTFTモニターを採用。ライディングモードはレイン、ストリート、スポーツ、エンデューロ、エンデューロPROの5種類。

7インチの大型カラーTFTモニターを採用。ライディングモードはレイン、ストリート、スポーツ、エンデューロ、エンデューロPROの5種類。

画像: シートは前後ともにヒーターを標準装備する。タンデムシートは着脱・工具不要で前後にスライドさせることが可能。

シートは前後ともにヒーターを標準装備する。タンデムシートは着脱・工具不要で前後にスライドさせることが可能。

BMW R1300GS 主なスペック

全長×全幅×全高2210×1000×1405(STD、スクリーンロー)mm
ホイールベース1520mm
最低地上高NA
シート高850mm(GSスポーツは870mm、ツーリングは820-850mm)
車両重量250kg
エンジン形式空水冷4ストDOHC4バルブ水平対向2気筒
総排気量1300cc
ボア×ストローク106.5×73mm
圧縮比13.3
最高出力107kW(145PS)/7750rpm
最大トルク149N・m(15.2kgf-m)/6500rpm
燃料タンク容量約19L
変速機形式6速リターン
ステアリングヘッド角63.8°
トレール量112mm
ブレーキ形式(前・後)Φ310mmダブルディスク・Φ285mmシングルディスク
タイヤサイズ(前・後)120/70R19・170/60R17
メーカー希望小売価格287万4000円~(消費税10%込)

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