あらゆるシーンで扱いやすく、頼りになる相棒、それがトランザルプ。新型車XL750トランザルプの開発者である、佐藤さんと細川さんに、開発時の想いやこだわりを聞いた。
文:オートバイ編集部/写真:南 孝幸、ホンダモーターサイクルジャパン
画像: 佐藤まさとし氏(右) 本田技研工業株式会社 二輪・パワープロダクツ事業本部 二輪・パワープロダクツ開発生産統括部 商品開発部 商品開発課 チーフエンジニア 細川冬樹氏(左) 本田技研工業株式会社 二輪・パワープロダクツ事業本部 二輪・パワープロダクツ開発生産統括部 商品開発部 商品開発課課長 チーフエンジニア

佐藤まさとし氏(右)

本田技研工業株式会社 二輪・パワープロダクツ事業本部 二輪・パワープロダクツ開発生産統括部
商品開発部 商品開発課 チーフエンジニア

細川冬樹氏(左)
本田技研工業株式会社 二輪・パワープロダクツ事業本部 二輪・パワープロダクツ開発生産統括部
商品開発部 商品開発課課長 チーフエンジニア

ホンダ「XL750トランザルプ」開発者インタビュー

画像: Honda XL750 TRANSALP 総排気量:754cc エンジン形式:水冷4ストSOHC4バルブ並列2気筒 シート高:850mm 車両重量:208kg 発売日:2023年5月25日(木) 税込価格:126万5000円

Honda XL750 TRANSALP

総排気量:754cc
エンジン形式:水冷4ストSOHC4バルブ並列2気筒
シート高:850mm
車両重量:208kg

発売日:2023年5月25日(木)
税込価格:126万5000円

気負うことなく楽しめる「ちょうどいい」アドベンチャー

「アドベンチャーのトップモデルにはアフリカツインがありますが、その下のクラスを見るといきなり400Xになってしまう。ラインアップに穴があるので、ここにちょうどいいサイズと性能のミドルアドベンチャーを揃えたい、そう考えたのが始まりです」

かつて欧州で愛されたミドルアドベンチャー、トランザルプ。その栄光の名前を冠した新型を造るにあたって、LPL(開発リーダー)の佐藤さんはそう考えたという。

「ただ、はじめからトランザルプを造ろう、と決めていたわけではなく、当初はCRFブランドのオフローダーも検討していました。開発を進めながら、ライダーの皆さんが求めるものとは何か、を突き詰めていく中で、コンセプトはCRFというよりXLだよね、という話になり、目指す方向がトランザルプになっていったのです」

画像1: ホンダ「XL750トランザルプ」開発者インタビュー

最終的に開発チームが目指したものは「ちょうどいい」1台。アフリカツインではちょっと大きい、というライダーに向けた、ちょうどいいサイズとパフォーマンスのマシンを造ろう、ということで狙いは定まった。LPL代行の細川さんは語る。

「もっとサスペンションを長くして、エンジンのレスポンスを上げた、オフロード寄りのマシンを作ることもできましたが、それはトランザルプの目指すところではありません。日常の使い勝手で困ることなく、気を使わずに走って欲しい。そう考えました」

CB750ホーネットとエンジン、メインフレームを共有するが、これはアドベンチャー、特にミドルクラスのモデルにとって「軽さは正義」と考えたから。その分、ホーネットと共有するユニカムツインのセッティングには手間を惜しまなかったという。細川さんが振り返る。

「FIのセッティングや、吸排気系の造り込みは、とにかく地道な作業の繰り返しでした。ホーネットとは目指すキャラクターが違いますから、試乗してはアジャスト、を繰り返していました。車体にしても同様で、フレームの剛性バランスや、細かいさじ加減が必要な作業には、とにかく時間をかけました」

画像2: ホンダ「XL750トランザルプ」開発者インタビュー

オンロードだけでなく、オフロードにも臆せずに入って行ける。そのために、フロントは走破性を求めて21インチに決定し、ライディングモードに「Gモード」も加えた。佐藤さんは語る。

「ロングツーリングの最中に見かけた、ちょっとしたダートなど、入ってしまったら途中で引き返すことが難しそうな場面でも、安心して走って行けるよう、確実に走破できることを重視したモードに仕上げました」

ライダーが臆することなく、どこでも走って行ける「気軽な冒険の旅」のためのオートバイ。それが新型トランザルプなのだ。

「とにかく軽さにこだわりました。乗ってみて、これくらいがちょうどいいな、と思っていただけたら嬉しいですね」(佐藤さん)

画像: トランザルプのデザインスケッチ。スムーズに流れるサイドパネルの形状や、トリコロールカラーに初代へのリスペクトが詰まっている。

トランザルプのデザインスケッチ。スムーズに流れるサイドパネルの形状や、トリコロールカラーに初代へのリスペクトが詰まっている。

文:オートバイ編集部/写真:南 孝幸、ホンダモーターサイクルジャパン

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