1970年代に活躍したスクランブラーのテイストを色濃く取り入れたフルサイズ原付二種、ブリクストン「フェルスベルグ125XC」。メッキタンクがひときわ目を惹くが、各部の造形もこだわりのあるもので、所有感の非常に高い、注目の一台だ。
文:太田安治、オートバイ編集部/写真:柴田直行

ブリクストン「フェルスベルグ 125XC」インプレ(太田安治)

画像: BRIXTON FELSBERG 125XC 総排気量:124cc エンジン形式:空冷4ストSOHC2バルブ単気筒 シート高:820mm 車両重量:130kg 税込価格:49万5000円 ※カラーはクイックシルバーのみ

BRIXTON FELSBERG 125XC

総排気量:124cc
エンジン形式:空冷4ストSOHC2バルブ単気筒
シート高:820mm
車両重量:130kg

税込価格:49万5000円
※カラーはクイックシルバーのみ

さまざまなシーンで楽しいオールラウンドな性格

2018年に満を持してデビューしたのがオーストリアのブリクストン。単気筒125ccから2気筒1200ccまでのオリジナルエンジンを搭載し、クラシックネイキッド、カフェレーサー、ボバー、ストリートカスタムなど、ルックスの異なる個性的なモデルを用意して着実にファンを増やしている。このフェルスベルグ125XCは1960~70年代オフロード車のスタイルにまとめた一台だ。

まず目を引くのが上質なクロームメッキが施され、眩しいほどの輝きを放つガソリンタンク。試乗日は快晴で、走っていると青い空と白い雲、新緑がタンク全面に映り込みながら流れ、うっとりするほど美しかった。このメッキタンクはフェルスベルグ最大の魅力だと思うが、ショートタイプのアップフェンダー、テールエンドを跳ね上げたマフラー、ブリッジ付きハンドルバーが形作る古典的スクランブラースタイルも、若いライダーには新鮮に映るだろう。

画像1: ブリクストン「フェルスベルグ 125XC」インプレ(太田安治)

エンジンはシンプルな空冷2バルブ単気筒で、空冷ならではの冷却フィンとエキゾーストパイプに巻かれたバンテージがレトロ感を漂わせている。もちろん中身はインジェクションを採用した現代的なメカニズムだ。標高約800mの峠道まで走ってみたが、キャブレターのように気圧や気温の変化によって混合気が濃くなってレスポンスが悪化することもなく、始動性、アイドリング安定性、ラフなスロットルワークに対する応答性も良好。マニュアルクラッチの5速ミッションを駆使することで、11馬力のパワーを余すことなく引き出す走りが楽しめた。

画像2: ブリクストン「フェルスベルグ 125XC」インプレ(太田安治)

ギャップ通過時に底付きしないよう設定されている前後サスペンションと、前18インチ、後17インチの本格的なブロックパターンタイヤでダート走行も難なくこなせるから、キャンプサイトや自動車ではたどり着けない山間部の秘湯までためらわずに入り込める。ただし、深い轍のある所やガレ場では、エンジンガードの下側を通っているエキゾーストパイプを打たないよう注意した方がいい。そもそもスクランブラーとは「ロードモデルをベースにオフロードも走れる」ように仕立てたもの。フェルスベルグXCも本来のキャラクターはストリートバイクなのだ。

フラットシートで荷物も積みやすく、11.5Lのタンクで航続距離も長い。ストリートからダート、さらにはツーリングまで、存分に楽しめる万能モデルだ。

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