1980-1984年には、後世語り継がれる名車が多数登場しているが、そんな中でもひときわ輝くマシンのひとつが「900ニンジャ」ことGPZ900Rだ。「次世代のZ1」として誕生し、約20年の長きにわたって愛されてきた名機をここで振り返ろう。
文:オートバイ編集部/写真:南 孝幸、鶴身 健

カワサキ「GPZ900R」各部装備・ディテール解説

画像: 撮影車は欧州仕様のGPZ900Rで、初代のA1はレッドとブルーの2色。ニンジャのペットネームを持つ北米仕様はレッドのみだった。

撮影車は欧州仕様のGPZ900Rで、初代のA1はレッドとブルーの2色。ニンジャのペットネームを持つ北米仕様はレッドのみだった。

画像: エンジンそのものを強度メンバーの一部とするダイヤモンドフレームを採用。高張力鋼管とアルミのシートレールを組み合わせている。

エンジンそのものを強度メンバーの一部とするダイヤモンドフレームを採用。高張力鋼管とアルミのシートレールを組み合わせている。

吸気のストレート化とエンジン自体のコンパクト化で有利なサイドカムチェーン方式を採用。排気量は908.2cc、パワーは115PS。

画像: フルカウルを装備するが、あえてエンジンを「見せる」形状が採られており、量産車初のサイドカムチェーンユニットが見える。

フルカウルを装備するが、あえてエンジンを「見せる」形状が採られており、量産車初のサイドカムチェーンユニットが見える。

画像: つやありブラック仕上げのマフラーは左右2本出し。大きなステッププレートは強度メンバーも兼ねたアルミ製が採用されている。

つやありブラック仕上げのマフラーは左右2本出し。大きなステッププレートは強度メンバーも兼ねたアルミ製が採用されている。

画像: フロントホイールは16インチ、アンチノーズダイブ機構のAVDSも備える。1990年のA7から17インチ化、キャリパーも変更された。

フロントホイールは16インチ、アンチノーズダイブ機構のAVDSも備える。1990年のA7から17インチ化、キャリパーも変更された。

画像: スイングアームはアルミ製、チェーンアジャスターはカワサキ独自のエキセントリックカム方式が採用されている。

スイングアームはアルミ製、チェーンアジャスターはカワサキ独自のエキセントリックカム方式が採用されている。

画像: 空冷GPzシリーズのデザインに通じるフロントカウルを採用。防風効果も高く、ロングツーリングでも重宝する。

空冷GPzシリーズのデザインに通じるフロントカウルを採用。防風効果も高く、ロングツーリングでも重宝する。

画像: 左に大きなタコメーター、右にやや小ぶりなスピードメーターを配置する左右非対称レイアウト。左右には燃料計と水温計を設置。

左に大きなタコメーター、右にやや小ぶりなスピードメーターを配置する左右非対称レイアウト。左右には燃料計と水温計を設置。

画像: スーパースポーツでありながら実用性も重視され、シートは肉厚のダブルシートが採用された。グラブバーも大型のものを装備。

スーパースポーツでありながら実用性も重視され、シートは肉厚のダブルシートが採用された。グラブバーも大型のものを装備。

画像: 世界最速のスーパースポーツであっても実用性を大事にするのがカワサキのいいところ。テールには格納式の荷掛けフックが備わる。

世界最速のスーパースポーツであっても実用性を大事にするのがカワサキのいいところ。テールには格納式の荷掛けフックが備わる。

画像: テールカウルのラインにマッチする、横一文字型の四角いテールランプを採用。ウインカーは当時のバイクとしては小型の部類。

テールカウルのラインにマッチする、横一文字型の四角いテールランプを採用。ウインカーは当時のバイクとしては小型の部類。

カワサキ「GPZ900R」と映画『トップガン』

画像: カワサキ「GPZ900R」と映画『トップガン』

映画『トップガン』登場で人気も加速!

900ニンジャの人気を不動のものとしたのは、1986年公開の映画『トップガン』の影響も大きい。主人公の「マーヴェリック」こと、ピート・ミッチェルが駆る愛車として登場。当時は車両協力がなかった関係で、メーカーロゴの代わりにステッカーがたくさん貼られ、おなじみのこの姿となった。写真の車両は2022年公開の映画『トップガン マーヴェリック』用に、カワサキUSAが用意した劇中車。

画像: スクリーンの濁りや、アッパーカウルの色褪せといった経年劣化もフェイクで、ペイント処理によるもの。

スクリーンの濁りや、アッパーカウルの色褪せといった経年劣化もフェイクで、ペイント処理によるもの。

画像: 転倒時についたマフラーやカウルなどの擦り傷を、ダメージ風ペイント処理によって見事に再現している。

転倒時についたマフラーやカウルなどの擦り傷を、ダメージ風ペイント処理によって見事に再現している。

画像: 1986年当時、カワサキは車両協力していなかったため、サイドには部隊マークのステッカーが貼られた。

1986年当時、カワサキは車両協力していなかったため、サイドには部隊マークのステッカーが貼られた。

画像: 2022年に公開の新作『トップガン マーヴェリック』ではカワサキUSAが車両を提供、GPZ900RのA1をベースに劇用車は製作された。

2022年に公開の新作『トップガン マーヴェリック』ではカワサキUSAが車両を提供、GPZ900RのA1をベースに劇用車は製作された。

カワサキ「GPZ900R」主なスペック

全長×全幅×全高2200×750×1215mm
ホイールベース1495mm
最低地上高140mm
シート高780mm
車両重量228kg(乾燥)
エンジン形式水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量908.2cc
ボア×ストローク72.5×55.0mm
圧縮比11.0
最高出力115PS/9500rpm
最大トルク8.7kgf・m/8500rpm
燃料供給方式キャブレター(CVK34)
燃料タンク容量22L
変速機形式6速リターン
キャスター角29゜
トレール量114mm
ブレーキ形式 前・後ダブルディスク・シングルディスク
タイヤサイズ(前・後)120/80V16・130/80V18

文:オートバイ編集部/写真:南 孝幸、鶴身 健

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