文:太田安治、ゴーグル編集部/写真:柴田直行
ベスパ「GTV300」ライディングポジション・足つき性
シート高:790mm
ライダーの身長・体重:176cm・62kg

高めの椅子に行儀良く座り、軽く肘を曲げた姿勢はベスパの伝統。フロアボード面積が広く、足を乗せる位置の自由度も高い。シート高790mmでフロアボード幅も広いため足着き性良好とは言えないものの、小柄なライダーでも停車時にシート前側へ腰をずらすことで対応できる。

ベスパ「GTV300」各部装備・ディテール解説

Vespa GTV 300
総排気量:278cc
エンジン形式:水冷4ストSOHC4バルブ単気筒
シート高:790mm
車両重量:163kg
発売日:2023年7月18日
税込価格:91万3000円
1951年にイタリア国内で6日間に渡って行われた過酷なラリーにおいて、圧倒的な強さを見せたレーシングベスパ。この伝説のレーサーをオマージュし、2018年に登場したのがイタリア語で6日間を意味する「Sei Giorni」。
GTVはセイ・ジョルニのスポーティーなキャラクターを受け継ぎながら、サッビアベージュのボディカラーにオレンジのグラフィックライン、ブラックアウトされたトリムによってレトロなムードに仕立てられている。今回の試乗車のGTVに装着されているボディ同色のリアシートフェアリングはオプション設定。

液晶メーターには速度や燃料、水温、時計、電圧、トリップのほか、表示モードを切り替えることで瞬間燃費や平均燃費、最高速度と平均速度といった情報も表示できる。

ハンドル下のトランクスペースはスイッチノブを押すと開く仕組み。スペースは広くないが、財布やスマホといった小物が収納できる。USB-C端子も装備し、スマホの充電も可能。

スマートキーをポケットに入れておけば、スイッチノブを捻るだけでメイン電源がオン/オフできるほか、シートロックの解除、バイクファインダーの作動も行える。

フロントの片持ちリンクアーム油圧式サスペンションはベスパのアイデンティティ。構造上、ブレーキ時でもサスペンションストロークが残るため衝撃吸収性に優れている。

滑り止めのモールがデザイン上のアクセントにもなっているステップフロア。前後に長いスペースが確保され、ライダーの体格を問わずに自然なポジションが取れる。

どこか愛嬌のある形状のマフラーは、テールピースを下に向けることで排気音がライダーの耳に届きにくい構造。加速時や高速道路走行中も意外に静かでストレスを感じない。

レーシングベスパのイメージを受け継いだリアシートフェアリング(オプション品)が装着されているためシングルシーターに見えるが、実際は取り外した状態でタンデム可能。

シートはボタンを押すだけでロックが外れる電磁ロック式。収納スペースはハーフキャップ型ヘルメットが何とか収まるサイズだが、ヘルメットホルダーも装備されている。

タンデムステップはリンクを使ったステーを折りたたむように出し入れする独自の仕様。足の乗せやすさとステップ収納時のボディフォルムの美しさを両立させるための工夫だ。

クラシック・モダンのコンセプトを感じさせるテール周りのデザイン。テールランプ/ストップライト、ウインカーとも高輝度LEDを採用し、キレのいい点滅で被視認性も良好。
ベスパ「GTV300」動画・写真
Vespa GTV | Bring out your real nature
www.youtube.comベスパ「GTV300」主なスペック・製造国・価格
全長×全幅 | 1980×765mm |
ホイールベース | 1380mm |
シート高 | 790mm |
車両重量 | 163kg |
エンジン形式 | 水冷4ストSOHC4バルブ単気筒 |
総排気量 | 278cc |
ボア×ストローク | 75×63mm |
最高出力 | 17.5kW(23.8HP)/8250rpm |
最大トルク | 26N・m/5250rpm |
燃料タンク容量 | 8.5L |
変速機形式 | 無段階オートマチック (CVT) |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70-12・130/70-12 |
ブレーキ形式(前・後) | Φ220mmシングルディスク・Φ220mmシングルディスク |
製造国 | ベトナム |
メーカー希望小売価格 | 91万3000円(消費税10%込) |
文:太田安治、ゴーグル編集部/写真:柴田直行