文:山口銀次郎/写真:JBOTY2024編集部/モデル:葉月美優
ブリクストン「クロスファイア 500」インプレ(山口銀次郎)
![画像: BRIXTON Crossfire 500 総排気量:486cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒 シート高:795mm 税込価格:110万円](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/01/17/4fd64a8cc3e41873e1ab5c371f345b85128f23ac_xlarge.jpg)
BRIXTON Crossfire 500
総排気量:486cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
シート高:795mm
税込価格:110万円
サイドビューで目に焼きつく「X」の存在感
燃料タンクがそのバイクの印象を大きく左右する中心パートであると、クロスファイアを目の当たりにしてつくづく思ってしまった。
バックヤードカスタムから派生した手法が、市場流通製品のクオリティまで引き上げられ、高額取引されるといった一大カスタムカルチャーは根強い人気を誇っている。そんなカスタムカルチャーを強烈に意識したモデルがクロスファイアシリーズだろう。しかも、どことなくクラシックモデルの雰囲気を纏いつつ、すべてが新しく斬新だ。
![画像1: ブリクストン「クロスファイア500」インプレ|スポーツネイキッドの枠を超えた個性が光る! 扱いやすさと鋭さを兼ね備えた一台](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2023/12/27/047d9d420489ffc3d84b81172a639b9113023579_xlarge.jpg)
![画像2: ブリクストン「クロスファイア500」インプレ|スポーツネイキッドの枠を超えた個性が光る! 扱いやすさと鋭さを兼ね備えた一台](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2023/12/27/ce895bc9f1a3e4ec6ad42a7c7c99f3587a344b1d_xlarge.jpg)
燃料タンクは、車名のクロスをイメージさせる「X」の押し出しデザインをサイドにあしらい、やや傾斜がかっているが切り落とされたタンクエンドで無骨さを印象付ける。さらに前後一体型の薄型スムーズシートは、ライダー部のみタックロール仕上げとし、レーシーでありながらスタイリッシュ。この2つの外装部だけで、クロスファイア500の印象を強烈にアピールすることに成功している。スタンダードなネイキッドスタイルとはいえ、エンジンやフレームをはじめとした主要部品は、現代のトレンドや手法を取り入れたパッケージとなっているのだ。
乗車姿勢はゆったりしたもので、走行距離に関係なく気兼ねなく付き合えるフレンドリーさに満ちている。
![画像1: ブリクストン「クロスファイア 500」インプレ(山口銀次郎)](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/01/17/8a0c3d7e40b995917ec8135337f65786a337ec37.jpg)
前後ショックの設定は、乗車時に沈み込みが少なく、フワフワとした余計なストロークがない。スポーツモデルらしいストイックな面も持ち合わせている印象だ。
フロントフォークやスイングアームといったサスペンションの剛性も高く、カッチリ引き締まったボディワークに一役買う。そんな高剛性の足回りに応えるべく、フロントブレーキにはシングル装備ながら、ラジアルタイプの4ポットキャリパーが装着され、高いコントロール性とハードブレーキングにも応えてくれる構成となっている。
クラシカルな雰囲気を醸し出す要因のひとつとして、ワイヤースポークタイプのホイールが挙げられるだろう。スポーツモデルとしては不釣り合いなルックスだが、前後共17インチのチューブレスワイドタイヤを装備していることからわかる通り、急加速や急減速に負けることはなく、鋭い旋回すら実現するスポーティな走りを提供してくれる。
![画像2: ブリクストン「クロスファイア 500」インプレ(山口銀次郎)](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/01/17/56ed994a4426495d13a7c502ca179d071009f604.jpg)
エンジンは気難しくなく、初速から扱いやすい太いトルクと2気筒ならではのパルス感が味わえる演出がされており、エンジンを回さない場合でも優雅で楽しい走行が楽しめる。スロットル操作に過敏に反応することがなく、乗車姿勢とシンクロする様なフレンドリーな印象が強い。486ccの排気量を場所選ばず堪能できるのは嬉しい限りだ。ゆったりのどかなキャラクターかというとそうではなく、ワイルドなスロットル操作にも応える瞬発力も魅力となっている。
太いトルクの押し出しの強さもあり、淀みなく速度を上げることができる。ただしピークパワーを絞り出すであろう8500回転程でレッドゾーンとなる設定で、伸びよく吹け上がり続けるといった性格ではない。その分、中低速での元気な走りが際立つ造りとなっている。パンチの効いた486ccエンジンをゆったり楽しめたり、鋭く応えてくれたりと振り幅の広いエンジンキャラクターは、とても贅沢な仕様なのかもしれない。