“スタートエディション”を起点に好みのカスタムを行う
コンプリートカスタムRCM(Radical Construction Manufacture)を送り出すACサンクチュアリー。GPZ900R=ニンジャにもエンジンをフルオーバーホールプラスアルファし、車体も17インチ最適化等行ったRCMニンジャ・スポーツパッケージNew Type-Rスタートエディションを用意する。
進化型Ninjaとでも言うべき作りはその通りに多くのファンに受け入れられ、今手に入るNinjaとしての注目も受けている。この車両はそのNew Type-Rからキャブレター(New Type-RではTMRが標準の仕様)をTMR-MJNのデュアルスタックファンネル仕様にするなどのカスタム化を進めた、RCM-580。今のRCMニンジャの見本的1台でもある。
この車両でも元になるNew Type-Rは、ベースとなる車両を一定のレベルに仕上げる。メーカーほどの数ではないが、複数を扱うのだから、その1台1台の質や数値の差を少なくする。つまり定量化が高いレベルで行われうということだ。ならば、ユーザーがそのレベルを基準と考えるのは自然。ただ、市場にある中古車両からこのレベル=スタートエディションを作る環境の整備が当面の課題となってきた。
![画像1: “スタートエディション”を起点に好みのカスタムを行う](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/05/27/718ecff92db4ea51209b7c9f5d910b70ce66fb52.jpg)
「元になる車両の状態が悪くなるばかりで、カムやロッカーアームなど、まずだめになりやすいパーツは最初から交換することをメニューに入れるなど、手を入れてレベルを揃える時間も手間も増えています。車体や足まわりは今もやっているような修正・補強やアップグレードという手段を使って走らせることは出来ますけど、エンジンパーツはないと終わる。ニンジャエンジンでは、RCMを作る際には常に私たちの内燃機加工部門であるDiNx(ディンクス)社で水圧検査を行ってから作業に入るのですが、最近はリーク(水漏れ)する個体が増えました。ウエットライナーのスリーブ本体とシリンダーの間に入って、冷却水をシールするOリング。2種類使われるうちの片方がメーカー欠品になりました。こうした部分は何とかしないといけないと考えています」とサンクチュアリー・中村さん。
このRCM-580でも同様の工程、またクランク曲がり修正にダイナミックバランス、ジャーナルラッピング等の作業を行って新車以上の仕上がりを作り込んでいるから当面は問題なし。ただ、この先をどう考えるかだ。
![画像2: “スタートエディション”を起点に好みのカスタムを行う](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/05/27/95aa5a6d8dd8b3bfcf7909da418798599e46c02c.jpg)
「New Type-Rは私たちもひとつのニンジャ完成形と捉えていますから、今後もこの形や内容を健全に維持して提供していきたい。作業等の手間自体は劣化補完でやむなしの部分ですが、パーツについては何もかもないという状況に進みつつありますから、微力ながら、RCM製作に関わるパーツで何とかできるものは補完できればという方に気持ちは向いているんです。メーカーさんのようにすぐ作れるとはいかないでしょうけど、出来ることはしたい」
これまでもこうした難関が現れたが、その都度乗り越えて現在のようなベース車構築&提供、そこからのカスタム化という手法を確立してきたRCM/ACサンクチュアリー。このRCM-580車両は、もう1度述べるが、ここまで説明してきたような内容の見本でもある。改めて現代版ニンジャの参考とするとともに、今後無理なく長く楽しめるような車両=RCMニンジャを安心して作れる環境の維持にも注目したくなる。
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Detailed Description 詳細説明
![画像1: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/05/27/dadd59efdc076a62359bcf2e8302cdd41e63c382.jpg)
左右マスターシリンダーはブレンボRCS(New Type-R標準はニッシン横置き)とし、ミラーはマジカルレーシング・レーサーレプリカミラーのタイプ2ヘッドをマウントする。目を惹くA6タイプのGPZロゴ配置等はオーナーの指定だ。
![画像2: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/05/27/570d1bef3da30a63ce4503ed0c58fbb98b334c14.jpg)
スカルプチャーステムキットTYPE-1(オフセットは純正の40から→37mmに)でハンドルはデイトナ“RCM”コンセプトローハンドルバーを装着。メーターは純正をリフレッシュしヨシムラ・プログレスメーターを追加した。
![画像3: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/05/27/4fdeae1104b975c123597bd08e0a7afcf6932931.jpg)
外観はA6純正カラーを元に奥進がリペイント。ロゴ色やKawasakiロゴエンブレムのアレンジを施すなど凝ったものとなっている。
![画像4: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/05/27/f5a4e2d70717165c0499b151417783827f4f807a.jpg)
シートは座り心地や疲労低減性にも配慮したデイトナRCMコンセプト・COZYシートを装着。
![画像5: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/05/27/e3c2828263eff6f98b6bf6f877af17d5c50ea9d4.jpg)
エンジンはφ74.5mm鍛造ピストンによる958cc仕様でクランクは曲がり修正とダイナミックバランス、ジャーナルラッピングを行う。ヘッドまわりはオーバーサイズバルブガイド入れ替え/シートカット加工おほぼフルメニュー。これら作業はいずれもDiNxによる。外観はガンコート仕上げされる。フレームは17インチ&リヤワイドタイヤに合わせて変更、ナイトロレーシング・コンビネーションKITIIIを追加。スイングアームピボット部のステップを固定するメインナットにはメナカイト・チタンナットを使ってある。
![画像6: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/05/27/fd45df70df2e9b285adab5b2cdd4a62b86f983a5.jpg)
キャブレターはTMR-MJNφ38mmのDSF=ヨシムラ・デュアルスタックファンネル仕様。2段のファンネルはボディカラーに合わせたゴールドとブラックをチョイスした。
![画像7: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/05/27/987ee66677fce34bad05bacddfb84abae9eefc57.jpg)
フロントフォークはノーブレストE×MパッケージによってオーリンズRWUを装着、フロントブレーキはラジアルマウント/ブリッジレイアウトのブレンボ484キャリパー+サンスターRCMコンセプトφ320ディスクという組み合わせ。
![画像8: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/05/27/409f9dddec10ad7ad9ed953ee8e769d2ab41b64b.jpg)
リヤはオーリンズ17インチ適合ショックのKA203をスカルプチャーR.C.M専用ワイドスイングアームに組み合わせる。ドライブチェーンはナローボディの江沼チヱン製EK530RCMでBK;GP(ブラック&ゴールド)を使う。
![画像9: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/05/27/169d60fab619b3920c755d03bc4b42a77e1e6ace.jpg)
リヤブレーキはブレンボ2Pキャリパー+サンスターφ250ホール&スリットディスク。前後ホイールはO・Zレーシングのアルミ鍛造、GASS RS-Aで3.50-17/5.50-17サイズ。排気系はナイトロレーシング・チタンエキゾースト ヒートポリッシュ+同グレネードチタン V-IIサイレンサー ヒートポリッシュだ。