まとめ:オートバイ編集部/写真:松川 忍、ホンダ

Honda CB650R E-Clutch
2024年モデル
総排気量:648cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:810mm
車両重量:207kg
発売日:2024年6月13日(木)
税込価格:108万9000円

Honda CBR650R E-Clutch
2024年モデル
総排気量:648cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:810mm
車両重量:211kg
発売日:2024年6月13日(木)
税込価格:115万5000円/118万8000円
ホンダ「CB650R/CBR650R Eクラッチ」開発者インタビュー

吉田昌弘 氏(LPL代行)
本田技研工業株式会社 二輪・パワープロダクツ事業本部 二輪・パワープロダクツ開発生産統括部 完成車開発部 完成車研究課 アシスタント チーフエンジニア
誰が乗っても「欲しい!」と言わせる完成度の高さ!
「Eクラッチは非常によくできたシステムです。誰が乗っても〝コレが欲しい!〟と言っていただけると思います」
そう言って胸を張るのはCB650R/CBR650RのLPL(ラージプロジェクトリーダー)代行を務める吉田さん。
いま話題のEクラッチシステムのドコがそんなにいいのか、率直に聞いてみた。

「マニュアル車がいいな、と言っていても、ATのイージーさについ惹かれてしまうことって多いと思います。このEクラッチなら、マニュアルとAT、両方の『いいとこ取り』ですから、悩む必要がないんです。私も実際に試してみましたが、AT感覚で発進から停止まで走れて、途中でクラッチレバーを握れば、瞬時にマニュアル車に切り換わる。開発中、ちょっとイジワルな使い方もしてみましたが、制御が非常にうまくできていて、違和感を感じないんです。スロットルバイワイヤーを持たない両機種ですが、巧みなクラッチのつなぎ方でダウンシフトにも対応していますし、クイックシフターよりはるかに良くできていると思います」
すっかりEクラッチに惚れ込んだ様子の吉田さん。その魅力をさらに語ってくれた。
「個人的には、このシステムの一番いいところはクラッチレバーを残したことだ、と思っています。スポーツモデルであればやっぱりマニュアルで存分に操る喜びを満喫したいですし、一方で多くのライダーの方がATの気楽さも十分理解していると思うんです。その両方のメリットを1台でまかなえるわけですから、一度乗ってしまえば、もうコレ(Eクラッチ)なしではバイクに乗れなくなってしまうのではないかと思います」

ちなみに、先日発表になったEクラッチとマニュアル車の価格差はわずか5万5000円。このインタビュー時点では価格は公表されていなかったが、吉田さんは価格についてもこう語ってくれていた。
「これでは技術の安売りではないか、とお叱りを受けてしまいそうですが、ひとりでも多くの方にぜひEクラッチの良さを体感していただきたい、という想いで価格に関しては限界まで頑張りました」
スタイリングも洗練され、カラーTFTメーターなど機能も充実した新型CB650RとCBR650R。CBオーナーでもある吉田さんは個人的に増車を検討中のようだ。
「CBとCBRでは走りのキャラクターを少し変えていまして、CBは街中で俊敏な加速を楽しめる設定に、CBRはツーリングも快適にこなすオールラウンダーとしての味付けを施しています。個人的にはCBの元気の良さが気に入って購入、今回はEクラッチ付きのCBRを増車しようともくろんでいたのですが、開発に携わるうちに、どうしてもCBが欲しくなってしまって…。愛着があるので乗り換えは全く考えていません。同じバイクを2台も買うってどうなんだ、と周りから言われるのですが…やっぱり変ですか?(笑)」

Eクラッチは専用のコンピュータと2個の小型モーターを使ってクラッチレリーズの動きを制御する仕組み。基本的にはマニュアル車であれば装着が可能。

5インチカラーTFTメーターを採用。EクラッチのON/OFFやシフトタッチの選択までメーター上で設定することが可能だ。

メニュー選択などが増えたのに対応し、CB、CBRともに、左スイッチボックスには十字キーを備えた新作のパーツを採用している。
まとめ:オートバイ編集部/写真:松川 忍、ホンダ