新型トランザルプのライバル、と聞いて、多くの人が思い浮かべるのはVストローム800DEだろう。ともにパラレルツイン、フロント21インチ、そして2023年デビューの新型車。それぞれのキャラクターの違いを検証していく。
文:宮崎敬一郎、オートバイ編集部/写真:南 孝幸

「XL750トランザルプ」vs「Vストローム 800DE」比較インプレ(宮崎敬一郎)

画像: Honda XL750 TRANSALP 総排気量:754cc エンジン形式:水冷4ストSOHC4バルブ並列2気筒 シート高:850mm 車両重量:208kg 発売日:2023年5月25日 税込価格:126万5000円

Honda XL750 TRANSALP

総排気量:754cc
エンジン形式:水冷4ストSOHC4バルブ並列2気筒
シート高:850mm
車両重量:208kg

発売日:2023年5月25日
税込価格:126万5000円

画像: SUZUKI V-STROM 800DE 総排気量:775cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒 シート高:855mm 車両重量:230kg 発売日:2023年3月24日 税込価格:132万円

SUZUKI V-STROM 800DE

総排気量:775cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
シート高:855mm
車両重量:230kg

発売日:2023年3月24日
税込価格:132万円

走りのキャラの違いを生む「スタンス」の違い

2020年、ほとんどオフローダーという出で立ちのアドベンチャーモデル、ヤマハ「テネレ700」が登場した。最小限の電制アシストしかなく、乗り手のスキルで高いポテンシャルを活かして好きに遊んで! といったスポーティなスタンスが特徴であり魅力だった。

プライスを抑えた上で、かなりの酷路に対応できる優れた走破能力を獲得。ただ快適に走るだけでなく、走破対象エリアの広さをセールスポイントとした。このテネレがVストローム800DEやXL750トランザルプに刺激を与えたと言ってもいいだろう。

だが、この最新の2車、走破能力というより、どういったスタンスでそういった道に挑むかといったところに大きな違いがある。

画像1: 「XL750トランザルプ」vs「Vストローム 800DE」比較インプレ(宮崎敬一郎)

Vストローム800DEは非常に優れた走破性を生む上質な前後の足回りによって、かなりの起伏に富んだ凸凹を踏破できるポテンシャルがある。これが快適な乗り心地も生んでいるが、800DEの魅力は、この走破性を活かして、オフで積極的にスポーティな遊びまでできること。トラコンの「グラベル」モードなどはOEMタイヤのままで適度にスライドさせ、多くのライダーにビッグオフの醍醐味を体験させてしまう面倒見のよさだ。

対するXL750トランザルプはそうした道をイージーに踏破させることに専念したような作り込み。こちらの「グラベル」モードはスライドを抑え、多少のクレバスやステアケースを穏やかなスロットル操作で誰にでも確実に踏破させる。もちろん、スポーティな操作も各モードを設定すれば可能だが、酷路での必需品とも言えるアンダーガードが高価なオプション設定だったりして「挑みたい方はご準備とお覚悟を」といったスタンスのようだ。

画像2: 「XL750トランザルプ」vs「Vストローム 800DE」比較インプレ(宮崎敬一郎)

この新作2車はともに気楽に操れるオールマィティーなアドベンチャーだが「スポーツ」に何を求めたかが違う。

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