メカチューンも過給も多彩な技法を極めた車両

’15年のスーパーチャージドモデル、Ninja H2の登場によって2輪でも過給は身近になったが、それまでは特殊だった。しかしカスタム界では、コンピュータほかの進歩によってラグ(レスポンスの遅れ)やパワーの急な立ち上がりというデメリットを払拭し、ターボやスーパーチャージャーによる充填効率向上を生かした例もすでに多くあった。パワービルダーの針替さんもその事実を自分の肌で知るひとりだ。長年4輪エンジンのメカチューンやターボチューンを手がけ、そのノウハウをこのターボニンジャにフィードバックしたのだ。

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「ターボの制御は現在(車両を製作した’98年頃)のフルコンを使えばそれほど難しくないと思います。大事なのはブローしないエンジンを作ることの方です」と、車両製作当時にも述べている。

過給関連はパイピングも含めてすべてワンオフして装着。各部パーツはニッサン・スカイラインGT-R(R32)用純正タービン、トヨタ車用インジェクターなど流用品も使う。ベースエンジンはもちろん見ての通りのNinja=GPZ900Rで、過給によるデトネーション防止のための圧縮比ダウンなどの定番メニューを施している。パワーはメカチューンでは不可能な230psに到達し、トルクも21.5kg-mを実測(いずれも後輪計測値)した。

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しかし、それ以上に驚くのは常時ブースト1kg/cm2で、街乗りやツーリングもまったく問題なくこなすという事実だろう。なお同店ではこの仕様での限界を見極めた後に、300ps仕様にも着手した。そしてそこから25年近く経つ今でも、TOTハーキュリーズを走るNinja(メカチューンで200ps)も含めて、ニンジャシリーズの限界に挑み続けている。

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ターボ装着にともない、メーターは左のエンジン回転計、右の速度計以外に油温/油圧/空燃比/ブースト(中央)など各種モニタを追加し、状態把握にも活用した。ハンドルはバー仕様に変更されている。フロントマスターはNISSINでクラッチ側もNISSINを使う。

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エンジンはGPZ900Rをベースに、'88-'89ZX-10用ワイセコφ75.5mm鍛造ピストンで[908→]984cc化。ピストンにはフラットトップ加工も施され、燃焼室容積拡大やGPZ900Rより全長が短い'86-'87GPZ1000RX用コンロッドなどにより、圧縮比は8.75:1に下げて過給に適合させた。

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過給ユニットはニッサン・スカイラインGT-R(R32)用タービン+TRD製インジェクター(吐出量720cc×4)にワンオフφ60mmスロットルボディやHKS製インタークーラー改(圧縮されて熱を持った新気を冷やし充填効率を維持。エンジン右前に装備)&ブローオフバルブ、トラスト製VVC(バリアブルブーストコントローラー)等で構成、タービンやカムまわりの潤滑も強化。制御はフルコンのハルテックF9で行う。

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車体系ではホイールがパフォーマンスマシン製アルミ(前は“シケイン”3.50-17サイズ、後は“ソリッド”の特注6.50-17サイズ)で、スイングアームがウイリー特注ワイド&3cmロングタイプ。フロントフォークはGSX-R1100L('90年型)のφ41mm倒立タイプでアウターチューブは車体色に合わせてアルマイト加工、内部もセッティング。リヤショックはオーリンズ。前後ブレーキキャリパーはパフォーマンスマシン製だ。

取材協力:パワービルダー

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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