必要な検査をメニュー化した「車検バイクドック」
「車検バイクドック」というメニューをゼファー1100/750やカワサキ水冷車を軸に用意するバグースモーターサイクル。車両登録後2年に1度(新車は登録から3年後に初回、以後2年ごと)受ける必要のある車検のタイミングで、人間ドック的な検査メニューを施すものだ。
「元々は車検で入庫してくる車両に“ここも交換/整備した方がいい”という箇所やパーツが見られる。それをオーナーさんに“次でいいです”と言われることが多かったんですね。そこを作業しておけばいい状態になるのになあ……という気持ちになったんです。それでそんな箇所、多く見られがちなところややった方がいいところのメニューをセットにして、そのセットに入れた作業は削らない、必ずやると。それで10年くらい前から行っています」
バグース・土屋さんは言う。車検では継続検査や保険の延長といったことが行われるのは周知されているとしても、それ以外の実作業はある意味、お店次第。ちょっと突っ込んでお客さんに聞いていくと、「車検で入庫させたけれど、内容は車検場に持っていくのと書類の手続きだけだった」というケースもあるという。
![画像1: 必要な検査をメニュー化した「車検バイクドック」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/03/11/a73341beef961655e92179e72055037474d3cdf6.jpg)
「考え方はお店側でいろいろあるんでしょうけど、せっかくのいい整備タイミングを、お店もお客さんも逃がしていることになるんです。また、バイクのことをよく知らないお客さんにももっと安心して乗れるようになってほしい。車検で車両も預けてもらうわけですから、ただ預かるだけでなく、預かっている間にできる作業をやれば、こちらも無駄がない。
始めてからは問い合わせも多いですし、人気があります。お客さんにも車検の時に整備をしたいという考えの方は多いんですが、何をすればいいかは具体的にはまとまっていないので、これ(車検バイクドック)を受けようと考えるんだと思います。その背中を押してあげる感じになっています」
これなら走行距離や時間よりも、作業を受けるタイミングが分かりやすい。しかも内容はメニュー化されているし、作業途中で見つかるほかのネガもその都度報告されるというから、対策やスープアップメニュー施行にもつなげていけるメリットもある。
少し長くなったが、このゼファー750も「車検バイクドック」のメニューをベースメニューとして施している。その上で必要なパーツを交換、エンジンはオーバーホールしてカスタムメニューを加えた、バグースのコンプリートカスタムとして製作された車両だ。オーナーが購入してから車両のことをより気に入って、メーターの変更など、自分の好みをより深めた追加カスタムを行うべく再入庫したところで撮影させていただいた。
![画像2: 必要な検査をメニュー化した「車検バイクドック」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/03/11/a42b193aafd727b6778091764975e37d1ebe1ebd.jpg)
各部にはバグースのオリジナルパーツも効果的に使われつつ、スマートさも増している。また、使用中の車両なのに、組み立て調整直後以上と思えるほど、驚くくらいに押し引きが軽い。土屋さんは「組み付けの順番やドライブチェーンの520サイズ化なども効いていると思います」とも教えてくれるが、この軽さは特筆。ここはまさにリフレッシュの効果ありといった部分だ。
軽量化や操作性向上を狙ったパーツの選定・組み込みからでも、車検バイクドックからでも。リフレッシュ/カスタムの効果がこういう具合に効いてくるなら、そのきっかけとなる車検バイクドックは受けてみたくなる。この車両のスマートさや軽さは、そんなメニューにも裏付けられているわけだ。
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Detailed Description 詳細説明
![画像1: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/03/11/a0c5f37b3f8db0499b9536a0ba70c1eacb4c8511.jpg)
Bagus! オフセットステムキット ゼファー750用(φ43仕様)によりオーリンズRWUフォークをセット。フロントマスターシリンダーはNISSINラジアル、スロットルキットとハンドルバーはアクティブ製。
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表皮を東レ・ウルトラスエードとし、フロント側の内部に衝撃吸収材T-NETを使ったシートはBagus! アルカンターラシートだ。
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738ccの空冷直4エンジンは純正排気量のままオーバーホールを施し、クラッチワイヤがまっすぐ引けるBagus! アルミ削り出しクラッチアーム5mmロング、また11インチ16段のBagus! オイルクーラーキット ゼファー750用 ALLブラックをセット。エンジンスライダーはモリワキ製を使う。
![画像4: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/03/11/9df78081ca48deb38d8f97fd91e069d5ce61028e.jpg)
キャブレターはFCRφ35mmで、DNA製オーバルテーパード(ラバートップ)エアフィルターを組み合わせて装着。
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Bagus! フロントスプロケットカバーセット ゼファー750用はシフトサポートも備え、シフトタッチを向上する。上面のカバー(Bagus! ロゴ入り)は撮影時点で試作品を装着している。
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長い円筒形チタンサイレンサーを持ったマフラーはBagus! チタンフルエキゾースト ゼファー750用のセミアップタイプだ。
![画像7: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/03/11/b9a486e4d2fb47225f126fb2eba1b270cd672472.jpg)
フロントブレーキはブレンボ・アキシャル4Pキャリパーに有効幅を合わせた人気製品のBagus! オリジナルワークスエキスパンドフロントディスクローターφ320を組み合わせる。
![画像8: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/03/11/a0f32678e6f3d6607ea33ea5714e55937cc8777e.jpg)
リヤブレーキはブレンボ2Pキャリパーにサンスター・ワークスエキスパンドディスクの組み合わせ。ステップにはストライカー・スペシャルステップキットをチョイス。
![画像9: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/03/11/3ee9118727ce4c7c8c5357b88ddfb3796fb36604.jpg)
Bagus! プレスフォーミングスイングアーム ZEP750はオーリンズKA134ショック(レジェンド・ツイン)に組み合わせる。ホイールはゲイルスピードTypeCで3.50-17/5.50-17サイズを履く。ドライブチェーンはThreeDの520Z(BK;GP)で、ここでも軽さを狙う。