作り手やパーツの進化を十分に反映してオーダーする
ACサンクチュアリーのコンプリートカスタム、RCM(Radical Construction Manufacture)。このMk.llはRCM-596というシリアルナンバーが付けられた、新しめの1台だ。グレー/ブラックベースのモノトーンの中にコントラストを加え、フロントキャリパーはラジアルマウント、マフラーはチタンメガホンと、ルックスを重視しながらもその中に高い機能を融合させる。そこからはスマートな現代カスタムのような感覚も見てとれるが、そこに至る理由は何だろうか。
「ひとつは、オーナーさんの背景にあるかもしれません。以前にもRCMのNinjaスポーツパッケージをオーダーいただき、その後RCMクラフトマンシップ(フルオーダー製作の通常版RCMに対して、ショップで考える仕様を反映した作り置き車両のRCMとして展開されていた)の再販売車両のKZ900を購入され、これが3台目なんです。
ご本人もスポーツ走行が趣味でよく走られますし、車両や各部の違いが分かるというか、見極めがしっかりされている方です。そんな中から、RCMのハンドリングやエンジンフィーリング、トラブルの少なさも評価いただいてます。そんな複数のRCMオーナーとしての経験や判断が、この車両の製作に当たって反映されている。それでスマート感、リアルタイム感のようなものがより濃いめに出ているのだと思います」
![画像1: 作り手やパーツの進化を十分に反映してオーダーする](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2023/11/13/6958c41e71544e240f08917675c35c4b68d455bd.jpg)
ACサンクチュアリーの中村さんはこう、ひとつの理由を教えてくれる。ほかにもありそうだが、それは?
「前にもお話ししましたが、このところのRCM製作側の練度の向上でしょうか。各メカニックの、作り手としての意識や経験の向上。それが私にも分かるし、伝わってくる。その要素のひとつに、内燃機加工を行うDiNx社の存在もあります。
当社とDiNx社は近い距離にありますから、内燃機加工と組み手の意思疎通がしやすい。組み手=担当メカニックは単に内燃機加工でほしい数字を出すだけでなく、“こういうもの(仕上がり)を作りたいので、この数字でお願いします”というようなニュアンスが伝えやすいし、内燃機加工側も“それ(そういう目的)ならこの仕上げ”というように、加工の先、さらに組んだ後も考えの中に織り込んでて作業するような感じでしょうか。それがRCMに対してはエンジンに反映された上で車両に。DiNx社には他のショップさんからのオーダーにも生きているようです」
![画像2: 作り手やパーツの進化を十分に反映してオーダーする](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2023/11/13/e24ba4ac670a8924f886aecd3e43f688712de8cc.jpg)
依頼者の深い理解に、製作者、加工者それぞれの配慮と作業練度。もちろん、進化したパーツの取り込みもある。これらの重なりが、コンプリートの完成度や深みをより高めてくれる。さらにスマートな最前線の姿も提供してくれるのだ。
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Detailed Description 詳細説明
![画像1: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2023/11/13/8a2338243a3e4b32d937ab3730c9370710cf5941.jpg)
メーターは純正をベースにエンジン回転計をSTACK ST200に変え、ヨシムラ・プログレスメーターを追加。ハンドルバーはデイトナRCMコンセプトハンドルで左右マスターシリンダーはブレンボ・レーシング。ステアリングステムにはスカルプチャーφ43 SPステムKIT TYPE-1を使う。
![画像2: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2023/11/13/441e0117406cad60ab1cf76ec03592964e060c54.jpg)
角型燃料タンクやテールカウル等の外装は純正ベースで、シートは再現性に優れ操作感等も高まるデイトナ・RCMコンセプトCOZYシートを装着。Mk.II純正のストライプパターンをモノトーンで仕上げた塗装は奥進が担当した。
![画像3: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2023/11/13/3adff2ae128e4ba36f0d5da9b5dfcb815bd1cb44.jpg)
ステップはナイトロレーシング。フレームはサンクチュアリーST-2補強やドライブチェーンラインオフセット軌道対応インライン処理、レイダウン加工等を行った後にブラスト処理してパウダーコーティング仕上げしている。
![画像4: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2023/11/13/5aac85cf6a3f027e774a1e6190334833a219825f.jpg)
エンジンはφ73mm鍛造ピストンとPAMS ESTライナーで1105cc化し、パルブガイド入れ替えなども行った上でPAMS HFバルブなども組み込んだツインプラグ仕様。クランク芯出し修正や6速クロスミッション+EVOシステム(アウトプットシャフトをロング化して指示位置も増やし、ミッションに優しくフラットスプロケットが使える)組み込みなども行う。内燃機加工はすべてDiNxによる。
![画像5: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2023/11/13/eaa431b04490f72e51ab05322e8cffabf2fc79b6.jpg)
排気系はナイトロレーシングワンオフの手曲げチタンメガホンで、メガホンルックにチタンの性能/機能というコンビネーションも提案。これに組み合わされる吸気系はFCRφ37mmキャブレターだ。
![画像6: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2023/11/13/634ec28852a9e63c9a7ca8cdb948e38940c35df3.jpg)
フロントフォークはサンクチュアリーE×MパッケージでオーリンズRWUを組み、フロントブレーキはブレンボGP4 RXキャリパー+サンスター・ワークスエキスパンドディスクφ320を組み合わせる。
![画像7: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2023/11/13/bfee4b3842efdc641322119c5d302c7c73bd4e64.jpg)
リヤブレーキはブレンボGP2-SSキャリパー+サンスター・ワークスエキスパンドディスクφ250mm。リヤショックはオーリンズ・ブラックラインでスイングアームはスカルプチャー 17インチ専用ワイドスイングアームのブラックと、ボディカラーにハードパーツのトーンもうまく生かしてある。
![画像8: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2023/11/13/1ef83d2e3291084668373bcf64bedb75311fbae5.jpg)
ホイールはアルミ鍛造のO・Zレーシング製GASS RS-Aの3.50-17/5.50-17サイズを履く。ドライブチェーンはEK530RCMのBK;GPをチョイスした。