レース1は3メーカーのエースが激突!バウティスタが強さをみせ11連勝達成
第6戦の舞台はイングランドにあるドニントンパークサーキット。ライダーやファンからも人気の高いオールドサーキットで行われた第6戦のレース1は、これまで以上に接近戦が繰り広げられた。
晴れではあるが、イギリスらしい雲の多い空のもと、気温21度、路面温度27度のドライコンディションでレース1がスタート。ホールショットを奪ったのはバウティスタだったが、ジョナサン・レイ(KAWASAKI RACING TEAM WORLDSBK)がパスしトップに浮上。
レイを先頭にレースが進んでいくが、3周目のターン11でラズガットリオグルがトップに浮上。そして6周目の11コーナーでバウティスタがトップに返り咲いた。
これまでのレースは、バウティスタが先頭に出た瞬間に勝負がついていた。しかし、今回のレース1ではバウティスタは集団から抜け出すことができず、3メーカーのエースライダー3名が接近戦のままトップ争いを繰り広げていく。
終盤時はバウティスタとラズガットリオグルが優勝争いを展開、その後ろではレイは後ろに迫ってきたダニーロ・ペトルッチ(BARNI SPARK RACING TEAM)との3位争いを展開。
しかし強さを見せたのはやはりバウティスタだった。2位のラズガットリオグルとの差を3秒まで拡げトップチェッカー。今季15勝目、そして11連勝を達成した。そしてドニントンパークで12年間未勝利に終わっていたドゥカティにとって、これまでとはひと味違う優勝となった。
2位にはラズガットリオグル、3位にはペトルッチとのバトルを制したレイが入った。レイは今回の3位獲得により、スーパーバイク世界選手権において250回目の表彰台獲得という偉業を成し遂げている。3位にあと少し及ばなかったペトルッチだったが、スーパーバイクでのベストリザルトとなる4位でフィニッシュとなった。
2023 スーパーバイク世界選手権 第6戦ドニントンパーク レース1結果
スーパーポールレースはラズガットリオグルが優勝!連勝止まったバウティスタはレース2で勝利
日曜日の午前中に行われたスーパーポールレースでは、ついにバウティスタの連勝記録がストップした。止めたのは、今季唯一バウティスタを除いて優勝を挙げているラズガットリオグルだ。
気温18度、路面温度24度のドライコンディションの中、10周で行われたスーパーポールレースは、レース1同様レイがトップに立ち、ラグガットリオグル、バウティスタの順でレースは進んでいく。
先頭に立ち、今季初優勝を狙うレイはレースの大部分をトップで消化するも、残り2周のメルボルンヘアピンでレイのインに飛び込みトップに浮上し、ラストラップに突入する。
ラズガットリオグルが逃げる中、3位につけていたバウティスタが動く。バックストレートからエセスシケインの飛び込みでレイを捕らえ、2位に浮上。トップも狙うバウティスタだったが、残るコーナーは2つしかなく、メルボルンヘアピンと最終コーナーをトップで通過したラズガットリオグルがトップチェッカーを受けた。
ラズガットリオグルは開幕戦のスーパーポールレース以来の優勝を挙げ、今季2勝目をマーク。これで11戦連続で優勝を挙げていたバウティスタの連勝記録がストップした。バウティスタは2位、レイはファイナルラップでバウティスタの先行を許してしまい3位でフィニッシュしている。
最終レースとなるレース2は気温18度、路面温度25度のドライコンディションの中、23周で行われた。スタートはバウティスタがトップに立つも、すかさずラズガットリオグルがトップを奪い返す。
激しいポジション争いが行われるオープニングラップだが、ターン8で3台が絡むアクシデントが発生。トム・サイクス(ROKIT BMW MOTORRAD WORLDSBK TEAM)、ロリス・バズ(BONOVO ACTION BMW)、そしてマイケル・リナルディ(ARUBA.IT RACING)が接触、転倒を喫し、レースはいきなり赤旗が掲示され中断となった。
立ち上がることができないリナルディは現場で処置を受け、ストレッチャーに乗せられ救急車へ。サーキット全体がリナルディの無事を祈りながら、レースは再スタートを迎えることになった。
1周減算の22周となったレース2。レースの3分の2を消化していないため、再びスタンディングスタートで再開されたレース2は、バウティスタがトップに立ち、レイ、ラズガットリオグルの順でオープニングラップが終了。
2周目のメルボルンヘアピンで、ラズガットリオグルがバウティスタのインに飛び込みトップに浮上、その隙をついたレイもバウティスタの前に出て2位にポジションを上げる。
3位に下がったバウティスタだがレースの折り返し時点に反撃を開始。10周目のエセスシケインでレイを捕えると、武器であるトップスピードを駆使し、残り10周のターン1でラズガットリオグルを抜きトップに立つ。
独走を許したくないラズガットリオグルはすぐさまターン4でトップを奪い返すも、バウティスタは翌周のターン1で再びトップに浮上した。トップに立ったバウティスタはこれまで同様ペースを上げ、2位以下との差を拡げていく。
激しいバトルは繰り広げられたのは3位争い。トップ争いから遅れてしまったカワサキの2台が引っ張る3位集団で、終盤追い上げてきたのがペトルッチだった。
残り6周のエセスシケインで4位のアレックス・ロウズ(KAWASAKI RACING TEAM WORLDSBK)をオーバーテイクすると、残り5周のターン4でレイも捕らえ3位に浮上する。
ペトルッチに抜かれたレイは、ロウズを抜き5位に上がってきたスコット・レディングにも抜かれるなど、レース2は厳しいレース展開となってしまった。
トップのバウティスタは安全マージンを築きそのままトップでチェッカーを受け今季16勝目を挙げた。2位にはラズガットリオグルが入り、今季からSBKに転向してきたペトルッチが初の表彰台を獲得した。4位にはレディングが入り、今季ベストリザルトを達成している。
最終的な結果はバウティスタの優勝となったが、ラズガットリオグルの優勝や複数台による優勝争い、ペトルッチの初表彰台獲得、BMWの進化など第6戦はこれまで以上に見どころのあるレースだった。
早くもシーズンの半分が終了したスーパーバイク世界選手権。次戦の第7戦イタリアGPは7月14日から16日にかけて、イタリアのイモラサーキットで開催される。
2023 スーパーバイク世界選手権 第6戦ドニントンパーク スーパーポールレース結果
2023 スーパーバイク世界選手権 第6戦ドニントンパーク レース2結果
レポート:河村大志