文:オートバイ編集部/写真:南 孝幸
ヤマハ「XSR125」vs ホンダ「CB125R」それぞれの特徴

YAMAHA XSR125
市販予定車
総排気量:124cc
エンジン形式:水冷4ストOHC4バルブ単気筒
シート高:815mm
車両重量:140kg
※スペックは海外仕様

Honda CB125R
総排気量:124cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ単気筒
シート高:815mm
車両重量:130kg
税込価格:47万3000円
ネオクラシックの雄「XSR」が125cc市場でも旋風を巻き起こすのか?
125ccクラスでは、小径ホイールを採用するミニバイクに対する呼び名として、前後17インチのロードスポーツ車を「フルサイズ」と呼んで区別している。フルサイズのスポーツモデルの多くは、軽量でスリムな車体を活かした軽快なフットワークを身上としており、シフトワークやアクセルワークを駆使してエンジンのパワーバンドを活用して楽しむスポーツランが大きな魅力だ。
ヤマハの近年の125ccクラスのラインアップはスクーターが中心。スポーツモデルは海外では展開していたが、国内販売はして来なかった。しかし、ついに本格フルサイズスポーツモデルの国内導入を発表。そのひとつがこのXSR125だ。
大人気を博しているヘリテイジスポーツ、XSRシリーズの末弟となるこのモデルは、これまで欧州で販売されてきたもの。ベースとなっているのはスポーツネイキッドのMT-125(こちらも国内導入予定)で、外装デザインは初代のXSR900や700の流れを汲んだもの。発売されれば大人気を呼ぶのは間違いなさそうな、いま最もアツい125スポーツだ。
このXSR125に唯一対抗しうる存在となるモデルが、ホンダのCB125R。2018年に国内デビューを果たしたネオスポーツカフェシリーズの末弟で、エッジの効いた鋭いシュラウドが特徴のスタンダードスポーツネイキッドだ。

CBR125R
兄貴分の250とほぼ共通の車体を採用し、これまではCBR125Rの流れを汲む、SOHCシングルエンジンを搭載してきたが、2021年のモデルチェンジでエンジンをDOHC化。パワーも欧州のA1免許対応の上限となる15PSにまで引き上げ、フロントフォークにもショーワ製のSFF-BP採用、装備を大幅にアップデートして完成度に磨きをかけている。
▶▶▶次ページ:各部装備をチェック
ヤマハ「XSR125」vs ホンダ「CB125R」装備比較
XSR125

XSR900&700の流れを汲む、待望の125スポーツヘリテイジ!

欧州のA1ライセンス上限の11kW(15PS)を発揮。可変バルブタイミング機構のVVAを搭載し、全域で力強いパワー特性を実現。

凝った仕上げのマフラーはブラック仕上げのメガホンタイプ。リアサスペンションはモノショックタイプを採用。

Φ37mmの倒立フォークを採用、キャリパーは2ポット。装着タイヤはIRC製のブロックパターン、トレールウィナー。

フレームはスチール製のツインチューブ、サスペンションはモノショックタイプで、ベースがMT-125であることを示している。

クラシカルなヘッドライトは丸型のLED。ポジションも同じくLEDだが、ウインカーはクリアレンズの電球タイプを採用する。

反転表示液晶を採用するメーター。今回は非点灯だったが、ギアポジション表示やバーグラフ式タコメーターも装備する。

撮影車の水色のカラーはインドネシア仕様のXSR155と同じもの。ちなみに現地では全4色のカラー展開となっている。

カスタムイメージのタックロール仕上げのシートは上質感あるもので、スポーツヘリテイジに似合うデザイン。

小ぶりで丸形のテールランプはLED。XSRファミリーにふさわしいレトロなデザイン。撮影車のシートはブラウン表皮だ。
CB125R

従来のOHC2バルブからDOHC4バルブ化。吸気系もストレート形状とすることで低回転から高回転まで、高い出力特性を発揮。

マフラーは2室構造のショートタイプとして、車体下部にレイアウト。マスを集中させ、車体のスリム化にも貢献する。

ハイグレードなSHOWA 製SFF-BP倒立フロントフォークを採用。IMUを用いたABSも組み合わされ、制動時の安定性も高められた。

しなやかさと剛性を兼ね備えたスチール製スイングアーム。アーム長を長く取ることで高い路面追従性を実現。

ラウンドシェイプのライトガイドを配するLEDヘッドライトは薄型にすることでマスの集中化を図る。

フルデジタル表示のメーターにはシフトインジケーターや、回転数のピークホールド機能など充実の機能を搭載。

シャープなシュラウドとタンクまわりの造形はインパクトのあるもので、ネオスポーツカフェシリーズらしいデザイン。

前後別体の2ピースシートは125ccとしてはかなり余裕のあるサイズ。座面も広く、快適性は充分に確保されている。

見た目の印象をスッキリとさせる絞り込まれたテールまわりは灯火類をLEDで統一。シートロックの開閉はテール下に配置。
ヤマハ「XSR125」vs ホンダ「CB125R」スペック比較
XSR125 ※諸元は海外仕様 | CB125R | |
---|---|---|
全長×全幅×全高 | 1960×800×1065mm | 2040×820×1055mm |
ホイールベース | 1330mm | 1345mm |
最低地上高 | 160mm | 140mm |
シート高 | 815mm | 815mm |
車両重量 | 140kg | 130kg |
エンジン形式 | 水冷4ストSOHC4バルブ単気筒 | 水冷4ストDOHC4バルブ単気筒 |
総排気量 | 124cc | 124cc |
ボア×ストローク | 52.0×58.6mm | 57.3×48.4mm |
圧縮比 | 11.2 | 11.3 |
最高出力 | 15PS/10000rpm | 15PS/10000rpm |
最大トルク | 1.17kgf・m/8000rpm | 1.2kgf・m/8000rpm |
燃料タンク容量 | 10L | 10L |
変速機形式 | 6速リターン | 6速リターン |
キャスター角 | 26° | 24゜12′ |
トレール量 | 95mm | 90mm |
タイヤサイズ(前・後) | 110/70-17・140/70-17 | 110/70R17・150/60R17 |
ブレーキ形式(前・後) | Φ267mmディスク・Φ220mmディスク | Φ296mmディスク・Φ220mmディスク |
メーカー希望小売価格 | 未定(市販予定車) | 47万3000円(消費税10%込) |
文:オートバイ編集部/写真:南 孝幸