文:宮崎敬一郎、オートバイ編集部/写真:赤松 孝
スズキ「GSX-8R」ライディングポジション・足つき性
シート高:810mm
ライダーの身長・体重:176cm・68kg

ネイキッドのGSX-8Sよりもグリップ位置が低く感じる
8Sよりハンドル位置が低く、元がコンパクトなライポジなので、手をいつもより少し下におろすだけ。無理はない。スリムで足つきは良好。スクリーンは小ぶりで、走行風からミゾオチより下を守る程度。

スズキ「GSX-8R」各部装備・ディテール解説

新時代のスズキスポーツバイクのスタイリングを目指したデザイン。アグレッシブなマスフォワードのスタイリングとすることで、新しいシリーズの存在感を表現している。

フルカウルを装備してはいるが、車体サイズ的にはベースのGSX-8Sに近く、車重もわずか3kg増。テールランプユニットはSV650に使用されているものと同タイプ。

270度クランクを採用する775ccのDOHCパラツイン。パワースペックの数字よりも実用域でのトルク感を重視しているユニットだが、それでも80PSと十分強力だ。
270度クランクにより発生する一次振動と偶力振動を抑えるため、2つのバランサーをクランクシャフトに対し90度に配置する「スズキクロスバランサー」を採用。

クラッチ操作を軽くすると同時に、急激なシフトダウン時などに後輪のホッピングを低減してくれるスリッパー機構を備えた「スズキクラッチアシストシステム」を搭載。

うれしい装備のひとつがこのクイックシフター。シフトアップ/ダウン双方向に対応しており、ライディングをラクに、楽しくしてくれるアイテムだ。

エキゾーストシステムは2into1方式で、コレクター内に2段式の触媒コンバーターを装備。パラレルツインエンジンにふさわしい、心地いいサウンドも実現している。

前後長が短いパラレルツインエンジンを採用したことで、エンジン搭載位置の自由度が高まり、ライダーを前方に座らせることが可能になり、最適な重量配分を実現。
後端を絞った、スリムな形状のシートレールだが、純正アクセサリーのサイドケースなどを装着した状態でも走行に影響が出ないよう、十分な強度を確保。

フレームはスチール製ダイヤモンド。剛性バランスに優れ、優れた直進安定性を確保する一方で、縦2眼LEDヘッドライトはカウルマウントとして軽快なハンドリングを実現している。

フロントフォークは8SのKYB製に対し、8Rはショーワ製のSFF-BPを採用。フロントブレーキはΦ310mmのダブルディスクで、こちらはGSX-8Sと同等の装備。

スイングアームはGSX-8Sと同じ形状。リアサスペンションはリンク式のモノショックで、ユニットはショーワ製に変更されている。調整機構がプリロードのみなのは8Sと共通。

スクリーンはコンパクトだが高速道路などでは胸から下を走行風から守ってくれる。縦2眼LEDヘッドライトはGSX-S1000のものと同タイプで、ウインカーもLED。

フルカウルを装備しているが、あえてサイド部分はエンジンを大きく露出させたデザインとすることで、軽快なイメージとメカニズムが生み出す機能美をアピール。

ハンドルはアルミ鍛造のセパレートハンドルを装備。ブラック仕上げでスポーティな外観を演出するとともに、スポーティな走行にふさわしいポジションを実現している。

左スイッチボックスには、メーターのメニューセレクトやモード変更などの際に手になじみやすくスムーズに操作できる、大型のシーソースイッチを採用。

シートは広めの座面形状が特徴で、ベースとなったGSX-8Sと共通の形状。シート高は810mmで、このクラスのスポーツバイクにしては標準的な高さだ。

もともとテールカウルが小ぶりなため、タンデムシート下の収納スペースもコンパクト。しかし、ETC車載器を搭載するぐらいのスペースは確保されている。

テールランプ、ウインカーはLEDで、ライセンスランプ一体型デザインを採用。スリムなリアフェンダーにマウントすることで、個性的なリアビューを実現。

GSX-8Sと同じく、メーターは5インチのフルカラーTFTを採用。ギアポジション表示や3段階からパワーモードが選べるSDMS、トラクションコントロールなどを表示。

メーターの背景はホワイトのデイモードほか、このようにブラックのナイトモードも用意。周囲の明るさに合わせて自動で白黒の切り替えを変更する機能も備えている。

アラートや警告、セッティングメニューを大きくポップアップ表示できる機能も搭載。サービスリマインダーやクイックシフトのON/OFFなども設定可能。