A.カネットがポールポジションを獲得
土曜日の予選は曇り空の中、気温26度、路面温度42度というコンディションで行なわれた。Q2進出を目指すQ1には小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)、そして第6戦から残りのレースをPertamina Mandalika SAG Teamから参戦する羽田太河が登場。小椋はQ1で暫定のトップタイムをマークするも、最終的にはジョー・ロバーツ(Italtrans Racing Team)がQ1をトップで通過。
小椋はQ1を2位で終えQ2に進出、3位にジェレミー・アルコバ(QJMOTOR Gresini Moto2)、ダリン・ビンダー(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)が4位に入りQ2進出を決めた。今大会からMoto2フル参戦となる羽田はQ1を14番手で終え、決勝は29番グリッドからスタートする。
Q2へ進出した小椋はタイムを詰めることができずセッションは終盤へ。サイドアタックに向かうも、ターン12で転倒を喫してしまい決勝は14番グリッドからのスタートとなった。
ポールポジション争いはここまで好調のアコスタが自身のタイムを更新し、暫定のトップタイムを叩き出すも、サム・ロウズ(Elf Marc VDS Racing Team)やアロン・カネット(Pons Wegow Los40)がアコスタのタイムを塗り替えていく。
暫定トップに立ったカネットだったが、セッション残り5分のターン1で転倒。しかしアコスタをはじめ、カネットのタイムを更新するライダーが現れず、カネットのポールポジションが確定した。
2位にはアコスタ、3位にロウズと好調の2台が続き、ランキング首位で母国凱旋を果たしたアルボリーノは10番手で予選を終えている。
アコスタがライバルを寄せ付けず今季3勝目
決勝日は天候に恵まれ、気温26度、路面温度41度というコンディションで決勝が行なわれた。19周の決勝は、2番手スタートのアコスタがトップでターン1を通過。後方ではフェルミン・アルデゲル(MB Conveyors SpeedUp)、アルコバ、ビンダーが絡むアクシデントが発生。さらにアロンソ・ロペス(MB Conveyors SpeedUp)がロウズのインをつき接触したロウズが転倒してしまい、オープニングラップでいきなり4台がリタイアしてしまう波乱のスタートとなった。
ロウズとの接触によりロペスにはロングラップペナルティが科され、ライバルがいなくなったアコスタ独走体制でトップをひた走る。アコスタのライバルであるアルボリーノは予選10番グリッドから2位までジャンプアップするもアコスタのペースについていくことができない。
トップ2がギャップを築く中、ポールポジションからスタートしたカネットは3位を走行。しかしジェイク・ディクソン(Autosolar GASGAS Aspar M2)が迫り表彰台をかけた接近戦となる。そしてファイナルラップ直前の最終セクターでディクソンがカネットをオーバーテイクし3位表彰台を獲得した。
一度も首位の座を譲らなかったアコスタがイタリアGPを完勝。今季3勝目をあげ、アルボリーノとの差を25から20に縮めた。アコスタについていくことができなかったアルボリーノだが、最小限のダメージにとどめることに成功。予選から本調子ではなかったが見事なリカバリーをみせた。
小椋は苦戦しながらもなんとか15位でフィニッシュし1ポイントを獲得。羽田は21位でフィニッシュし完走を果たしている。
2023 Moto2 第6戦 決勝結果
次戦は1週間後のドイツ・ザクセンリンク・サーキット
MotoGPはこのイタリアGPから3連戦となり、次戦は1週間後のドイツGPだ。低速コーナーは連続し、反時計回りという特徴的なレイアウトのザクセンリンク・サーキットは毎年激戦が繰り広げられる。
昨年はRed Bull KTM Ajoがワンツーフィニッシュを達成しており、アコスタは2位表彰台を獲得している相性の良いサーキットだ。一方、ライバルのアルボリーノは10位で終わっており今年はアコスタの前でゴールしたいところ。
小椋Moto3時代に3位表彰台を獲得しているが、Moto2クラスでは8位が最上位と好成績を残せていないサーキットのひとつ。ザクセンリンクでの上位フィニッシュには予選の結果が重要になる。決勝だけでなく、予選から注目だ。
レポート:河村大志